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註:以下の多くは人見の妄想と推測です。当たっているかも知れませんし、外れているかも知れません。鵜呑みにするのは危険ですので、真偽の気になる方は直接メンバーに御問い合わせ下さい。
表記は、前作の解説文同様に、
・S: Sugawara Yoshihiro
・T: Arae Taro
・Y: Suzuki Yuto
作品解題
(1)(Introduction) アルバムに表記無し
ファースト・アルバムに引き続き、本作もSE(的なギター・インストゥルメンタル)で幕を開ける。何かが異空間から到来する様に感じる。赤い玉かも知れないのでハヤタは注意しなければいけないし、或いはガラダマかも知れないが、スカイドンでは無さそうな気がするので、ハヤタがうっかりスプーンで変身しようとしてしまう事は無さそうだ。
アルバム完成後初のライヴとなった五月四日に、「二枚目は名作」という旨のMCがあったが、この曲はザ・ジミ・ヘンドリクス・エクスペリアンスのセカンド冒頭「ESP」を意識して作られたものだろう。多分「セカンドだからこれで」という思いつきで(違うかな?)(*)。その思いつきを具現化したTの編集力に拍手。
余談だがジミはサード『エレクトリック・レイディランド』が最高とする向きが多い様だ。僕はその次のライヴ『バンド・オヴ・ジプシーズ』が一番好きだし(Sの予言通りだった!)、生前発表されたスタジオ盤三枚の中では特にセカンドが好きだ(「スパニッシュ・キャッスル・マジック」が入っているから、という単純な理由だな、多分…)。残るファースト『アー・ユー・エクスペリエンスト』も好きだし、未完に終わった『クライ・オヴ・ラヴ』(又は『ファースト・レイズ・オヴ・ザ・ニュー・ライズィング・サン』)の完成形を想像すると文字通り眠らないまま朝陽を浴びる。という具合で、まぁ多くの方と同様に(**)結局全部好きなのだが。
(*)すかんちの四枚目は、「四枚目だから」という理由で『オペラ』。何と正しい馬鹿っぷりだろう。
(**)「それよりもっと多くの方は一枚も聴いてないからね」という、妹その他から出るであろう指摘は無視させて頂く。
(2)Back on the Street
ファーストと比して(1)(2)の繋ぎが甘い。不要な間(ま)が有る。と多分人見は書くと思われているに違い無いので、期待通り記しておく(笑)。ファーストの冒頭部を「AC/DC並み(の短い曲間)だ」と誉めた人間であるからして。まぁ今回はフェイド・アウトとの繋ぎだから仕方無かったのかも知れないし、この「間」も前項で触れたジミのセカンドに倣ったのかも知れないが、例えばカット・アウトにエコーを足して間髪入れず(2)に、とかさ。なんて、余計な御世話でした。失礼。
ファースト同様、本作にも以前からのライヴ・レパートリーが多く収録されており、以前からのファンを喜ばせる事だろう。(2)(4)(5)(7)(10)はもう世に出て十五年以上経過している、既に時の試練に耐えて生き残った秀作という事になる。(*)
スティーヴィー・サラスあたりに「君と同世代でこんな日本人が居るぜ!」と自慢したくなる一曲。
(*)尤も、ザイヴズの作品で時の試練に耐えられずに消えたものは皆無と言っていい。全てが次なる機会を待っている。スティーヴィー・レイ・ヴォーンっぽくて、初演直後にその彼が亡くなっちゃったというインスト「パンピー」って、どうなっちゃいました? ブライアン・ウィルスンなら「この曲がスティーヴィー・レイのヘリを落としたんだ。我々が彼を殺したのさ。」とか言いそうですが(笑)。
(3)Watching You
S自らが「これは初期ピンクラになっちゃうんだよな」と言う曲。エレピ(S)、シンセ(T)、クリアーなギターとベイス、トコトコと動くベイスのソロ、
Sのハモり、シンコペイションの嵐(ハイハットの♪ツーッ)、確かにピンクラのハワイ録音時代っぽい。これでドラムがもっと近く、もう少しちゃっちい音だったらモロなのに―なんて、わざわざ似せてどうする(笑)。
「似る(なっちゃう)」と「似せる」の違いは大きい。
自然と不自然。影響と真似。フォロワーとクローン。本歌取りと盗作。下敷きと剽窃。
問題は愛・敬意・洒落ごころの有無。混同・誤用は避けましょう。
ちなみにキッスの ‘Watchin’ You’ とは異なる曲。
そしてキッスと言えば、
(4)How to Run
続くこちらがTのキッス趣味全開となる一曲だ。前作 ‘Jungle’ と同じ流れの(どっちが先なんだっけ?)、しかしこちらはジーン・シモンズではなくポール・スタンリーに近い唱法でTが迫る。是非、付け胸毛で「ヘーロウ、トキオウ」と叫んで頂きたい。
ギター・ソロ突入の瞬間がたまらない。効くツボをググッと押さえられた時の様な、「そう、そこそこそこ!」という音色と音程でSが斬り込んで来る。そしてソロ半ばのモタってチョーキング・ダウンしてくる辺りは、Tの意を汲んでかエイス・フューリ(セカンド『地獄のさけび』のジャケ表記にならった)の系譜を感じさせる。キッスの『アライヴ』ばりのドラムのイフェクト処理もたまらない。ちなみにジミの諸作と『アライヴ』のエンジニア/プロデューサーはどちらもエディ・クレイマー。ほぉら、又話が繋がった!
