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1.名詞解釈 2.虫食い問題 3.選択問題(一項目) 4.選択問題(多項目) 5.簡答問題 6.論述問題

1.名詞解釈


1)気:

  人体中、無形で活力がとても強く且つ不断に運動する精微物質、人体の構成と人体の生命活動を維持する 最も基本となる物質。

2)精:

  中医学における精の意義は広義と狭義に分かれ、広義の精は一般に人体中一切の有用な有形の物質、先天之精・ 水谷之精・血と津液等;狭義の精は専ら腎に蔵される精、即ち腎精を指す。

3)精気:

  中医学の精気とは、一つには一般に気を、即ち一切の無形で不断に運動する物質を;二つには専ら気の中の 精華部分を指す。

4)神:

  神は広義と狭義に分かれ、広義の神は人体生命活動の外在表現の全てで、生命活動の総称であり、例えば人体の 形象・面色・眼神・表情・言語・肢体の活動姿態等である。狭義の神とは人の精神意識思惟活動を指し、即ち心が蔵す神である。

5)精気学説:

  精気の由来と運動変化の規律を研究し、宇宙及び其の万物の生成と発展変化を詳しく解説する古代哲学理論である。

6)陰陽:

  自然界の相互関連する事物、或いは双方の属性に対立する現象の概括を指し、相互関連または相互対立する 両方面の事物を代表するだけでなく、同一事物の内部の内部の相互対立する両方面をも含有する対立統一の概念。

7)陰陽学説:

  中国古代の素朴な対立統一理論、それは陰陽の内包及び其の運動規律を研究するに伴い、世界の認識と世界の 改造を用いる一種の世界観と方法論である。

8)陰陽互根互用:

  一切の事物と現象中、相互対立する陰陽双方が具有する相互依存、互いを根本とする関係である。陰陽は如何なる 一方も別の一方を離れて単独で存在出来ない、何れも一方も相手の存在を自己存在の前提と条件とする;相互依存する陰陽双方は 相互依存の基礎の上に、更に相互滋生・相互助長・相互促進の関係が存在する。

9)陰陽対立制約:

  陰陽対立は陰陽二種の事物や現象、或いは一個の事物の内部の両方面の相反する属性を代表する。陰陽両方面の 相互対立は、相互制約と相互斗争の両方面を主要表現とする。相互制約は事物を発展させるのに随うべき規律を持つ;相互斗争は事物の 発展変化を促進する。陰陽対立制約は結果事物を動態平衡状態にする。

10)陽勝則熱:

  陽邪致病、机体の陽の絶対亢盛を引き起こし、実熱証が出現する。

11)陰勝則寒:

  陰邪致病、机体の陰の絶対亢盛を引き起こし、実寒証が出現する。

12)陰虚則熱:

  陰液不足、陰が陽を制約出来ず、陽が相対的に偏亢し虚熱証が出現する。

13)陽虚則寒:

  陽気虚弱、陽が陰を制約出来ず、陰が相対的に偏亢し虚寒証が出現する。

14)壮水之主、以制陽光:

  滋陰を用いて水を壮健し陽亢火盛を抑制、陰虚則熱証に活用する。

15)益火之源、以消陰翳:

  扶陽を用いて火を盛んにし陰邪偏亢を制約、陽虚則寒証に活用する。

16)陽中求陰:

  陰虚証治療で滋陰と同時に補陽を補佐する“陰得陽生、而泉源不竭(陰を得るのに陽を生めば、陽に運ばれ 陰の泉源は竭きない)”

《景岳全書・新方八陣・補略》

17)陰中求陽:

  陽虚証治療で補陽と同時に滋陰を補佐する“陽得陰助、而生化無窮(陽を得るのに陰を助ければ、陽は無窮に 生み出される)”

《景岳全書・新方八陣・補略》

18)陰平陽秘:

  人体の陰陽が対立制約と消長の中、取得する相対的動態平衡が人体の健康の基礎である。

19)五行:

  五種類(木・火・土・金・水)物質、及び其の運動変化。

20)木曰曲直:

  木が具有する生長・升発・条達・舒暢・屈伸の特性。

21)火曰炎上:

  火が具有する温熱・上行の特性。

22)土爰稼穡:

  土が具有する承載・庄稼・生化万物の特性。

23)金曰从革:

  金が具有する清粛・収斂・沈降の特性。

24)水曰潤下:

  水が具有する滋潤・下行・寒涼・閉蔵の特性。

25)五行相生:

  生とは即ち滋生・助長・促進の意で、五行相生とは木・火・土・金・水間の相互滋生・助長・促進の作用である。 相生の順序は木生火・火生土・土生金・金生水・水生木である。

