エクアドル到着まで :
9年ぶりの4回目のエクアドル、これまではガラパゴス中心で行っていましたが、今回はハチドリをメインに、アンデスの西側と東側に行く旅。
前回、コンチネンタル航空のせいで酷い目に会い、しばらくエクアドルへ行く事を控えていましたが、アメリカン航空でずっとコスタリカやベネズエラなど、中南米の旅を続けて、アメリカンであれば問題ないと確信し、エクアドル行きを決めました。何と言ってもハチドリの種類が多く、どうしても行きたくなった。
行くに当たっては調査が必要、と、ロッジのウェブサイトや欧米の人たちのトリップレポートなどを調べている内、イギリスのDavid Mason氏のレポートを見てびっくり。前回アマゾンのカパウィで我々のガイドをしてくれたWilliamが写真入で紹介されている。早速、Mason氏に連絡を取ってみたら、Williamのメー ルアドレスに連絡すると良い、彼はとっても素晴らしいガイドだった、との返事。カパウィでも本当によく気を使い、素晴らしい知識、目と耳の良さで、我々を楽しませてくれたWilliam。これまでの数多い旅の中で、我々がベストのガイドと絶賛していたWilliamがもしガイドをしてくれるようなら、絶対に楽しく素晴らしい旅になる、と思いつつ、彼に連絡を取りました。
直ぐにWilliamから、我々の連絡をとても喜び、ぜひガイドをしたいと返事があり、計画は加速。
当初、7月に行こうかと考えたのですが、Williamが7月いっぱいイギリスに行くため不可能となり、12月に決定。
Mason氏のレポートでNeblina Toursという現地旅行会社に頼んで、Williamがガイドとなったと書かれており、また、他のレポートでもこの旅行会社でとても良い旅が出来た、と報告されていたので、我々もそうすべきか、とWilliamに訊いてみました。
彼は、「Neblina Toursは自分も、専属ではないが、ガイドの依頼を受けて仕事をしており、とても良い旅行会社である。ただ、あなた方には自分の友達が始めた会社を紹介したい。オーナーのCrisは日本が好きで、日本語も少し判る女性で、二人と言う少人数の手配ならCrisが良いと思う。きっと一生懸命やってくれるはずだ。」と、推薦してきたので、そのEcuador Nature Expeditions にお願いする事にしました。
Crisは本当に細かい事まで嫌がらず、我々の旅を最良のものにするため、しっかり手配をし、各ロッジにも手間を惜しまず連絡を取ってくれて、我々の旅を見事にアレンジしコントロールしてくれました。
Crisにとっては、日本人の旅行を手配したかった中で、我々は最初の日本人客となり、とても嬉しく張り切って手配を行ったとのこと。またこの後、別の日本人客からも依頼があったらしく「あなた方が幸運を運んでくれた。新たに日本人のグループから依頼があり、手配する事になった。」と喜んでいました。
ウィリアムが最後の日に言うには、「あなた方の滞在中、Crisは4回も私に電話をかけてきた。あなた方が楽しんでいるか、困った事はないか、ずっと気にかけている。彼女は自分の顧客に対して、とても気を使ってケアしようとする、そんな人なんだ。」
当初7月で計画していた旅の予定が12月になり、また新たにアランビロッジに直接手配をしたり、と少しずつ旅程が変更されてい き、最終的には、アランビロッジの最後の日Williamが迎えに来て、そこからガイドをする。ただしクリスマスであるため、我々がSachatamia Lodgeにいる2日間だけはWilliamは家族とクリスマスを過ごしてもらう、そしてSachatamiaに迎えに来て、そこからアンデス東側にいる間、最後までWilliamが同行する、となりました。
キトまでは、ダラスとマイアミで2回乗り換えて同日中に到着。少しきつい日程ではありますが、マイアミーキト間のフライトが夜2便(19時着と21時半着)しかなく、アメリカで一泊しても時間がもったいないため、一日で辿り着く日程としました。
各フライトは遅れもなく、大きなトラブルもなく、無事キトに到着。
イミグレーションを過ぎて、無事アランビロッジのJairoと会い、標高2800メートルのキトから1400メートルのアランビへ向かいました。
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アランビ :
入り口にはHammingbird Paradise と書かれています。
ロッジの紹介で書いたように、元々住居だった家をそのままほとんど改造せずに使っている。まるで自分の家のようにリラックスして4泊過ごす事が出来ました。