(5)Black Star
彼等のアレンジは初演から余り変わらない事が殆んどだが、この曲は珍しく初演後かなり変わった(変わってからも暫く経つが)。当初はAやIに近い、パワー・コード&ユニゾン地獄で一気に走り抜けるタイプの曲だったのだが、YとTがガリバルディ/プレスティアを思わせるオークランド・ファンク風リズムを持ち込んだ事により、緊張感が若干やわらぎ、ジャム・セッションっぽい、リラックスした「遊べる」曲に生まれ変わった。そのせいかSのリズム・パートが時折ホーン・セクションっぽくも聴こえる。Tのスタカートの効いたプレイが素晴らしい。只、ベイスが寄り添ってくれないので一人でリフを刻むギターが時たま心細そうではある(笑)。
クロスオーヴァーしたリズム隊にロックなギターという組み合わせは、ブロックへッズ(イアン・デューリー)のリズム隊を従えたウィルコ・ジョンスンにも近いだろうか。
それから、我々音楽仲間で「北島」(*)と呼んでいるヴィブラ・スラップ(憶えられないんだ、この名前が)も登場するのもポイント。どうせならもう少し炸裂して貰いたかった気もするが。
所で、ジミ・フォロワー(のフォロワー)っぽい初期ヴァージョンも捨て難いのもまた事実だ。ライヴの時はたまにはこちらも、又はリトル・フィートみたいに次作で再録音(**)をしたりしてくれてもこちらは一向に構わないのだけれど。是非。
(*)野暮な解説かとも思うが、かの昭和ソウルの名曲「与作」が由来。Pファンク級のコール&リスポンス “Hey
Hey Ho-oh” !
(**)ファンカデリックに至っては、一つのアルバムにふたヴァージョン入れちゃったりするけれど。
(6)Let Somebody Love You
上記の五月四日のライヴでこの曲を聴いた時は驚いた。ライヴでも三人でいっぺんに、しかも(♪ウーとかではなく)歌詞パートを歌い出したのだ(「オープン・ヴォイシングのコーラス」と言うそうです)。その迫力は特筆ものだった。敢えて前作と比すれば(*)、本作はコーラスがかなり重厚になっていると言えると思うが、しかしライヴでもそれをやれてしまうとは思ってもみなかった。いやぁ改めてお見逸れ致しやした。
考えてみると、スリー・ピース・バンドで全員がリード・ヴォーカルを取れるのは珍しい。ザイヴズの強みは此処に有るのだ、と再確認してしまった。歌えて、且つ基本的に「歌伴」が好きな三人なので、演奏も「歌って」いる。「歌ごころ」のあるロック・トリオというのもこれ又珍しい。インストゥルメンタル曲が少なかったり、曲中のソロやインタープレイが実はそれ程長時間では無いのもその証左と言えよう。
(*)自戒も込めて書くが、大体、「一枚毎の何がしかの進歩」を期待する方が間違っているのだ。それを期待するメディアと、それに煽られて「それが誠実なファン」と勘違いしているファンの過剰な期待を、これまた真に受けて、おかしな「新たな一歩」を踏み出してしまうミュージシャンは不幸だ。バンドの命を縮める事にも繋がりかねない。
「同じメンバーの同じバンドが同じアルバムを作って何がおかしい?」(ブライアン・ジョンスン[AC/DC])
―これでいいのだ。
本作の「AB面」の境は此処だろう。そこで閑話休題。