26)五行相克:

  克とは即ち抑制・制約の意で、五行相克とは木・火・土・金・水間の相互抑制・制約の作用である。五行相克の 順序は木克土・土克水・水克火・火克金・金克木である。

27)五行制化:

  制とは即ち制約・克制;化とは即ち化生・変化である。五行制化とは五行間の相互滋生・相互制約の関係を 維持する平衡協調の状態を指す。生が無ければ事物の発生発展も無く;克が無ければ事物間の正常な協調関係も維持できない。 生中に克が、克中に生が有って相反相成してこそ、事物は絶えず運行し無窮に変化出来る。

28)五行相乗:

  乗とは強者が弱者を虐げるの意で、五行中のある一行が所勝の一行を克制し過ぎる事、五行相乗の順序は木乗土・ 土乗水・水乗火・火乗金・金乗木である。

29)五行相侮:

  侮とは欺侮の事で、五行相侮とは五行中のある一行が所不勝の一行に逆向し反克する事で、また“反侮”とも言う。 五行相侮の順序は木侮金・金侮火・火侮水・水侮土・土侮木である。

30)所不勝:

  五行相克関係中、我を克す者を我所不勝(我の勝たざる所)とする、例えば、木克土で木は土の所不勝である。

31)所勝:

  五行相克関係中、我が克す者を我所勝(我の勝つ所)とする、例えば、木克土で土は木の所勝である。

32)滋水涵木法:

  養肝陰を以って滋腎陰する治法、滋腎養肝法・滋補肝腎法とも言う。腎陰虧虚で肝陰不足、肝陽上亢の 水上涵木証に活用する。

33)培土生金法:

  益肺気を以って補脾気する治法、主に肺気虚弱証に活用し、脾肺ともに虚の者にも応用出来る。

34)金水相生法:

  滋養肺腎法とも言い、肺腎を滋養する一つの方法である。肺腎陰虚証に活用する。

35)益火補土法:

  補脾陽を以って温腎陽する治法、温腎健脾法とも言う。腎陽衰微で脾陽不振に致る腎脾陽虚証に活用する。

※火=元々は『心火』だが、現在では『腎陽』を指す。

36)抑木扶土法:

  疏肝と健脾或いは和胃を相結合する治法で、疏肝健脾法・調理肝脾法・平肝和胃法とも言う。肝旺脾虚の木乗土 或いは土虚木乗証に活用する。

37)培土制水法:

  健脾利水で水湿停聚を治療する方法、敦土利水法とも言う。脾虚不運、水湿泛濫で致る水腫脹満証に活用する。

38)佐金平木法:

  補助肺金と清瀉肝火を相結合する治法。肺虚無力で肝を制約出来ず肝旺に致る肝火犯肺の証候に活用する。

39)瀉南補北方:

  心火を瀉し腎陰を補す、瀉火補水法・滋陰降火法とも言う。腎陰不足・心火偏旺・水火不済・心腎不交証に 活用する。

40)虚則補其母:

  ある臓の虚証で、治療時に本臓の虚衰を補すと同時に、更に五行相生の順序に依り其の母臓を補益し、相生作用を 通じて健康快復を促進する。例えば肺気虚で、補肺し更に補脾する。

《難経・六十九難》

41)実則瀉其子:

  ある臓の実証で、本臓実邪の除祛が必須なだけでなく、更に同時に五行相生の順序に依り其の子臓を瀉す事で、 母臓の実邪を瀉す。例えば肝火旺で、瀉肝し更に瀉心する。

《難経・六十九難》

42)母病及子:

  疾病が母臓から子臓に伝変する事、例えば肝病が心に伝わる。

43)子病及母:

  疾病が子臓から母臓に伝変する事、例えば肝病が腎に伝わる。

44)比較:

  対象間の差異点と上同点の客観的法則を考察する方法で、時間と空間上の比較を包括する。例えば同病異治と 異病同治である。

45)類比:

  比較法の基礎の上に、二つの対象内部の属性関係の相似或いは相同点を根拠に、多方面における相似点をも 導き出す事を可能にする論理方法。

46)演繹:

  一般から個別までの推理。

47)以表知里:

  事物の外在表現観察を通じて、事物の内在状況と変化を分析判断する思惟方法。

48)試探:

  研究対象に対する考察結果を根拠に、初歩的判断並びに相応の措置を提出する。

49)反証:

  結果より病因を溯って探求・推測し、更に実証する逆象(向)思惟方法。


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2.虫食い問題


1)中国古代哲学家は世界中の一切の事物と現象の全ては精気による構成で、精気 とは天地万物と人類を構成する原始物質であると認識する。

2)は有形の精微物質で、は無形の精微物質である; は生命の本原で、は生命の動力である。

3)気の運動にはの4種の形式が有る。

4)精気神学説中の精の主要は腎精である。

5)腎精は気化する所で、“腎気”または“元気”と称す。

6)宇宙万物の発生・発展・変化の根源は陰陽交感である。

7)陰陽の互根互用は陰陽転化の内在根拠である。

8)陰陽転化の形式には漸変突変の2種有る。

9)五味はを包括する。

10)“重陽必陰、重陰必陽”、“寒極生熱、熱極生寒”この中のは陰陽が 相反する方向に向かう転化の条件である。

11)陰陽者、天地(自然界)之道也、万物之綱紀、変化之 父母、生殺之本始、神明之府也
  (陰陽とは自然界の基本法則であり、万物が従う規律であり、変化を生み出す原動力であり、事象の発生と消滅を支配し、神明の集まりである。
  ※神明とは物質世界が無限に変化すること)

《素門・陰陽応象大論》

12)陰陽者、数之可十、推之可百、数之可千、推之可万、万之大不可勝数、 然其要一也
  (陰陽は一から十へ、十から百へ、百から千へ、千から万へ、万から無数へと広がるが、その法則は一つである)

《素門・陰陽離合論》

13)陰在内、陽之守也;陽在外、陰之使也

《素門・陰陽応象大論》

14)陰陽又各互為其根、陽根于陰、陰根于陽。無陽則陰無以生、 無陰則陽無以化
  (陰陽は互いを其の根源とし、陽の根源は陰に、陰の根源は陽にある。陽が無ければ陰は生まれず、陰が無ければ陽は出来ない)

《医貫砭・陰陽論》

15)陰平陽秘、精神之治;陰陽離決、精気之絶。
  (陰気が平和で陽気がしっかり納まっていれば、精神は正常;陰陽が離決すれば、精気は絶える)

《素門・生気通天論》

16)陽勝則、陰勝則、陰虚則、 陽虚則

《素門・陰陽応象大論》

17)陰陽学説の内容は陰陽交感陰陽対立制約陰陽互根互用陰陽消脹平衡陰陽相互転化 を包括する。

18)陰陽交感とは陰陽二気の升降運動の過程の進行である。

19)陰陽が升降交感する動力は陰陽互蔵である。

20)陰陽消長の形式は此消彼長此長彼消陰陽皆消陰陽皆長を持つ。

21)心気の有余は則ち乗;脾気の不足は則ち 乗之(脾)、侮之(脾)である。

22)造化之机、不可無、亦不可無、無生則発育無由、 無制則亢而為害
  (大自然の仕組みは生まれない訳にはいかず、制約されない訳にいかない、生まれなければ育てようが無く、制約が無ければ増長し害になる)

《類経図翼》

23)気有余、則制己所勝而侮所不勝;其不及則己所不勝 侮而乗之、己所勝軽而侮之。
  (気の有余は所勝を抑制し所不勝を侮蔑する;気の不及は所不勝に乗侮され 所勝に軽んじられ侮蔑される)

《素門・五運行大論》

24)《尚書》に記載される五行属性は木曰曲直、火曰炎上、 土爰稼穡、金曰从革、水曰潤下である。

25)五行の起源は一般的に五方説五材説から進展変化して来たと認識されている。

26)瀉南補北法とは即ち、瀉心火腎陰、または瀉法とも言う。

27)五行の相生規律を根拠に確立された治則は虚則補其母実則瀉其子である。

28)五行の相克規律を根拠に確立された治則は扶弱抑強である。

29)五臓と五色・五味の関係:心色;脾色;肺色;肝色;腎色

30)五行学説が指導する精神療法:怒傷肝、勝怒;喜傷心、勝喜;思傷脾、 勝思;憂傷肺、勝憂;恐傷腎、勝恐。

31)人体の組織器官と五行配属:骨は、脉はに属す。

32)見肝之病、則知肝当伝之与、故先実其気。
  (肝の病と判れば、に伝変すると知っているので、まず気を充実させる)

《難経・七十七難》

33)面見(顔色が)赤色、口味味を感じ)、 脉洪数の者は、心火亢盛と診断出来る。

34)中医学の常用思惟方法は、比較演繹類比以表知里試探と反証・の5種が有る。

35)中医学中の“同病異治”と“異病同治”の診治原則は比較の思惟方法を基礎に建立された。

36)中医学は類比法によって援物比類と称される。

37)“釜底抽薪法”で陰虚腸液枯涸、大便秘結を治療するのは、類比法である。

38)演繹とは一般から個別までの推理である。

39)外在現象の観察を通じて、内臓の功能盛衰を分析判断するのは、以表知里法の具体的応用である。

40)反証とは結果から溯って原因を探求・推測し、更に実証する 逆向思惟方法の一種。


1.名詞解釈 2.虫食い問題 3.選択問題(一項目) 4.選択問題(多項目) 5.簡答問題 6.論述問題

3.選択問題(一項目)