到着したのが夜の12時近く。とにかくそのままベッドに入り、翌朝起き出すと、早速ハチドリたちが飛び回っている。早速カメラを持ってテラスへ。Brown VioletearやSparkling Violetear、Fawn-berasted Briliantに美しいEmpress Brilliant、とても可愛いAndean Emerald、そして色鮮やかなGreen-crowned Woodnymphなど、初めてお目にかかるハチドリたちが我々を歓迎してくれます。長い尾羽が美しいViolet-tailed Sylphも初めて。今まで数回しか見たことがないWhite-necked Jacobinもここでは常連さん。ただここでじっと見ているだけで、とても幸せな気持ちになります。
これまでコスタリカ、パナマ、ベネズエラでもハチドリに会いましたが、これだけいろいろな種類に、多数一時に出遭った事はありません。思わず「ホントにここはパラダイスだ!」と叫んでしまいました。
そうしている内に、とても美味しそうな香りが漂ってくる。大好物のエンパナーダ!朝食が我々の元へ運ばれてくる。この時の写真を見てみると、我々二人とも本当に大喜びの子供のような表情です。
数時間、ここで幸せな時を過ごしていたかもしれません。Jairoの「トレールを案内する」と言う言葉に我に返って、彼の案内でアランビ川に沿って続くトレールに行ってみました。
距離も短く、アップダウンも少ないのですが、若干滑り易くところどころ狭い箇所もある。我々にとっては少々苦手なタイプのトレールでした。Torrent Tyrranulet をみる事が出来た程度。やはりハチドリやロッジの周囲に来るTanager類とかの方が好みなので、川の方には数回途中まで行ってみたくらいでした。
鳥が多いのはロッジの庭と、建物から入り口までの私道の辺り。歩き易いのは、ロッジの外の広い道。ハチドリ観察以外のときは、そんな場所をウロウロして楽しんでいました。
テラスでハチドリ観察が多い我々。Mariaは時々おやつも持ってきてくれます。庭に生っている珍しいフルーツ、美味しいフレッシ ュジュース。ついつい食べ過ぎてしまいます。
午後になって子供の声がしました。別の客が来たのかと思ったら、Jairoの姪、つまりMariaの孫が遊びに来たとのこと。何処の子供も同じで、最初は恥ずかしそうに何もしゃべらず、その内遠巻きにしてこちら(きっと彼女にとって初めて見る人種なのでしょう)を観察。そしてだんだん距離を近づけてくる。
慣れてくるともう大変。スペイン語しかしゃべれない5歳のEuniceは、我々に一生懸命スペイン語を教えてくれました。動物の名前を当てさせるゲーム。その鳴き真似がとても上手い。発音も根気よく何度も教えてくれます。彼女のOKが出るまで何度も言わされる。とても素晴らしいスペイン語の教師でした。
彼ら家族はとても仲良く、信頼しあってロッジを運営しています。一緒にいる我々も家族の一員になったようで、リラックスして過ごす事ができました。
ハチドリ観察は、ハチドリたちともっと触れ合いたいと、ついには地面に座り込んで、眺めていました。そうすると周囲を飛び回る。かなり近くを飛んでくるので、ぶつかって怪我した人はいないのかなあ、とJairoに訊いてみたら、それは聞いたことがない、と笑っていました。きっと凄いスピードで近距離を飛び回るハチドリにとって、人間の動きは止まっているように見えるのでしょう。
ほとんどこの敷地内から出ず、ノンビリしてはいたけども、とても充実しハチドリを堪能した我々。次の目的地へ向かうべく最後の朝、Williamの迎えを待っていると、突然大きな茶色い鳥が目の前に飛んできて、Jairoの横をかすめて飛び去りました。何とCock of the Rock !! 雌でしたが、最後に我々を見送りにやって来てくれたようです。
Williamは時間通りにやって来て、Jairoと Mariaに見送られながら、楽しすぎたアランビを後にしました。
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サーチャタミア :