コラムっぽく、「ザイヴズとジェフ・ベック、或いはザイヴズとブギ」
ザイヴズを聴いて七十年代のジェフ・ベックを感じる方は少なくない様だ。ギターの音色やソロでのブッ飛び具合、いわゆる8ビートではないリズム・アレインジメントに確かにその影響は表われているし、彼等のブギ・ナンバーを聴いて「ベックズ・ブギ」を想起する方は多いだろう(同世代ロック・ファンで、ブギのリズムと言えば先ずベックという方は結構居ると思う)。事実、彼等はかなりのジェフ・ベック好きだ。特に第二期ベック・グループ、かな? 嗚呼コージー・パウェル…。
しかしベックに決定的に欠落している、つまりザイヴズと重ならない点は(ああ、遂に同列で書いてしまった!)、ジェフ・ベックは歌わないギターリストだ、という事(*)。ザイヴズは実際に「アイス・クリーム・ケイクス」を演ったり、キーボーディストを加えて『ワイアード』の曲をスタジオで試したりもしているが、各パートの「歌」への寄り方が全く違う。歌ものでブギのギターという点では、例えばZZトップのビリー・ギボンズに近い気もするが、Sがギボンズに傾倒しているかどうかは定かではないし、「共にジミ・フォロワーであるから似ている」という偶然の一致だとすれば、むしろその方が凄い。
ザイヴズのブギは、英国よりも米国っぽいと思う。ある種の「軽さ」がそう思わせるのだろう。二拍四拍のアクセントが明確で、ちゃんとうねっている。ディープ・パープルと言うよりZZトップ。ステイタス・クォと言うよりジ・オールマン・ブラザーズ・バンド。ユーライア・ヒープと言うよりウィンター・ファミリー(Eって「タバコ・ロード」っぽい狙い?!)。又、アメリカン・テイストの強いアイリッシュであるスィン・リズィに近いノリも感じる。
(*)彼は「歌ごころの無い歌」というこれ又珍しい歌を時たま披露するが、ファンもそしてベック本人もあまり喜んでいないのは明白である。
(7)Wombat
出ました、前作「マングース」に続く動物モノ。(4)もそうだが、三人の中で一番ディスコ/ファンクが好きであろうT主導となる曲が、結構エイト・ビートのゴリ押し感丸出しなハード・ロックなのが面白い。この曲はキッス風でもあるがブライアン・メイ主導のクイーンっぽくもあるよなぁ、そう言えばTの綺麗なベイス・サウンドって加部というよりジョン・ディーコンだよなぁ等と思っていると、ギターが音色とハモりで「その通りだよ〜ん」と言い、駄目押しで♪グワワワワ〜ン♪と銅鑼が鳴り響き、この説の正しさが裏付けられるという仕組み(?)だ。するとTの唱法や、Yのハイハットの緩い締め具合がいずれもロジャー・テイラーっぽく聴こえてくるのだから、思い込みというのは全く以って面白い。そして高音・低音のコーラス! クイーンというかラッシュ(*)というか。もっともっともっと重ねてくれええええっ!
銅鑼の所有者・演奏者はハード・ロック研究所の肉体派ドラマー=ジーザス。本アルバム唯一のゲスト参加者だ。そうそう、キーボードやパカッションのオーヴァーダビングを三人でこなしたのも、本アルバムをザイヴズらしさで染め上げられた大きな要因だと思う。もうこの際だからZZトップみたいにホーンも自分達で演っちゃったら?
