MASAO.HG史上最大のピンチ?
2008年全日本実業団ベンチレポート
6月1日(日) 東京都府中市のNEC体育館にて

悪夢のジャパンオープンから丁度3ヶ月。そのジャパンオープンの雪辱を晴らす機会が回ってきました。
とは言っても、本当は今回回避する予定でした。
ジャパンオープン惨敗後、身体も心もボロボロでしたので、しばらく休養(軽めのトレーニング)したかったのですが、すぐにチームベンチ、オッシュマンズが控えていましたので、強引に何とかモチベーションを高めてきました。
オッシュマンズ終了後、緊張の糸がぷっつり切れたのか、心身ともに疲れがどっと押し寄せてきました。しばらくは充電して、秋の公式大会に備えようと・・・・・。
ところが、ご周知の通り、ふじたひろゆきさんから「対決楽しみにしています」とラブコールを受けました。
正直、これは全くの想定外でした。自分より遥かに実績のあるふじたさんが、ジャパンオープンで失格した者など相手にしていないと思っていたからです。
対戦要求が来る事自体、ふじたさんから強敵と認められている証拠、大変意気に感じました。まだまだ俺も死んではいないと。
去年の日本ランキング(ノーギア部門ベンチプレス単独大会のみ)90kg級2位3位の激突はきっと盛り上がるはず。そして、ジャパンオープンの汚名返上には絶好のチャンスだと思いました。
今度こそは恥ずかしい戦いをしない為に、5月に入ってからモチベーションを高めてトレーニングしました。
が、しかし、そんな折り、左肩を負傷してしまいました。どこで痛めたかは不明ですが、おそらく蓄積によるものだと思います。
左肩痛により、満足な練習が出来ない為、歯痒い日々が続きました。正直、棄権も考えました。このままの状態でしたら、かえってふじたさんに対して失礼だと思ったからです。
でも、棄権したら逃げたと思われる。そう考えると大会直前まで本当に悩みました。
結局、大会に出なければ何も始まらない。こういう時こそ自分の真価が分かる。と自分に言い聞かせて、大会出場に至りました。
ところが、会場のどこを見渡しても、ふじたさんの姿が見つからない。変だな?もしかして宮本武蔵作戦?なんて考えていましたら、仲さんから、「ふじたさん諸事情で今朝帰阪したみたいですよ」と言われました。
正直、ショックでモチベーションも一気に下がりかけましたが、ふじたさんはそれ以上に無念だったはず。こういう時こそライバルとして恥ずかしくない試技をしようと気持ちを切り替えました。

56kg級の優勝者は三浦さん。記録125kgでぶっちぎりの優勝(しかもまだ余裕あり)。北京パラリンピックでのご活躍を期待しております。

実業団大会では珍しい大接戦の60kg級優勝はかくたさんの同門(EGP)である細川さん。記録127.5kg。EGPのエースかくたさん(60kg級)もノーギア135kgは確実だと思いますので、EGPさんも層が厚いです。
因みに、細川さんも黒服のエージェントに拉致されました。その後の消息は不明です(笑)。

MASAO.HGばりの気合で試技に挑んだ67.5kg級の桑原さん。桑原さんも僕のHP見て下さっていらっしゃいます。首都圏AZさんもそうですが、何だかHGイズムが浸透してきているみたいで、僕も嬉しい限りです^^。


最近猛威を奮いつつある、鎌倉・横須賀軍団の大谷さん(左)と橋本さん(右)。この地域は単独でベンチ大会が開催されるなど、ベンチプレス愛好家の多い地域です。

鎌倉・横須賀軍団のエース格といえる、阪神タイガース矢野捕手似のイケ面ベンチプレッサー仲さん。今回は152.5kgとそれまでの自己ベスト147.5kg(公式大会)を5kg上乗せして75kg級優勝です。
今年からフルギアにも挑戦、フルギア界に殴り込みです。

takeさんの師匠?ゴールドジム北千住軍団のボス、検量おじさん(笑)。
優勝回数は数知れず。当然、今回も貫禄の優勝(記録165kg)です。
好調時に見せるバリー・ボンズばりのホームランパフォーマンスも健在でした^^。
第二セクションのトリを務めた小谷さんの第三試技終了時刻が12時20分。僕らの試合開始時間が13時35分なので、余裕を持って第二セクションを観戦していました。
「さあて、これから軽く昼食を摂って13時10分頃からアップ開始するか。」何て考えていましたら、司会者から
「第三セクションは12時35分から試合を開始します」とのアナウンスが。
「あれ、どの階級?もしかして・・・・・・」
嫌な予感は的中していました。カラーボードを見たら、
ウチらの階級じゃないですかぁ~~