この日は一日Williamにミンド地域をバーディングガイドしてもらうことになっていました。選んだのはMilpe Bird Sanctuary。本当は早朝暗い内に出発し・・・となりますが、楽を望む我々は、ゆっくりアランビで美味しい朝食を食べて8時過ぎに出発。まあ、焦る事もないとWilliamも「直ぐに向かうのもいいけど、景色の良いところに行ってみる?」。そっちに向かいました。ずっと未舗装のガタガタ道。地図で見ても判りにくかったけど、この辺りで有名なTandayapa lodge は、アランビの比較的近くにありました。その横を通り、さらにBellavista Lodgeの敷地内にも道は続く。このロッジはかなり高所にあるようで、幹線道路からは一番行き難い場所にあるようでしたが、その分自然は素晴らしいのでしょう。敷地も広くこの辺りでは一番利用されているロッジのようです。この 敷地内のポイントが一番景色がよいとのことで、クルマを停めて行ってみました。残念ながら天気が悪く景色は楽しめず。直ぐにクルマに戻って、まず荷物を置くためにサーチャタミアロッジに向かいました。
サ−チャタミアロッジは、幹線道路からちょっと入ったところにある便利な立地。ウェブサイトを見てもあまり鳥のことが紹介されていないので、過大な期待はしていませんでしたが、到着してメインビルディングのところに行ってびっくり。ハチドリが多い!建物の表と裏に多数のフィーダーが設置されており、全てにいろいろなハチドリがやって来る。アランビ以上に凄い数!と思いました。
いきなり、Tawny-bellied Hermit が飛んでくるし、Violet-tailed SylphやBooted Racket-tailの数はアランビよりはるかに多い。そしてここで一番印象的なVelvet-purple Coronetなど、フィーダー付近は盛りだくさん。荷物を置くだけのつもりがいきなりハチドリ観察になってしまった。
Milpe Bird Sanctuary と Mirador Rio Blanco:
本日はMilpe がメイン。WilliamとMilpe Bird Sanctuary に向かいました。ロッジからクルマで20分ほどで到着。ここでは、ハチドリとマナキンに期待していました。ハチドリは、Green Thorntail の多さにビックリ。フィーダーに集まっていました。コスタリカでは雄雌一羽ずつを必死で追いかけましたが、ここでは群れてる。
期待してたマナキン、Club-winged Manakin は、ちゃんと登場してディスプレイも見せてくれました。残念ながらこの鳥は高いところにいることが多いらしく、目線でみることは出来なかったし、写真も取れなかったけど、Williamがテレスコープを使ってじっくり見せてくれました。
トレールを一周し、Pale-mandibled AracariやCrimson-rumped Toucanet等も見た後、入り口のところで昼 食となりました。再度ハチドリ観察した後、今度は鳥見で有名なレストラン Mirador
Rio Blancoへ。ここからの景色は素晴らしかった。さらにコーヒーを飲みながらフィーダーに来る鳥たちを観察しました。
そうこうする内に段々雲行きが怪しくなってきた。ロッジに戻る頃には雨が降り出し、Williamにロッジのトレールを案内してもらう予定が、とても無理になってしまいました。そのため、急遽ハチドリとメインビルディング付近に集まる鳥観察に変更。雨だから鳥たちも雨宿りできる場所に集まるのか、Golden Tanager, Flame-faced Tanager、アラカリやウッドクリーパーなど, 次々近くにやってきます。
この日は、Williamと夕食を共にし、彼はクリスマスを家族と祝うべく、帰って行きました。これから丸二日間はロッジ内でトレールを歩いたり、ハチドリ観察に明け暮れる事となりました。
このサーチャタミアロッジで有名なのは、Toucan Barbetがとても見やすいところに現われること。滞在中の朝、毎日登場。最初の二日間は霧が多くボンヤリとしか見えませんでしたが、出発の朝はやっと天気が回復し、はっきりと見ることが出来ました。また、部屋の窓の外の木には、Flame-faced, Beryl-spangled Tanager, Blue-winged Mountain Tanager, Squirrel
Cuckoo, Glossy Flowerpiercer などがやって来て、雨の日も全く飽きることなく、楽しい滞在でした。
トレールは広くしっかりした歩道になっていて歩き易い。今回はガイドがいなかったこともあり、多くの鳥を見ることはできませんでしたが、蘭の種類も多いようだし、何より気持ちよく歩く事が出来ました。トレールのスタート地点の森の中で出会ったOrnate Flycatcherはとても可愛らしく印象的でした。
ハチドリは本当に数も種類も多い。Violet-tailed Sylph、Booted Racket-tail、White-bellied Woodstar, Empress Brilliant, Wedge-billed hummingbird, Brown Inca, Purple-bibbed Whitetip, Andean Emerald など、ひっきりなしにやってきます。