でもってエンディングはモロにピンクラじゃないのよォ、これは。(←山田康雄風に)
(*)新作から数曲、渋谷陽一がかけてたけど、何だか久々に良さそうだなあ。
(8)Get Away
一曲の中でリード・ヴォーカルを歌い分ける事は余り多くないのだが、この曲はSとTが交互にリードを取るという珍しいパターンだ。
彼等の演奏を聴いていて飽きない理由の一つは、同じ曲が同じ事の繰り返しにならないので聴き逃せないからだと思う。ライヴは当然として、スタジオ録音セッションでさえも、一番と二番の同じ所でアンサンブルが違うのだ。これは各々の演奏者としての幅、そしてパターン化を良しとしない志向が合致し、しかもその相性が奇跡的に良かった結果だ。演奏者寄りの視点(聴点?)で音楽を聴きがちな方々には堪えられない演奏を常に披露してくれる。
その意味ではジャズ/フュージョン的であり、又、ブルフォード&レヴィンにブリューという編成っぽくもある(あれ、フリップは?)。
(9)Please, Please Tell Me
Yのクサい男っぷりが出た、実に気障な一曲。偶然にも(だと思うが)、シュガー・ベイブの大貫妙子作品に何処となく似ているのが興味深い。
(2)(6)やこの(9)の様な、ザイヴズ=パワー・ロック・トリオのカテゴライズからはみ出た曲は、結成後の数年間に一種の別ユニットとして活動していたスクラッチ或いはグリーズィ・スプーンを想い出させる(*)。いずれも彼等三人を含むファンク/フュージョン・バンドで、二管、もう一人のギター、キーボード等を擁していた。クルセイダーズ(Scratchは彼等のアルバム名、Greasy
Spoonは曲名だ)やスタッフのレパートリーを高い再現度で演奏していた。Y主導の、或る意味でザイヴズ以前からの、ザ・ワッツ、ガウチョの延長とも言えるこれらの経験を踏まえて、ザイヴズは更に懐の広い・深い音楽性を獲得したと言えるだろう(**)。
という事は、ジョー・コッカーやポール・サイモン、マーヴィン・ゲイ或いはB.B.キングみたいな人を連れてくれば、ザイヴズはバックを務めてくれるのだろうか? ハルク・ホーガンじゃなくてね(***)。
(*)S曰く「あれは勉強になった」
(**)他に彼等が関わったものとして、ヒット・ミーズ(Hit me’s)なる不定形不連続運動体が有る。固定メンバー無し、曲は思いつき、構成も思いつき、ライヴの進行はだらだら、しかも活動自体も思いついたが吉日=不定期という形態(?)のバンド(?)だ。音楽性は良く言っても「ジャムセッション的・行き当たりばったり・なんちゃってPファンク・バンド(ファンカデリック寄り)」でしかない。神をも恐れぬ失礼さをもって、このバンドのリーダーはザイヴズの三人を要所要所で贅沢に起用している(全員が参加した事が確か一度だけ有った)。いずれにせよ、このバンドは彼等の音楽性を高めたとは到底思えないので、本文中では触れなかった。
―又、声掛けますね。その時は付き合ってね。
(***)ピンク・クラウドはホーガンのミニ・アルバムでバックを務めている。名義は「Hulk Hogan
& Itch-Band」…馬鹿(笑)。
(10)Rainbow’s End
始まるなり「ZIVES」ロゴの電飾看板が光りだす、又はバックドロップ(ステージ幅の幕)が後方で上がるという想像をしてしまう、クライマックスに最適な一曲。初期より名曲として名高かったこの曲をセカンドで出して来た所に、彼等の本アルバムへの意欲を感じる。♪white,
white, white…という、余りにも古典的過ぎるが故に時代を超越したヴォーカルのイフェクト処理が素晴らしい。
彼等にはファースト以前の作品集として、三曲からなるカセット「ZIVES DEMO」が有るが(*)、そこから(4)(10)が今回再録音されている。ちなみにその「DEMO」録音時、ミックス/オーヴァーダビングに運良く顔を出せた僕は、♪Light
shines on / What you want♪と追いかけて歌われるバッキング・ヴォーカル(今回そのパートは無い)として参加した。僕はトラウマのレコーディングにコーラス参加出来た宮原学みたいに嬉しかった。更に勢いで、同じ時、僕がリード・ヴォーカルをとったヴァージョンも録音させてもらった。なのでいつかライヴに飛び入りして
…なんていう事は考えていませんからね。いやホントだって。トリオ・バンドの緊張感の中にゲストが割り込むとステージがダラけるのを知ってるから。マリちゃんでもミッキーでも駄目になっちゃうんだもの。僕なんてとてもとても(**)。
ちなみにこの曲は、「果たして ‘Rainbow’s End’ はロニー脱退なのか、コージー脱退なのか、パープル再結成なのか」等という内容では決して無い。
(*)他に、コンピレイション盤『Yoshinostock Anthology』に95年のライヴが二曲収録されている。
(**)本稿に直接的な関係は無いが、この際だから勢いで明言してしまおう。チャーのファンとジョニー、ルイス&チャー(ピンク・クラウド)のファンは違う。
(11)Robot
サンターナ/オールマンズ・スタイルにトラフィック・テイストも加味された、本作唯一のインストゥルメンタル。『「[アメリカ]に憧れるイギリス人」に憧れる日本人』である彼等に憧れる僕である。彼等による、サンターナの「ソウル・サクリファイス」のカヴァー(ゲスト無しでの力技!!!)を想い出す方も多いだろう。そこからの進化・深化・成長を実感できる充実のクロウズィング・ナンバーだ。偶然の一致だと思うが、近年のワン・オヴ・マイ・ベスト・アルバムであるルーク・モーリー(サンダーという、バンド名以外は非の打ち所の無いブリティッシュ・ロック・バンドのリーダー)のソロ『エル・グリンゴ・レトロ』の最後も、もろにオールマンズなインストだった。興味の有る方はこちらも是非(実はサンダーの諸作よりも好きだったりする)。
ちなみに榊原郁恵の同名曲やクラフトワークの「ザ・ロボッツ」とは勿論無関係。そう言やあこれが何でロボットなのか全く解らない。鉄人? アトム? ジャイアント・ロボ? レッドバロン? マッハバロン? 17? ロボット長官? キング・ジョー?―キリが無いのでここまで!