試合開始まであと10分、大急ぎでコスチュームに着替えでアップするHG。もう少しで*ディープ高橋さんになる所でした^^;
*アップしないという事
アップが出来ないだけならまだしも、あわや外出する所でした。
10分20分試合時間が早まるならまだしも、一時間なら事前に連絡位欲しかったですねえ~。案の定、2名の選手が外出して、自分の試技になっても姿を見せませんでした。
殆どの選手も「会場にいたから助かった」と言っていました。
「いくらなんでも、これで失格になったら、あまりにも可哀想なんじゃない。」流石に、温厚な僕でも憤りを感じました。
これには、流石に大会関係者にも落ち度がありますので、特例措置として最後に試技を行っていましたが。
てな感じで、ドタバタしてしまいましたが、MASAO.HGの第一試技からどうぞ

第一試技 170kg 白3つ 成功

ふじたさんの棄権は残念でしたが、この階級には愛知県の酒井さんという強豪(愛知県の90kg級は非常にレベルが高い)がいらっしゃいました。その酒井さん、一年振りに見ましたが、以前よりデカくなったように感じました。でも、去年と同じ90kg級なので、体重は殆ど変わらないと思いますが。
実力を伸ばした選手って、体重は変わらないのに、以前よりデカくなった様に見えません?
何だか独特のオーラみたいなのを感じます。
僕も調子が良い時は、体重は変わらないのに「以前よりデカくなっていません?」と言われます。
「去年(記録165kg)よりも、確実に数段強くなっている。」そう確信しました。
奇しくも、第一試技の申請重量は僕と同じく170kgでした。体重は若干酒井さんの方が軽いので、同重量なら僕の負けです。
また新たな強豪に巡り合えて、僕の気持ちもわくわくしてきました。
優勝する為には、ここは絶対に落とせません。
もっとも、僕の場合、通常第一試技は様子見の為、100%近く成功する重量を選択しますが。
そして審判の印象を良くする為、丁寧な試技を心掛けています。
とは言いながら
「第一試技ツブレて3本ともツブレた奴は~
ど~このどいつだ~」
「って」
「私だよ!!」(爆笑)

ぶっちゃけ、今回に限っては、100%成功するとは思っていませんでした。
ここで左肩に激痛が走ったら、もうジ・エンドだと思っていました。

左肩に爆弾を抱えている身、いつ爆発するかも分からない。その為、第一試技から第三試技のつもりで、全力を出しました。
渾身の第一試技170kg。バーベルは*0.17秒の速さで挙がりました。
*ゴルゴ13の拳銃を抜く速さ
一方、酒井さんも170kg難なく成功!見た感じ、175kg位行けそうです。
やはり前回より、かなり実力を付けていらっしゃいました。

深川さんが撮影して下さった写真。廻りの選手の表情に注目です。

自分の試技を控え、集中しているHG。オッシュマンズでは見られない光景です。

第二試技 177.5kg 白3つ 成功


第一試技で酒井さんの試技を見て、「175は行けそうだけど177.5は微妙かな」と冷静に分析していました。
と言う訳で、第二試技は優勝狙いで177.5kgを申請しました。
とは言っても、確実に成功させる自信はありませんでした。
ジャパンオープンの悪夢の3タコもトラウマになっていましたし、今回は確実にジャパンオープンの時より調子が悪かったので、正直この位が限界かな?と思っていました。
実際、練習では175kg(止めあり)も一杯一杯でした。
でも、現時点では酒井さんの方がリードしていましたので、失敗したら確実に負ける。第一試技同様背水の陣で第二試技に挑みました。
結果は、第一試技同様、時速150kmの速さで、バーベルはホップしました(笑)。
観ていたジミーさん曰く「第一試技とバーベルを挙げる速さが一緒」ということでした。実際、170も177.5もそんなに重さの違いは感じませんでした。
一方、酒井さんも僕の読み通り、チョイギリながら175kg成功!
第三試技は逆転優勝狙って177.5kgに挑戦です。
第三試技 185kg 白3つ 成功!
(自己ベストタイ記録)