しかし一番印象的だったのは何と言ってもVelvet-purple Coronet。水浴びをみせてくれたり、近くを飛び回ったり、何か友達になった気分。
ある時、Violet-tailed Sylphがとても良いポーズで葉っぱのところに留まっていたので、カメラを構えてシャッターを切ろうとしました。そうしたら、その指のところに何かが留まった。
その姿勢で見ることが出来ないので「ハチドリが手に留まったみたい!」「あ、凄い!カメラに留まってる!ちょっと待って、写真、写真!」。残念ながらこの時は間に合わず。
ところが直ぐに首の後ろの襟のところに・・・留まった。無事証拠写真が撮れました。
ハチドリ好きとしては、最高に幸せなひと時でした。
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グアンゴ :
アンデスの西側から東側への移動。途中赤道を示す場所を通り、ここで一応記念撮影とクルマを下りたら、ここでもいました、ハチドリが。キトの都市部に近いところでよく見かけられるGreen-tailed Trainbearer。もちろん初めての遭遇です。
続いて、キトの街中でお土産を購入。エクアドルで有名なスーパー、Mega Maxiに寄ってもらいました。近年発達したチェーンのスーパーですが、エクアドルで最も成功した企業とか。店内はとて も広い。アメリカの大型スーパーのような広さに品数も豊富。コーヒー各種とバナナチップ、チョコレートなどを買いました。
コーヒーはコロンビア産が美味しいと聞いていましたが、やはりエクアドルに来たからにはエクアドル産を、と数種類購入。バナナチップはコスタリカで食べて病み付きになり、エクアドルでも買ってみました。我々の感想としては・・・・、エクアドル製が一番美味しい。さらにユカイモチップなども買ってみたけど、どれも全て美味しい。日本やアメリカのポテトチップのように油っぽくなく、とても食べ易いし味も良い。安いし、これはお土産にベストです。
キトの町を通って、4000メートルの高地パパラクタに向かいました。天気が良ければここで鳥見の予定でしたが、残念ながら雨が強く、そのまま次の目的地グアンゴロッジに到着。
ここに来たら、天気も回復。遅いランチを食べ始めたら、早速ハチドリの登場。ここで有名な、クチバシが異常に長いSword-billed Hummingbirdが現われました。今回の旅で最も見たかった鳥に、簡単にしかも間近で出会えました。ここは西側とはまた違ったハチドリたちに出会える。アランビやサーチャタミアほどには数は多くないけど、次々にいろいろな種類のハチドリが登場。長い尾羽が美しいLong-tail Sylph, お腹の茶色が目立つChestnut-breasted Coronet、Buff-winged Starfrontlet, Collard Inca, White-bellied
Woodstar, そして喉のピンクが特徴のTournarine Sunangelと、短時間で、次々にこれまでと違ったハチドリたちと出会えました。
天気が良いので、早速Williamのガイドでロッジの周辺を歩き始めました。川に沿ったトレールは多少の上り下りはあるけど、歩き易く、視界も開けていて景色も良い。この日はそれほど鳥は多くなかったけど、ここの川での目的の鳥、Torrent Duck と White-capped Dipperは、さすがにWilliam、ちゃんと見つけてくれました。ここは、自分達だけで歩きに来てもよさそうな気持ちのよいトレール。草原が続く広い道(というか、多分元々は牧草地)、川に沿った細いトレール、ロッジ建物のそばの細いトレールなどがあり、とても楽しい。ロッジから直ぐ近くの高いポイントからは景色も良く、また鳥も多く、別に歩かずにここでじっとしていても面白いかも、と思える絶好のポイントです。車道をはさんで反対側の丘のところにもトレールがあるようですが、ちょうど雨が降り始めたため、今回は歩きませんでした。次回はぜひ行ってみたい。