(12)(Ending) アルバムに表記無し
(1)の別ヴァージョンとなるギター・インスト。基本的に同じもの(こちらの方が長い)なのに、こちらは何かが去っていく様に聴こえる所が、暗示・思い込みの生き物=人間の好い加減さというか都合の良い解釈というか。
リピートして(1)に戻ると気持ち良いんだなぁ、これが。またやって来ちゃうんだもの(笑)。
比較材料にと、改めて久々に(失礼!)ファーストを聴いた。驚いた点がひとつ。
セカンドの方が疾走感が有るのだ。
ファースト発売当時は、ライヴとの温度差に気付き乍らも、何処かで無意識のうちに一般論として「スタジオ盤ってそういうものだよね」と言い聞かせていたのかも知れない。それでも当時は結構勢いが有って良いと思っていたというのに。しかしこのセカンドの熱さと勢いはどうだろう。スタジオでも燃える術を体得したという事だろうか。
後はトトみたいに変な拡散及び保守化に走らず、エアロスミスの様に(*)ライヴのグルーヴをスタジオ録音でもブチ込む術を磨いていって頂きたい。
(*)Y曰く「エアロスミスってドラムが下手だから聴けないんだよね」。エアロとフロイドに関しては、それは言わない約束ですよ、Yさん(笑)。
セカンド名作リスト:
先ずはトリオ:
Axis:Bold as Love /The Jimi Hendrix Experience (僕は「リトル・ウィング」より「エインジェル」が好きだけどね)
Disraeli Gears /Cream (ほ〜んとカラフル)
Tricycle /Johnny, Louis&Char (「フィンガー」!)
Cloudland /Pink Cloud (「宇治茶屋第二幕」って初期形の方がもっとカッコ良かったんですねぇ[
『Bootleg』所収])
Regatta De Blanc /The Police (あんなに諦めのつく、納得のいく形で終わったんだから、僕は再結成なんて認めませんよ[笑])
Couldn’t Stand the Weather /Stevie Ray Vaughan &
Double Trouble (「スカットル・バッティン」!)
Bridge of Sighs /Robin Trower (チャカーンチャチャカーンチャチャカーンチャチャカーンチャチャデレレレレレレ)
(BBAのセカンド、完成させてもらいたかったなぁ)
Led Zeppelin II /Led Zeppelin (そりゃあもう敵なし、王様の気分だったでしょうねぇ)
ウルトラセブン (「マン」に続く円谷巨大ヒーローもののセカンド、として)
With the Beatles /The Beatles (♪インウォンビロンニェッ)
Rumours /Fleetwood Mac (バッキンガム&ニックスが加入して二枚目)
Beck-Ola /Jeff Beck (わがままジェフによると、ロッドとロニーが妙に仲良くなっちゃったから解散したそうだが、それは多分君がその中に入っていかなかったからじゃないかなぁと思ったりもして)
Jeff Beck Group /Jeff Beck Group (第二期ベック・グループの二枚はどちらも最高だけど敢えて選べば実は一枚目[笑])
Wired /Jeff Beck (まだナーダが優秀ないちドラマーだった頃)
We Can’t Go on Meeting Like This /Hummingbird (バナ―ド・パーディ!)