心配していた左肩痛もそれ程酷くはなく、ここまで順調に来ました。
よ~し、こうなったら今年のジャパンオープンの優勝記録である182.5kgを上回る185kgを成功させたくなりました。
勿論、あの時は大激戦で非常にタフな戦いでしたので、一緒の物差しで計れない事は十分承知しておりますが、これを成功させればジャパンオープンの無念も少しは晴れると思いました。
逆転優勝を狙った酒井さんは、177.5kgを押し切れず失敗。この時点で僕の優勝は決定しました。
しかし、一年間で10kgも記録を伸ばした酒井さんも十分立派だったと思います。
この階級で160kg以上の記録になると、1年間で10kg記録を伸ばすのがどれだけ大変であることは、僕自身骨身にしみて分かっておりますので。
5月に入ってから、185kgは、試合形式はおろか、止めなしでも成功していない重量でしたが、今日の調子なら行ける!そう自分に言い聞かせました。
そして僕を奮い立たせた理由がもう一つ、それは、今週天野さんが練習で試合形式185kgに成功した事でした。
「こんな所でツブレていたら、もうこれ以上天野さんいじれなくなる」
そう思うと、無性に気合が入ってきました(笑)。
「待っていろよ!天野さん!俺はまだ死なん!」
本当にそう思って(実話)、第三試技に挑みました。
結果は、流石に一秒差しとは行きませんでしたが、傾きや失速も無く、2秒差しでバーベルは挙がりました。
勿論、白3つで成功!
「どや!見たか~!ここにてMASAO.HG復活なり~!!」
と思いながら、会場が割れんばかりの雄叫びを上げました。
数名の方と握手をした後、僕を最後まで苦しめた好敵手、酒井さんの所に歩み寄り、お互いの健闘を称え合おうとしたその時、事件は起こりました。
突然、CIA(アメリカ中央情報局)と見られる?黒いスーツを着た屈強な男二人に取り囲まれるHG。
「MASAO.HGだな~、CIAだ、今から貴様をドーピング容疑で身柄を確保する!」

そのまま拉致され、会場外に連れ出されるHG。大丈夫か?HG。
そして取調室に連れて行かれ、取調べを受けるHG。
CIA「貴様~、ドーピングしているな~。こっちは証拠を掴んでいるんだ!白状しろ!HG!」
HG「私は~やってない~潔白だ~」

そう歌うHG。昔、どこかで聴いたような歌^^;。
CIA「ふざけるな!ガッシャ~ン(机を叩く音)!
じゃあ、訊くが、腕周り49cmとは何だ?ステロイド使わなければ有り得ないだろう!」

HG「い、いや~、それはただ単に僕が*太っているからです」

*実際に、会社の上司から「ただのデブ」と言われています(笑)。
CIA「テメエ~、CIAをナメるなよ!(HGの髪の毛を鷲摑みにし)じゃあ、あの気合は何なんだ?
完全にイッちゃっているだろう!」
HG「天野さんや、川口マンさん、首都圏AZさんだって、そうじゃないですかあ~!何で僕だけが?
だから僕はドーピングやっていないって~!もう、勘弁して下さいよ~」

その後も、延々と取り調べは続きました。
長い取調べの為、流石にお腹の減ったHG。そこで・・・・・
CIA「どうだ!カツ丼食べるか?何もかも白状したら食べさせてあげるよ!」
HG「ううっ!」

思わず目に涙を浮かべるHG。そして、ついにカツ丼に箸をつけた。

「ス、スミマセン!僕はドーピングしました!」
号泣しながら、ついに白状したHG。




って、
何だか思いっきり話が逸脱していません?

