宮ヶ瀬湖水域漕艇のための安全基準

 

 宮ヶ瀬湖は平成12年(2000年)の宮ヶ瀬ダムの完成によって誕生した人工湖で、箱根芦ノ湖並みの2億トンの貯水量を誇る神奈川県の重要な水源地である。この湖は、雄大な丹沢山塊の自然に囲まれて、清冽な湖水と山塊の景観を誇っている。一方、ダム湖特有の気象条件、地形などの自然環境の厳しさもある。このような湖面での漕艇活動では、一人一人が高度な安全能力(安全確保・危機回避)を持つ必要があり、安全を何よりも優先させなければならない。そのための安全基準を下記の通り定める。

 

 宮ヶ瀬湖の水域概要は、<練習水域・保護水域>を参照頂きたい。

  

気象条件

地形・水位

航行ルール

遊覧船対応

緊急時対応

 

 

 

  

1. 気象条件

  

  1. 標高300m近い山間部にあるので、気象条件が市街地と異なることを十分認識しておく必要がある。温度は平地より2℃ほど低い。
  2.  

  3. 天気予報(ピンポイント予報)は過信できないが,習慣的に確認する。
  4.  

  5. 風に用心する必要があるが、おおむね午前中は風が弱く,午後から強くなる傾向があるので、午前の練習を主体とすべきだ。
  6.  

  7. 特に,中央湖面において、ダムサイトから吹く東風と南北に吹きぬける風がぶつかる地点は用心すべきだ。 <宮ヶ瀬湖の風と波>を参照。
  8.  

  9. 白波が立ち「ウサギが跳ぶ」状態なら出艇すべきではない。ピンポイント予報で風速5mの場合は要注意である。白波が出ていない段階での乗艇可否の判断が求められる。
  10.  

  11. 風には「揺らぎ」があるので、楽観的予測をしてはならない。
  12.  

  13. 雷には水上では無防備であり、雷鳴が近づく気配あるときは、速やかに艇庫に戻る。
  14.  

  15. 山間部特有の霧が発生するときがあるが、濃霧発生時は出艇してはならない。

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2. 地形・水位

 

  1. 人工湖の特徴だが、湖岸が入り組んでいて地肌や立ち木・切り株が水面下にかくれている場合があるので、絶対に湖岸に接近してはならない。

     

  2. 水位の変化がダムの水量調節により10mを超えることがあるので、季節の違う時の経験で判断してはならない。
  3.  

    洪水期     :6月16日 〜 10月15日(洪水に備え、通常、水位を下げている)

    非洪水期  :10月16日 〜 6月15日(冬季間、通常、満水位を保っている)

    満水位     :標高286m

    制限水位  :標高275.5m

     

  4. 水位変化に伴い,非洪水期(秋から春)で水位が上がったとき、岸の枯木、枯枝が流木として浮遊を始めるので注意を要する。流木は横たわっているとは限らず,一部だけ氷山のように表出している場合がある。バウ(バウペア)は特に進行方向の確認をする必要がある。

     

  5. 水位変化に伴い、桟橋がいちじるしく下方に位置するので、艇の運搬には十分配慮してゆっくり移動する。特にトップボールをぶつけることのないように注意する。

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3. 航行ルール

 

  1. 原則「右側航行」を厳守する。中央湖面のセンターライン・ブイから十分離れた右側をいく。

     

  2. 右側航行をしていても、バウ(バウペア)は進行方向の確認をし、他艇の存在を認めたなら必ずクルーに知らせる。
  3.  

  4. 舵手つき艇の場合、直進方向は舵手の視界は漕手に妨げられて死角になる。他艇との正面衝突を避け、あるいは前方障害物の確認のため、舵手はときどきへさきを右に振って前方確認を行う。広い水域で練習艇の数も少ないが、決して油断してはならない。
  5.  

  6. 接近・衝突の恐れがある場合は、相互に右側に回避する。
  7.  

  8. 艇庫前水面から中央湖面への出入りにあたり虹の大橋下を通過するが、橋の下はカヌーコースのブイが設置されているため<写真>、往路(中央湖面に出るとき)の右岸寄り通行は不能である。従って、往路の場合も左岸寄りに通行する。(右側航行の例外)<写真>
  9.  

  10. カヌーコースのブイもセンターラインのブイも、プラスティックの堅い材質なのでブレードをあてないように注意する。<写真>
  11.  

  12. センターラインは、やまびこ大橋下で西側(園地側)に若干曲がるので注意する。
  13.  

  14. 大棚沢駐車場前あたりにボートの進行方向に対して横にブイが数個並んでいるので、注意する。
  15.  

  16. 桟橋から虹の大橋に至る水域は、通常、カヌー専用なので、カヌーが出ているときは、十分配慮して通過する。カヌー用のポンツーンには赤ブイが乗せてあるが、必ず確認して用心して漕ぎ進む。

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4. 遊覧船対応

 

  1. 遊覧船(1隻のみ就航)と管理モーターボートの業務を妨げない。宮ヶ瀬園地とダムサイトを結ぶ航路を横断するときは、その地点の十分手前で一時停止し、遊覧船の有無を確認する。<写真>
  2.  

  3. 特にやまびこ大橋から鳥居原方面に漕ぎ進む場合、半島がダムサイト方向の視界をさえぎっているので、半島先端部で一時停止してダムサイトからくる遊覧船の有無を注意深く確認する。<写真>
  4.  

  5. 限られた回数だが、前述の横断航路以外に、園地と鳥居原の間を往復する場合と中央湖面を周回する場合があるので、練習時間帯によっては、時刻表を確認してから出艇する。 <遊覧船時刻表>を参照。

     

  6. 遊覧船、モーターボートの引き波や岸からの返し波に注意する。
  7.  

  8. 遊覧船が警笛を鳴らしたり、船長の指示の声があったときは、高く手を上げて了解したことを伝える。
  9.  <練習水域・保護水域>を参照。

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5. 緊急時対応

 

  1. 緊急時の連絡先は下記の通り。

     

    救急(厚木市消防署・相模原市消防署・愛川町消防署)

    119

    警察

    110

    宮ヶ瀬湖カヌー場管理棟

    046-288-1561

    宮ヶ瀬湖ダム周辺振興財団

    やまなみセンター

    046-288-3600

    国土交通省関東地方整備局

    相模川水系広域ダム管理事務所

    046-281-6911

     

  2. 緊急時安全指針

    @浸水・転覆したときは、選手は艇につかまり、離れて泳がないことが原則である。艇とオールが浮力体であり、選手の体重を支持できる。

    Aクルーボートの場合は、2名以上のグループで寄り添い、艇上の重心または水面から高い場所に身を置くよう努める。

    B水中では、体温保持のために、不必要に動いてはならない。

    C接岸可能地点は、この湖が中津川渓谷にできた人工湖であるため、非常に限られている。地肌が露出しているところは崩れやすく接岸ができず、緊急時接岸可能地点は次の3地点くらいに限られる。

    *鳥居原園地遊覧船乗り場<写真>

    *宮ヶ瀬湖園地遊覧船乗り場 <写真>

    *大棚沢広場(湖東岸駐車場・仏果山登山口)直下

    D小艇は、原則として、緊急に備え、2艇以上のグループで行動する。

     

  3. 安全装備

    @救命具(浮き輪)は必ず携行する。

    A初心者は、かならずライフジャケットを着用する。

    B低水温時(水温10℃未満)には、舵手はライフジャケットを着用する。

    CAED(自動体外式除細動機)は、カヌー場管理棟に備え付けてある。

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 − 以上 −