翌日は終日Antisanaへ行き、たった二泊しかしなかったことを後悔しつつ出発の朝、Inca Jay やTurquise Jay、Cinamon Flycatcherなどがロッジの周囲に現われました。朝食を食べたあと、もう一度初日と同じトレールを歩いてみたら、ロッジの直ぐそばでタナジャーが続けて登場。どれも美しい色合いの、Blue and Black Tanager, Lacrimose Mountain-tanager, そしてこれがこの日のメインと言えるScarlet-bellied Mountain-tananger。川のところでは、Torrent Duckの雄と雌両方を見、最後に、Williamのテレスコープを使っての観察ではありましたが、Gray-breasted Mountain-Toucan を見ることが出来、楽しいグアンゴの鳥見散歩も終了。
次はサンイシドロでクルマで1時間程度。最後にゆっくり昼食を食べ、ハチドリたちとの別れを惜しみながら出発。
食事もとても美味しいし、次回は日数を増やしてもっとゆっくり楽しみたい、と、今回の旅で一番気に入り、絶対もう一度来たい場所となりました。
しかし、本当に、なんで皆ここに泊らないんだろう・・・・。
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アンティサナ :
標高4000メートルにあるこの場所。5758メートルの高さをほこるアンティサナ火山を中心に、パラモと言われるアンデスの高山地帯で独特の場所であり、固有の鳥も多くいます。
当初の予定では、最終日にサンイシドロからの帰りによるつもりでした。しかしWilliamから、「ここに行くにはかなり時間がかかる点と、最終日は12月31日でキトの町や途中の道路が大変になるのであまりゆっくりできなくなる。だからグアンゴの2日目に行くようにしたい。」との申し出があり、もちろんOKしました。地元を知っているガイドは、ある意味、船における船長のような立場であるので、意見に従うのが最も正しい、と考えています。天気とかに関しても、雨が近くなってきたようだから戻ろう、と言われたら、例え未だ雨が降っていなくても従います。それが一番安全で正しい判断と信じているからです。
当初地図で場所を見たとき、アンティサナはグアンゴやサンイシドロから近いところにあるので、あまり時間をかけずに直ぐ行ける場所と想像していました。しかし「一日かかる」というWilliamの言葉と、実際に行ってみて判明しました。今までも何度か経験した事と同じで、地図上は近いけど道がなく、かなり遠回りしなければ辿り着かないところにあります。グアンゴからキト方面に、これまた標高4000メートルのパパラクタ パスを通って、低地に向かう。キトの郊外の盆地への入り口のところまで下り、左折して今度はこれまた標高4000メートルのアンティサナへ向かう、という行程。
この日のターゲットは、最も大きいハチドリ、Giant Hummingbird、4000メートル前後のところにのみ生息するEcuadorian Hillstarと、有名なAndean Condorです。結果的 には、全て見ることが出来ました。
まず最初の鳥見は少し標高が低い場所。Giant Hummingbirdが良く見れる場所、とWilliamが言いながらクルマを下りて歩き始めたら、いきなり登場。しかし遠い場所で、直ぐに飛んで行ってしまい、その後は飛んでいるところを見ることが出来た程度で、少々残念でした。ここは鳥が多い場所で、さらにティラントやホワイトスタート等も見ることが出来ました。次のストップは、Ecuadorian
Hillstarがよく見れる場所という、橋のところ。しかしここでは登場せず。もう少し先まで行った、比較的開けた場所でBack-billed Shrike-tyrantやStout-billed Cinclodesなどの高山に生息 する鳥たちを見ているときに、この美しいハチドリの雄も登場。その後の牛が飼われている牧場のそばの納屋のような建物の屋根で、雌や若鳥をじっくり見ることが出来ました。
そして、牧草地や湖でAndean Gull、Andean Teal, Black-faced Ibis, Carunculated Caracaraなど、このパラモ独特の鳥たちを見、昼食を食べて帰路につきました。この日は午前中はとても天気が良かったけど、段々雨がちになり、残念ながらアンティサナ火山は雲に覆われてしまい、その雄姿をを間近で見ることはできませんでした。その途中、やっと遠くの岩陰にコンドルの幼鳥を発見。テレスコープで観察しました。
やはり高地で、太陽が照らないととても寒くなる。
グアンゴロッジに戻ると、スタッフがレストランの暖炉に火を入れてくれ、ソファに座ってコーヒーを飲みやっと暖かさを取り戻しました。
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サン イシドロ :