1)人体生命の動力は?(

  A.精気           B.天気           C.地気           D.腎精           E.陰陽二気

2)世界を構成する本原は?(

  A.気            B.血            C.神            D.精            E.精気神

3)“通天下一気耳”とは?(

  A.世界間を運行する気               B.万物変化の動力は気               C.万物を仲介するのは気
  D.天地の精気が化生して人となる         E.世界は気の構成

4)人生の三宝とは?(

  A.精血気          B.精気神          C.気血津          D.水精気          E.気液津

5)天地万物間の仲介とは?(

  A.精            B.天気           C.地気           D.水精           E.気

6)天地の気が発生する交感の構造は?(

  A.聚合           B.離散           C.交合           D.升降           E.出入

7)下記のうち、陽に属さないのは?(

  A.上升的          B.温熱的          C.外向的          D.亢進的          E.物質的

8)陰陽学説を用いて人体の組織構成を説明すると、心は五臓中の何か?(

  A.陰中之至陰        B.陽中之陽         C.陽中之陰         D.陰中之陰         E.陰中之陽

9)陰陽学説を用いて人体の組織構成を説明すると、腎は五臓中の何か?(

  A.陰中之至陰        B.陽中之陽         C.陽中之陰         D.陰中之陰         E.陰中之陽

10)陰陽学説を用いて人体の組織構成を説明すると、肝は五臓中の何か?(

  A.陰中之至陰        B.陽中之陽         C.陽中之陰         D.陰中之陰         E.陰中之陽

11)陰陽学説を用いて人体の組織構成を説明すると、肺は五臓中の何か?(

  A.陰中之至陰        B.陽中之陽         C.陽中之陰         D.陰中之陰         E.陰中之陽

12)陰陽学説を用いて人体の組織構成を説明すると、脾は五臓中の何か?(

  A.陰中之至陰        B.陽中之陽         C.陽中之陰         D.陰中之陰         E.陰中之陽

13)陽病治陰の理論基礎は?(

  A.陰虚則熱         B.陽勝則熱         C.陰勝則寒         D.陽虚則寒         E.陰虚陽亢

《素門・陰陽応象大論》

14)下記の治法で“陽病治陰”に属すのは?(

  A.壮水制火         B.益火消陰         C.熱者寒之         D.寒者熱之         E.陰中求陽

15)陰病治陽の病理基礎は?(

  A.陰虚則熱         B.陽勝則熱         C.陰勝則寒         D.陽虚則寒         E.陰虚陽亢

16)“益火之源、以消陰翳(助陽で火を盛んにし陰盛を抑制)”を活用するのは?(

  A.陽虚則寒         B.陰勝則寒         C.陰虚則熱         D.陽勝則熱         E.真熱假寒

《素門・至真要大論》

17)生命産生の基本条件は?(

  A.陰陽交感         B.陰陽対立制約       C.陰陽互根互用       D.陰陽消長         E.陰陽転化

18)“陰中有陽、陽中有陰”が説明するのは?(

  A.陰陽対立         B.陰陽転化性        C.陰陽の無限の可分性    D.陰陽転化         E.陰陽転化

19)陰陽互搊理論の根拠は?(

  A.陰陽交感         B.陰陽対立制約       C.陰陽互根互用       D.陰陽消長         E.陰陽転化

20)“動極者鎮之以静、陰亢者勝之以陽(動が極まれば鎮まって静となり、陰が亢進すれば勝って陽となる)”が説明するのは?(

  A.陰陽交感         B.陰陽対立制約       C.陰陽互根互用       D.陰陽消長         E.陰陽転化

《類経図翼・医易義》

21)下記のうち陰陽相互転化に属さないものは?(

  A.寒極生熱、熱極生寒              B.重陰必陽、重陽必陰              C.陽勝則陰病、陰勝則陽病
  D.動復則静、陽極反陰              E.寒甚則熱、熱甚則寒

22)“陰在内、陽之守也;陽在外、陰之使也”が説明するのは?(

  A.陰陽交感         B.陰陽対立制約       C.陰陽互根互用       D.陰陽消長         E.陰陽転化

《素門・陰陽応象大論》

23)“陰中求陽”が指すのは?(

  A.壮水之主、以制陽光              B.補陰時に補陽を兼ねる             C.益火之源、以消陰翳
  D.補陽時に補陰を兼ねる             E.陰陽双補