Toulouse Street /The Doobie Brothers (タイラン・ポーター加入!)
Something/Anything? /Todd Rundgren (本人の勢いと創作意欲と環境と若さと[二枚組を許した]会社と…もう色々が最高の重なりをした奇跡!)
The Southern Harmony and the Musical Companion /The
Black Crowes (マーク・フォード!)
Don’t Look Back /Boston (R&R最優秀A面候補!)
Surfin’ U.S.A. /The Beach Boys (演奏は下手っぴだけど兎に角曲が素晴らしい!)
Prince /Prince (「バンビ」!!!)
Strange Days /The Doors (彼等の怖さったらもう)
Wheels of Steel /Saxon (『暴走ドライヴィン』いぇ〜、サクスン最高だぜ〜い)
The Band /The Band (ジャケからしてもう風格が)
MSG /Michael Schenker Group (「アー・ユー・レディ・トゥ・ロック」!!/ 嗚呼コージー・パウェル…)
Rio /Duran Duran (ジョン・テイラー万歳!)
夜に生きるもの /橋徹也 (これはねぇ、もう本っ当に名盤なのですよ)
De'ja` vu /Crosby, Stills, Nash & Young (CS&Nをファーストとして)
Hydra /Toto (「IV」なんて駄目駄目!!)
Like a Virgin /Madonna (ファーストの方が良いと言う向きもありましょうが、僕はナイル・ロジャーズ贔屓なので)
Abraxas /Santana (何てったって天の守護神様ですから)
Pretenders II /Pretenders (僕が最初期に買った中古盤でもある。)
風街ろまん /はっぴいえんど (キッスの『地獄からの脱出』のジャケは『レット・イット・ビー』じゃなくてこれなのか?!)
Get Your Wings /Aerosmith (「ブギウギ列車夜行便」!)
Hotter Than Hell /Kiss (「カ(片仮名)」じゃなくて「力(ちから)」)
Queen II /Queen (♪あっあっあっあっあ〜っ)
In Color /Cheap Trick (そりゃあ、このジャケ見たら婦女子はメロメロですわなぁ)
Gasoline Alley /Rod Stewart (ロッド&ロニーの蜜月)
Dance to the Music /Sly&The Family Stone (♪硬いこと言う奴はお帰りよ!
[all the squares go home!])
Mama Said /Lenny Kravitz (♪マママセ〜ッ)
AWB /Average White Band (「ピック・アップ・ザ・ピーセズ」!)
C’est Chic /Chic (彼等は今でも本作の半分をライヴで演奏しています)
Release Yourself /Graham Central Station (邦題『魂の開放』!!)
Rainbow Rising /Rainbow (ジャガジャガジャ、ジャガジャガジャ、ダッドゥルルンダッドゥルルンダッドゥルルンダッドゥルルンダッドゥルルンダッ!)
Chicago II /Chicago (「長い夜」! ちなみに原題直訳は「四時まであと二十五、六分)
Now Look /Ron Wood (アンディ・ニューマーク&ウィリー・ウィークス!)
High Priority /Cherrelle (ジャム&ルーイス!)
What Time Is It? /The Time (ジャム&ル
ーイス!)
Hearsay /Alexander O’Neal (ジャム&ルーイス!)
Double Vision /Foreigner (「蒼い朝」!)
Desperado /Eagles (実は彼等のオリジナルで一番売れてない)
そして勿論、
Zives II /Zives
ま、多くは一枚目も三枚目も良いんですけどね(笑)。
以上、TVや看板の
「エプソン」を「ギブソン」
「ウィング久里浜」を「ウィングス里浜」
とうっかり誤読しがちな人見でした。
2007年5月29日擱筆
人見欣幸
人見欣幸(ひとみ・よしゆき)
ポップス、ロック、ソウルものの紹介文を「レコード・コレクターズ」誌他に寄稿。
音楽ライターとしての活動の傍ら、湘南ビーチFM等でDJを務める。
ISHII Pops In The Box(金)16:00-17:00
STARLIGHT CRUISIN'(火)19:30-22:00
Back to 70's(日)10:00-11:00
ジャンルを超えた幅広いレコード・コレクションの中から、選りすぐりのごきげんな音を聞かせてくれる。
なかでも、ブラック・ミュージック、特に「シーク(Chic)」に関する知識は膨大。
あのナイル・ロジャーズ(!)が彼の番組にゲスト出演したこともある。
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