グアンゴからは1時間15分程度。とても有名なロッジで、やはりアメリカ人の団体客が宿泊していました。今回の旅で団体客と一緒になったのは初めて。
部屋も快適で、喜んで部屋で荷物を開けたりしていたら、Williamがアントピッタが出てきたので見に来い、と呼びに来た。このロッジではアントピッタを餌付けしていて、2種類が比較的簡単に見ることができると紹介されており、その内のChestnut-crowned Antpittaが、餌に惹かれて姿を現していました。ただ、藪の中にいて、サッと出てきてまた直ぐに引っ込む繰り返し。ゆっくりと観察できるほどではなかった。もう一羽のWhite-bellied Antpittaの餌付けは朝、別の場所で行われました 。指定された場所に立って待つけど、いつまで経っても出てこない。時計は見ていなかったけど30分位我慢して、もう耐えられなくなり、団体の方々を残して先に戻ってきました。じっとして待つのは苦手なので、翌日「もう一度行ってみるか」と言われたけどお断りしました。後で結果を聞いたら、やっぱり30分以上待って、やっとチョコっとだけ現われたとのこと。
ハチドリは、今回の滞在先の中で唯一ここだけで見ることができるBronzy Inca、それ以外にはSpeckled Hummingbird, Collared Inca, Sparcling Violetear, Long-tailed Sylphなど、ここでもフィーダーにかなり集まっていました。ここまでの3箇所のロッジでハチドリは本当に堪能できたので、ここでは少し控えめにして、ロッジ周囲のトレールや、外の道路でのバーディングをメインにしました。
ロッジの紹介欄にも書いたように、我々の部屋からも十分楽しい鳥見が出来、夕方や早朝は周囲の木々にやって来るOlive-backed WoodcreaperやInca Jay, Golden-rumped Euphoniaなどをノンビリと見ながら過ごしました。
到着翌日は、一日ロッジの歩道やロッジ外の道路で鳥見。早朝、部屋から出てほんの20メートル歩いただけで道の両側に続々登場。Cinamon Flycatcher をじっくり見た後、トロゴンが雄雌2羽近くに停まっているのを発見。Masked Trogonでした。コスタリカとかで多くのトロゴンを見てきましたが、このトロゴンは初めて。雄は鮮やかな色彩で目立ちますが、雌の色合いがとても美しい。このロッジの歩道ではよく見ることが出来るようで、滞在中何回か出会うことが出来ました。
朝食を食べた後、午前中はロッジ外の道路を歩いてみました。ケ ツァールの声はすれども姿は見えず。笹のところに集まる鳥たち、Rufous-crowned Tody-flycatcher、Long-tailed Antbirdなどを観察し、暑くなって来たのでロッジに戻りました。ここは蝶もかなり多い。
午後は、クルマで午前中と同じ道をもっと先まで行く事にしました。午後の方が鳥は多く、Flame-faced Tanagerなどのタナジャー類を見た後、ケツァールが登場!ここでは、Crested Quetzal とGolden-headed Quetzalの2種類がいるようですが、この時見たのはCrested Quetzalでした。コスタリカ、サベグレのように近くで見ることはできませんでしたが、十分満足。そして、ロッジに戻る途中、本日最後の大物、モトモト。コスタリカで見るBlue-crowned
Motomotoととてもよく似ていますが、こちらはHighland Motomoto。
しかし、Williamはさすがに凄い。何でそんなところにいるのが判るの?と思うくらい、遠くにいる鳥を見つける。
それは、翌日のロレト ロードでの鳥見でも発揮されました。
Loreto Road :
ロレト ロードは、ロッジからクルマで1時間半ほど。この辺りで、Booted Racket-tailを見れる可能性があるため、ここに行く事にしました。西側のアランビやサーチャタミアではいっぱい見れるハチドリですが、アンデス東側ではそのブーツの部分がオレンジ色(西側は白)。かなりチャンスは少ないけど、行ってみる事にしました。ロレトロードは、それ以外にもタナジャーとか多くの鳥が期待できる有名な鳥見場所でもあり、Williamのガイドに期待しつつ、現地に向かいました。メインのテナ