《景岳全書・新方八陣・補略》

24)“陽勝則陰病”が指すのは?(

  A.陽病搊陰         B.陽勝傷陰         C.陰勝傷陽         D.陰勝陽相対不足      E.陽勝陰相対不足

25)“重陰必陽、重陽必陰”が指すのは?(

  A.陰陽交感         B.陰陽対立制約       C.陰陽互根互用       D.陰陽消長         E.陰陽転化

26)“陽勝則熱”が出現する病証は?(

  A.実寒証          B.虚寒証          C.実熱証          D.虚熱証          E.陰陽両虚証

《素門・陰陽応象大論》

27)“陰勝則寒”が出現する病証は?(

  A.実寒証          B.虚寒証          C.実熱証          D.虚熱証          E.陰陽両虚証

《素門・陰陽応象大論》

28)“陽虚則外寒”が出現する病証は?(

  A.実寒証          B.虚寒証          C.実熱証          D.虚熱証          E.陰陽両虚証

《素門・調経論》

29)“陰虚則内熱”が出現する病証は?(

  A.実寒証          B.虚寒証          C.実熱証          D.虚熱証          E.陰陽両虚証

《素門・調経論》

30)陰陽偏衰の治療原則は?(

  A.補其上足         B.損其有余         C.陽病治陰         D.陰病治陽         E.寒者熱之

31)陰陽偏勝の治療原則は?(

  A.補其上足         B.損其有余         C.陽病治陰         D.陰病治陽         E.寒者熱之

32)“壮水之主、以制陽光(滋陰で水を強くし陽亢の火盛を抑制)”が指すのは?(

  A.熱者寒之         B.陽中求陰         C.補陰で陽亢を制約     D.陰中求陽         E.寒者熱之

33)五行の概念で最も適切なのは?(

  A.木・火・土・金・水、5種の物質及び其の運動変化          B.木・火・土・金・水、5種の材料
  C.東・南・西・北・中、5種の方位        D.木・火・土・金・水、5種の特性        E.木・火・土・金・水、5種の物質

34)五行中の“火”の特性は?(

  A.曲直           B.炎上           C.从革           D.稼穡           E.潤下

35)五行中の“金”の特性は?(

  A.曲直           B.炎上           C.从革           D.稼穡           E.潤下

36)五行中の木生火・火生土・木克土の関係は?(

  A.五行相生         B.五行相克         C.五行制化         D.五行相乗         E.五行相侮

37)五行生克関係に照らし合わせると、腎は脾の何か?(

  A.母            B.子            C.所勝           D.所不勝          E.所克

38)五行相克の規律を根拠に確定する治法は?(

  A.滋水涵木法        B.瀉南補北法        C.培土生金法        D.金水相生法        E.益火補土法

39)“見肝之病、知肝伝脾、当先実脾”が指すのは?(

  A.木克土          B.木乗土          C.木侮土          D.土侮木          E.以上どれでもない

《難経・七十七難》

40)培土生金法は五行治則のうち?(

  A.実者瀉其子        B.虚則補其母        C.抑強           D.扶弱           E.虚則補之

41)“益火補土”の“火”が指すのは?(

  A.心火           B.腎火           C.肝火           D.命門火          E.胃火

42)精神療法に用いる五行学説では、何が勝憂か?(

  A.喜            B.怒            C.思            D.恐            E.驚

43)心の“所不勝”は?(

  A.腎            B.心            C.肝            D.脾            E.肺

44)下記のうち、子病及母に属すのは?(

  A.肺病及腎         B.肝病及腎         C.心病及腎         D.脾病及腎         E.肝病及脾

45)中医学中の“釜底抽薪法”が属すのは?(

  A.比較           B.類比           C.反証           D.演繹           E.試探

46)中医学中の“審証求因”が属すのは?(

  A.試探           B.反証           C.類比           D.比較           E.演繹


1.名詞解釈 2.虫食い問題 3.選択問題(一項目) 4.選択問題(多項目) 5.簡答問題 6.論述問題

4.選択問題(多項目)


1)精の一般的な意義が指すのは?(ABCD

  A.自然界の無形の気の中の精華或いは精粋の部分                 B.自然界中の無形の気
  C.人体中の一切の有用な有形物質、例えば先天之精        D.腎精       E.人体中の上断運動をする無形の精微物質

2)中医学中の神の意義は?(CD

  A.自然界の物質の運動変化の内在規律      B.人体内の一切の生命活動の主宰者      C.人体の生命活動の外在表現
  D.人の精神意識思惟活動              E.人体一切の生命活動の動力