それに、何?カツ丼って?CIAにそんなのある訳ね
ぇ~だろう!
いや~、でも、本当に長時間監禁され、取調べを受けました。
取調べ中は、常に僕の行動を一部始終監視されていまして、手を洗うにしても、JADAの人に付きまとわれました(笑)。
何だかオリンピック選手になったような優越感にも浸りましたが(笑)。
とにかく早く取り調べを終わらせたかったので、エヴィアン500ml3本を一気飲みしました。規定以上の尿を採取しなければ、やり直しになりますので。因みに、身柄拘束中はJADAで用意した飲み物(ミネラルウォーター)しか飲めません。
あんまり尿意は感じませんでしたが、強引に尿を排出する事にしました。
当然、尿を採取する時も、がっちりとJADAに監視されていまして、下着は膝下まで下げ、上着は腹の上まで上げた状態でしなければなりませんでした。
当然、オ○ンチ○まる出し状態なので、思わず、
「バッチコ~イ!」と挑発したり、腰振ろうかと考えました(笑)。

でも、こんな事したら、クロとして判定されるのかなあ~?
因みに、ドーピング検査を拒否したら、ドーピング使用したとみなされまして、記録の剥奪、大会2年間の出場停止になります。
強引に排尿したので、お腹も緩んでいたせいか、川口マンさん曰く「黄金」も少し出してしまいました(笑)。
「お尻拭いてもいいですか?」

と訊ねたのですが、許可がおりなかったので、仕方なく、肛門を閉めながらその後の取調べに応じました^^;

まだ取り調べ中でしたが、表彰式には出ても良いと言う事でしたので、JADAの監視付きで出席しました。当然、この写真を撮ったときも、JADAに監視されていました。
因みに、まだお尻を拭いていませんので、黄金漏らし状態です。この事実は隠していました。近くにいた皆様、申し訳ございません^^;

おわりに
今回は、調子が悪いなりにも、何とか結果は出せました。これも皆様の暖かいご声援によるものだと思います。応援して下さった方、有難うございます。
それにしても、僕がドーピング検査を受けるとは。正直、全くの想定外でした。
今回からドーピング検査を実施するとは存じていましたが、日本記録又は、実業団記録を出した人のみが対象だと思っていました。
でも、別に怪しいものは飲んでいませんので、多分大丈夫だと思いますが、ドーピングに対する予備知識が殆ど無かったので、知らない内に禁止薬物を摂取している可能性はあります。
もし、僕の不手際でドーピングに引っ掛かったら?
今回の記録の剥奪、2年間の公式大会出場停止も確かに痛いですが、それ以上に痛いのは、「あいつはドーピングしているからだよ」というレッテルが末代まで貼られる事です。
勿論、過去の実績も疑いの目で見られる事は確実です。
確かに、競技を公平にする為に、ドーピング検査をするのも一理あるでしょう。
でも、川口マンさんもおっしゃっていましたが、果たして、莫大な賞金が出るわけでもない、ましては、世界大会のないノーギア大会で実施する必要などあるのでしょうか?
ノーギア大会に出ている人の殆ど(ほぼ全員)が、充実したライフワークや、趣味の延長でやっている訳ですし、悪く言ってしまえば*自己満足の世界で、危険を冒してまでドーピングする馬鹿などいるのかな?と思います。
*それでも、僕はベンチプレスからたくさんの尊敬できる友人、生きがいなどたくさんの事を得る事が出来ました。
そして、殆どの人が、仕事、家庭(僕は独身ですが^^;)を持っている訳ですし、生活を犠牲にしてまで、例えば、大会前に風邪をこじらした時、「今度の大会でドーピング検査に引っ掛かるから風邪薬を飲めません。」何て、会社の上司に言えますか?(by川口マンさん)
実際、今大会でも、はるばる兵庫から来たのに、大会前に風邪薬を服用した為に、*棄権した方がいらっしゃいました。
*彼は無念だったと思いますが、本当に勇気ある決断だったと思います。
生涯スポーツとして謳われているパワーリフティングですが、高齢者になればなるほど、何らかの持病を抱えて大会に出場されていると思います。
それが、「ドーピングに引っ掛かるのが怖いから大会にでない」と思う人が急増したら、競技の衰退に繋がるのではないかと懸念を抱かずにはいられません。
でもまあ、僕がこんな事言えるのも、レポートを書いている今日(6月15日)、めでたく無罪が確定したからですが。
こんな事言っていながら、明日JADAから「貴方の有罪が確定しました」
という電話が掛かってきたりして(笑)。

(完)

TOPに戻る