ロードを進んで行き、途中左に折れるとそこがロレト ロード。ほんの数百メートル走ったところで、クルマを停めました。Williamは耳も素晴らしい。「あなた方には判らないだろうけど、僕はいろんな鳥の鳴き声を聞いて、周囲に何と何の鳥がいるか判るんだ。ここは本当に素晴らしい場所で、この道に入って直ぐに、魅力的な鳥たちの声がいろんな方向から聞こえてきて、さっきから凄く幸せな気分なんだ。」と、本当に嬉しそうな顔をして話してくれました。そして、その言葉通り、 彼が次々に見つけます。Crimson-mantled Woodpecker, Magpie Tanager, Blue-necked Tanager, Silver-beaked
Tanager, Yellow-blowed Spallow、などなど。そして、驚いたのが、こんなの絶対見れないと思っていたトゥーカンの一種、Golden-collared Toukanet。声が聞こえる、と言って、かなり遠くを探し、テレスコープで見せてくれました。こちらに飛んできた、と期待して見ていたら、我々を飛び越え反対側へ。残念ながらまだかなり遠い。でも遠くとはいえ、これが見れたならもう満足、と思っていたら、まだまだ続きがありました。
アンデスからアマゾンに向かうこの辺り。アマゾン地域も高いところからは見渡せます。次のポイントではそのアマゾンとの境辺りにあるスマコ火山も見えました。
そして、その辺りのポイントで見つけたのが、Blue-naped Chlorophonia。Williamがその名前を言ったとき、思わず「クロロフォニア?! それ凄く見たかった鳥なんだ!」と興奮してしまった。明るいグリーンとイエローの色合いが、実に見事でした。そして続いて驚いた事に「あれ、タマリンもいる」。「えええ!タマリンがここにいるって?!」
アマゾンに近いスマコ火山の近く、ワイルドスマコ ロッジでは見ることが出来る、と紹介されているサルの一種、タマリン(Napo (Black-mantle) Tamarin)を、今回見れるなど、思ってもいませんでした。
目的のBooted Racket-tail オレンジ足を探して、Williamが最新情報として入手した場所(川のそば)に行って探してみましたが、残念ながら見れず。やっぱりこのハチドリ見るのはワイルドスマコ ロッジの辺りが一番で、中々難しいねえ、と話しながら、そろそろランチタイム。ここは幹線道路なので、少し開けた空き地を見つけてクルマを停め、食べ始めたら、またまた Williamが「声が聞こえた!」と探索開始。我々は美味しいサンイシドロのランチボックスをもくもくと食べる(ロシアのピロシキ風エンパナーダで大喜び)。直ぐにWilliam、Paradise Tanagerだよ。何と、この有名なタナジャーまで、しかも適当に停めたランチの場所で見ることが出来ました。
結局、Booted Racket-tail オレンジ足は見れませんでしたが、予想していなかった鳥やタマリンまで見ることが出来、実に充実し、満足の行く鳥見となりました。太陽は隠れていたけど、鳥見には最適の曇り空で雨は降らず。
帰る途中、段々標高が高くなってくると雨が降りだした。ところがロッジに近づくと雨は止んでいる。どうやら日中はロッジ周辺で雨だったらしい。本当にラッキーな日程でした。本当はロレトロードが前日でロッジ探索がこの日の予定だったけど、Williamの意見で日程を変えました。これも偶然なのか、彼の経験と勘なのか。
このロッジで最も有名な鳥は、「サンイシドロのMystery Owl」と呼ばれるフクロウ。Black-banded Owlに似ているけど違う新種らしく、この地域にしか住んでいない。夜になるとレストランの近くにやって来るので、それを見るのがこのロッジでの一日の最後のアトラクションとなっている。我々も夜食事の後毎晩、Williamと一緒に探しましたが、現われてくれませんでした。やはりこの鳥は見ておきたいとは思うけど、来てくれなければしようがない。
最後の日の朝、Williamが「今、フクロウがいるんだけど見に行く?ちょっと歩きにくいところを行かなきゃならないけど」。もちろん行く事にしました。もし行ってみて危なそうだったらやめるけど、とにかく行ってみて決めよう。
ロッジの外に出て数百メートル。どこに道があるのか判らない薮を潜り抜けて少し下りたところ、足場も悪くない、なんとか辿り着けました。そうしたら、木の枝に2羽停まって、こちらを見ています。かなり大きい。明るいのでとても見やすいし、夜見るよりもゆっくりじっくり見れてとても良かった。
そして、朝食を食べて荷造りした後、最後の鳥見をしようかと、もう一度ロッジ前の道を歩いてみました。この日はとても天気が良く暑く感じるほどでした。最初はあまり鳥が出てきませんでしたが、後半は現われ始め、そして最後にWilliamが嬉しそうにウヒウヒ笑いながら「Powerful Woodpeckerだ!」。