3)精気学説の主要内容は?(ABCD

  A.精気は世界を構成する本原            B.気は不断の運動変化            C.気は天地万物間の媒介
  D.天地の精気が化生して人となる          E.以上どれでもない

4)精気神の間の関係は?(ABCDE

  A.精能化気         B.気能生精         C.精気互化         D.精能化神         E.神能固精

5)陰の事物・現象に属すものの特点は?(ABCE

  A.抑制的          B.晦暗(暗い)       C.内守的          D.運動的          E.下降的

6)陽の事物・現象に属すものの特点は?(BD

  A.抑制的          B.興奮的          C.内守的          D.運動的          E.下降的

7)陰陽学説の基本内容に有るのは?(ABCDE

  A.陰陽交感         B.陰陽対立制約       C.陰陽互根互用       D.陰陽消長平衡       E.陰陽相互転化

8)下記のうち陰陽互根互用理論を用いて解釈出来るのは?(ACDE

  A.陰損及陽         B.陰病治陽         C.陽中求陰         D.陰中求陽         E.補陰可以助陽

9)“熱者寒之、寒者熱之”を活用するのは?(AC

  A.陽勝則熱         B.陽虚即寒         C.陰勝則寒         D.陰虚則熱         E.陰陽両虚

10)下記のうち相乗伝変に属すのは?(

  A.肝気犯胃         B.肝火犯肺         C.脾虚水泛         D.腎陰虚及肝        E.以下どれでもない

11)五行相生規律が確定する治法は?(ABCE

  A.培土生金法        B.益火補土法        C.滋水涵木法        D.佐金平木法        E.金水相生法

12)五行相克規律が確定する治法は?(ACDE

  A.抑木扶土法        B.益火補土法        C.瀉南補北法        D.培土制水法        E.佐金平木法

13)五行相侮の原因となるのは?(AD

  A.所勝亢盛         B.所不勝亢盛        C.所勝虚弱         D.所不勝虚弱        E.所勝不盛

14)五行相乗の原因となるのは?(BC

  A.所勝亢盛         B.所不勝亢盛        C.所勝虚弱         D.所不勝虚弱        E.所勝不盛

15)下記のうち母病及子に属すのは?(BE

  A.心病及肝         B.腎病及肝         C.木火刑金         D.木虚土乗         E.脾病及肺

16)下記のうち子病及母に属すのは?(AE

  A.心病及肝         B.腎病及肝         C.木火刑金         D.木虚土乗         E.肺病及脾

17)下記の思惟方法のうち比較法に属すのは?(AB

  A.同病異治         B.異病同治         C.釜底抽薪法        D.辨証求因         E.増水行舟法

18)下記の思惟方法のうち類比法に属すのは?(ACE

  A.提壺掲盖法        B.異病同治         C.釜底抽薪法        D.辨証求因         E.増水行舟法

19)下記の思惟方法のうち演繹法に属すのは?(BC

  A.同病異治         B.健脾消腫法        C.肝の升発特性       D.辨証求因         E.増水行舟法

20)下記の思惟方法のうち以表知里法に属すのは?(AE

  A.司外揣内法       B.健脾消腫法       C.肝の升発特性       D.辨証求因        E.有諸内必形諸外


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5.簡答問題


1)精の意味は?

  精:一般に異なる幾つかの意味が有る:㊀自然界の無形の気のうち、精華・精粋部分;㊁一般に自然界中の無形の 気を指し、この精は即ち気、又は“精気”・“元気”と称される;㊂一般に人体中の一切の有用・有形の物質を指す、先天之精・ 水谷之精・血津液等、これは“広義の精”である;㊃専ら腎が蔵す精を指す、即ち腎精である。
  中医学の精は広義と狭義に分れ、広義の精は一般的に人体中一切の有用・有形物質(先天之精・水谷之精・血津液等)を指し;狭義の精は 専ら腎が蔵す精、即ち腎精を指す。

2)何故精は世界を構成する本原だと言うのか?

  世界中一切の事物と現象全て精気の構成による、精気は天地万物人類を構成する原始物質である。精気は其の運動 変化過程中に、天地陰陽二気に分れ、天の陽気は下降し、地の陰気は上升する、二気の交感は天地の間を互いに行き交い、氤氳(雲霧が 立ち込める様)し万物を化生する。

3)気化の形式は幾種有るか?

