【一日目】テレキャビンアルプス平駅8:40 小遠見山10:30 西遠見山13:30(幕営)
4月下旬、長野県飯田市の果樹農家で援農をした帰りに、後立山連峰に足を伸ばし、以前トライしながら山頂を踏めなかった五竜岳を目指した。
連休一日前とあって人気は少ない。テレキャビンの8:15分始発では単独青年登山者と同乗した。ほかはスキーヤーやボーダーだ。頂上駅からゲレンデ脇を通過して登りにかかる。この日の朝は冷え込み、アイゼンも潜らずに快調だ。青年と前後しながら小遠見山に到着し会話を交わすが、彼は五竜山荘を当てにしているようで、携帯で通話を試みていた。
とてもいい天気で快調に進む。周囲の眺めも素晴らしいが、憧れの五竜の雄姿はまた別格だ。順調に西遠見山にたどり着いたところで、先に進むか幕営するかを考える。青年はようやく山荘と電話が繋がったが、まだ営業前とあって宿泊は断られ、心残りながら往路を引き返すことになった。
小屋の周囲はヘリコプターでの荷揚げもあり慌しいようだ。ここから白岳までの標高差100mの雪面も、雪が締まった早朝のほうが容易だと判断し、本日はここで幕営することにした。風をさえぎるものがないので、スノーソーとスコップを使ってじっくり時間をかけ、テントを設営した。
【二日目】西遠見山7:30 小遠見山10:00 テレキャビンアルプス平駅11:00
月明かりに照らされた五竜、鹿島槍が幻想的な夜だったが、20時ごろから断続的な強風が騒々しくテントを揺らし、ようやく静かになった3時過ぎからはなんと雪が降り出した。予報では午前中くらいは持ちそうだったのだが、さっそく寒気が来てしまったらしい。4時過ぎに起きて朝食を撮り、その後はラジオを聞きながら寝たり起きたりして日の出を待つ。だが空気孔から外を覗くと全面真っ白のガスで視界はない。最悪停滞も考えたが、7時になると雪も止んで小康状態になったので、この隙に下山することにした。今回もピークを踏めなかったが仕方がない。
急いで支度をして雪に埋もれたアイゼンピッケルを掘り起こし、さっそく下山にかかる。風も弱く寒さはないのだが、15センチほどの積雪でトレースは消えている。それでも歩行には差し支えないほどの雪の状態で、視界も100メートル以上はあるので不安はない。と思っていたら雷が。こればかりはただ運を天に任せる他はなく、戦々恐々としながらひたすら歩きつづけた。
一人用テントが張られた大遠見山を過ぎると雷も止み、ようやくホッと一安心。天気もやや上向きのようだが、ラジオの予報では昼から夕方にかけて荒れるとのことでのんびりはできない。最後の上りを終えて小遠見山まで来ると本当にリラックスできた。この辺りは雲が切れ日も射していて、上層と低層の雲のちょうど狭間にあたるようだ(標高約2000m)。ここからの下りでは、さすがに連休初日らしく入山者がちらほらと登ってくる。それにしても荒天だというのによく出てくるなぁとやや呆れ気味。スキー場まで下りればあとはテレキャビンで一気に下界へ帰還だ。幸運に恵まれずなかなか登れない山というのもあっていい。山頂はまた次回の楽しみとしておこう。