グアンゴで話した時に、今回見たい鳥としてこのキツツキの事をWilliamに伝えてありました。それをちゃんと覚えていて見つけてくれたのでしょう。動きが速いのでテレスコープは使えず、カメラ、双眼鏡と肉眼で十分楽しみました。エンディングも素晴らしく、これにてエクアドルの鳥見は終了。大満足でした。
ロッジのオーナー、カルメンにお礼を言い、少し話したら、「Williamは本当に素晴らしい。ガイドとしても当然だけど、人柄が本当に良くて皆から好かれ尊敬されているし、もっとここのロッジに来てもらいたいんだ。」と言っておりました。
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キト :
大晦日のエクアドルは最もにぎわう。夕方4時以降は道路も閉鎖されるので早めにキトの町に入らなければならない、とWilliamは言っていたので早く出発しなければならない、と思っていたけど、ちゃんと昼食をロッジで食べて午後1時過ぎに出発。
大晦日には、爆竹を内蔵させた人形に火をつけて厄落としをします。サンイシドロロッジでもその 人形が用意されていました。また道中各所にも置いてあったり売っていたり。さらにクルマに飾って走っていることもあります。まさかこの人形には爆竹は入っていないのでしょう・・・。
もう一つ、大晦日には独特の儀式があり、子供たちが恐ろしい顔のお面をつけて、悪霊か何かに扮し、道路に紐を渡してクルマを止めて小銭を得る、ということをやります。はっきりは判りませんでしたが、午後3時頃から行うようで、何度か停められそうになりました。可笑しかったのは、検問の警察が同じ事をやってい て、小銭をもらっていたこと。Williamも呆れて大笑いしていました。小銭は渡したので、問題なく通過できましたが。
Williamも驚くほど、天気が良いこの日、一面青空が広がっています。そうしたら、山の間から一際高く聳え立つ雪山が見えました。アンティサナ火山が美しく輝いている。これは凄い、早く高いところに行こう、とWilliam。急いで、道中一番高いパパラクタパスに向かいました。ここは3回通っていつも天気が悪く景色は楽しめなかったけど、この日は素晴らしい景色。そこから見るアンティサナ火山は本当にきれいでした。
十分ここで景色を堪能し、記念写真も撮って、後は下りでキトを目指す。何とか3時半頃、ヒルトンホテルに到着。最も賑わう場所にあるホテルで荷物を下ろすのも一苦労。ゆっくりWilliamとお別れを惜しむ事もできず、町の混乱に巻き込まれないよう彼を急いで送り出し、最後の夜はゆっくりとホテルの部屋で過ごしました。 |
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この旅の間、トラブルといえるようなことは全くなく、毎日エクアドルの自然を存分に楽しむことが出来ました。
とにかく、どのロッジも快適で、食事も(最初のアランビの朝食から最後のヒルトンホテルの朝食まで)とても美味しく、気持ちよい滞在。いつも、これまでの中南米の旅では蚊などの虫に刺されて、痒さになやまされましたが、今回は最初にアランビの川で数箇所刺された程度で、虫除けや痒み止めの活躍の場もなく、本当に快適に過ごせました。
各ロッジでは、英語をしゃべれる人が少なく、スタッフの人たちとは会話が少ししか出来ず残念でした。しかし、これはちゃんとした理由があります。Williamから聞いたのですが、今回我々が泊ったロッジは全て、エクアドル人が経営している。そして、地元の事をしっかり考えている素晴らしいロッジである。そのため、近隣の人たちを雇って、地元に利益を還元するようにしている。まあリゾートホテルみたいな欧米資本の豪華なロッジは、スタッフも英語 をしゃべる場合が多いが、それらは利益を還元せず自国に持ち帰っている。
我々が、スペイン語をしゃべるように努力しなければならない、とまたまた反省しました。
9年ぶりに会ったWilliamは、以前と変わらずとても我々の事を考えて、気を使ってくれ、本当に安心して毎日楽しく過ごす事が出来ました。どこに行っても皆から好かれ、慕われて、尊敬されているようです。今まで出会った中で、一番素晴らしいガイドであり、素晴らしい人物であることは、間違いありません。
今回の旅で、エクアドルがコスタリカと同じくらい、最も好きな国となり、もう今すぐにでも戻りたい、と思っています。今後、旅先選択に関して、嬉しい悩みが増えてしまいました。
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