  ㈠気と形の間の転化:無形の気が交感し聚り有形の物を合成する、即ち“気生形”の気化過程である;有形の物が 死亡消散、又は無形の気と化す“形化気”の気化過程である。
  ㈡形と形の間の転化:無形の気の聚合により有形の物を生成する、気の推動激発下に、相互間に更なる転化を発生出来る。例えば、 自然界の氷が水に、水が霧に、人体内の津液が汗・尿に化す等、全て“形化形”の気化過程である。
  ㈢有形の体自身の不断の更新変化:例えば椊物の生長化収蔵、動物の生長壮老已等の変化であり、全て有形の体自身の不断の更新気化 過程に属す。同時に又、動椊物これらの変化は有形の体内部と自然界の無形の気との間の升降出入交換中の進行であり、それらと自然界は 共に一個の統一体の中に在る。

4)気の媒介作用とは?

  気の媒介作用は一般に次の二方面を体現する:㊀気は自然界万物間の媒介として、天・地・万物間の相互連携を 繋ぎ、それらを一個の整体とさせる。人は天地の気の交わる中にあって、自然界万物の一つである、故に人も又この整体の一部分である。 気の媒介作用を通じて、人と天地万物の変化は互いに密接な関係にある。㊁気は自然界万物間の媒介として、万物に相互感応を与える。 形の中に気を含む事によって、気は形の間に充実し、物を感じ、物は感応する、故に気を媒介とし、有形の物の間、有形の物と無形の気の 間、距離の遠近を問わず、皆相互感応・相互作用出来る。

5)何故陰陽の属性は相対的と言うのか?

  事物の陰陽属性は絶対的でなく、相対的なものである。一定の条件下または随時・随所で変更そして発生改変する。 陰陽属性の相対性主要表現は三方面あり:陰陽の対処性。陰陽双方が自己と対立面との比較を通じて其の属性を確定、単一事物では陰陽を 定める方法は無い。陰陽の転化性。陰陽は一定の条件下で相反する方向に転化する事が出来る、陰に属する事物は陽に、陽に属する事物は 陰に属する事物に転化する事が出来る。陰陽の無限の可分性。事物の陰陽属性の規定は、一つの段階上に限定しない、二種の相反する 属性の事物は陰陽に分ける事が出来、更に其の一方の事物の内部は再び陰陽に分ける事が出来る。例えば、昼は陽、夜は陰、午前は 陽中之陽、午後は陽中之陰;夜の前半は陰中之陰、夜の後半は陰中之陽である。

6)陰陽消長と陰陽平衡の関係は?

  二者の関係は辨証的である。消長は事物の運動状態を体現し、平衡は事物の相対的に静止状態を体現する。 この為、消長は絶対的で平衡は相対的であり、絶対的消長の中で相対的平衡が維持され、相対的平衡の中で絶対的消長が存在し、事物は 上断の消長と平衡の矛盾運動の中、発展変化する。中医学は陰陽の絶対的消長変化を重視し、其の相対的平衡の重要性もまた軽視しない。 もし消長だけが有り平衡が無ければ、自然界は目まぐるしい変化状態に在って、生命の産生・発展・人類の健康全てが維持し難い。消長と 平衡の協調統一が有ってこそ、事物の正常発展を推動擁護出来、自然の生態平衡と人体生命活動の正常な進行を維持出来る。この種の 消長形式は陰陽互根互用関係の平衡または失調を表現する。正常情況下では、陰陽双方が相互依存または相互滋生助長すれば陰陽平衡を 維持出来る。異常情況下では、陰陽双方のうち一方の不足で引き起こされるもう一方の虚衰を形成する陰陽互搊、即ち陰陽皆消に属する。 また治療中の補陰以生陽または補陽以助陰、補気以生血または補血以養気は全て陰陽皆長に属する。

7)陰陽転化と陰陽消長の関係は?

  陰陽消長は陰陽転化の条件と前提である。消長変化が一定の限度に到達した時、転化を促進出来る;陰陽転化は 陰陽消長の結果で、事物内部に転化出来る素因を生み出す時、量的変化を随伴また一個の量的変化が変質に到る発展過程を出現する。 よって陰陽消長は一個の量変過程また陰陽転化は量変を基礎とした質変過程と言う。

8)陰陽消長とは何か?

  消とは減少、消減;長とは増長、盛大である。陰陽消長とはある事物の中に含む陰陽の量と陰陽間の永久不変では なく、一定の限度・時間内で行う不断の消長変化の中の比例を指す。其の消長形式は大まかに四種類:此長彼消、此消彼長、此長彼亦長、 此消彼亦消である。

9)陰陽相互転化とは何か?

  陰陽相互転化とはある事物全体の属性が一定の条件下で相反する方向に向かう転化を言い、属陽事物は属陰に、 属陰事物は属陽に転化出来る。陰陽相互転化は必ず一定の条件を備える、“物極必反、重陰必陽、熱甚則寒”この中の極・重・甚が陰陽が 相反する方向に向かう転化の条件である。

10)五行の相克と相乗の同異は?

  五行の相克と相乗は意義は違うが、順序は同じである。五行相克は五行間の一行の別の一行に対する正常制約現象 で、五行相乗は五行間の一行の別の一行に対する過分制約、相乗の異常である。二者の順序は同じである。木克土・土克水・水克火・ 火克金・金克木、木乗土・土乗水・水乗火・火乗金・金乗木である。

11)五行生克乗侮の概念及び其の順序は?

  五行相生:木・火・土・金・水の間に存在し順送りされる相互資生・助長・促進作用。其の順序は:木生火・ 火生土・土生金・金生水・水生木。五行相克:木・火・土・金・水の間に存在し順送りされる相互抑制・制約作用。其の順序は:木克土・ 土克水・水克火・火克金・金克木。五行相乗:五行間の一行が別の一行に対する制克太過。其の順序は:木乗土・土乗水・水乗火・ 火乗金・金乗木。五行相侮:五行間の一行が別の一行に対する逆向反克。其の順序は:木侮金・金侮火・火侮水・水侮土・土侮木。

12)五行学説を用いて疾病の伝変を解釈する、其の伝変方式と内容は?

  相生関係の伝変:母病及子と子病及母を包括。母病及子とは母臓から子臓に疾病が伝わり;子病及母とは子臓から 母臓に疾病が伝わる。
  相克関係の伝変:相乗と相侮を包括。相乗とは所不勝の臓から所勝の臓に疾病が伝わり;相侮とは所勝の臓から所不勝の臓に疾病が 伝わる。例えば肝病が脾に伝わる木乗土;肺に影響する木侮金;心に影響する母病及子;また腎に影響する子病及母等である。

13)如何に精神療法に五行学説を応用するか?

  精神療法の主要は情志疾病に用いる。情志は五臓に生まれ、また情志の太過・不及は相応する内臓の功能を 損傷する。五行学説理論を根拠に五臓と五志間には生克制化関係、相互滋生・相互制約が存在する。故に臨床上、情志間の相互制約関係を 利用して情緒調整・疾病治療の目的を達成する。例えば《素門・陰陽応象大論》に言う所の:“怒傷肝,悲勝怒・・喜傷心、恐勝喜・・ 思傷脾、怒勝脾・・憂傷肺、喜勝憂・・恐傷腎、思勝恐”である。怒は肝志、木に属し;悲は肺志、金に属す。金克木、故に悲は怒に 勝つ。喜は心志、火に属し;恐は腎志、水に属す。水克火、故に恐は喜に勝つ。思は脾志、土に属し;怒は肝志、木に属す。木克土、故に 怒は思に勝つ。憂は肺志、金に属し;喜は心志、火に属す。火克金、故に喜は憂に勝つ。恐は腎志、水に属し;思は脾志、土に属す。 土克水、故に思は恐に勝つ。

14)中医学の思惟方法にはどんな特点があるか?

  ㈠マクロ的角度による事物の観察。このマクロの中には二方面の意味があり:一つは中医の人体の組織構造・ 生理功能・病理変化に対する真剣な観察と分析だけでなく、其の周辺環境(自然環境と社会環境を包括)の事物の進行に対する観察と分析、 並びに観察結果を総合し研究を進行、そして得た多くの正確な結論である;二つ目は肉眼の所見、一定の空間範疇の物体及び物体の各種 運動変化現象の占有である。
  ㈡哲学思惟の運用。中国古代の中医学家が人体の構成・生理功能・病理現象を観察・収集した後、古代哲学思惟を常用し、これらの 素材を分析・研究、其の後得た結論。
  ㈢整体性の研究を重視。中医学家はよく整体上から人体の組織構成と生理功能・疾病の発生と発展規律、並びに疾病治療を分析・帰納 する事を総原則とする。


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6.論述問題


1)精気神間の関係は?

  精・気・神三者間の関係:精能化気、気能生精、精気互化。これは無形の気と有形の精の相互転化である。精が 足りれば気は充実し、気が足りれば精は旺んである。精能化神は養神、故に精は神の物質基礎と言われる。精旺ならば神明で、精衰ならば 神疲である。神は精を固摂し、神守ならば精固で、神蕩ならば精泄である。気は精から生まれ、神を生養する、故に精足気旺ならば神明 である;神は気と精を統べる、故に神明ならば気調而精固である。要するに精は有形で発育の原始物質、生命の本原であり;気は無形で 生命の動力であり;神は人体一切の生命活動の主宰である。

2)陰陽学説の基本内容は?

  ㈠陰陽交感。陰陽二気の相互感応・交合を指す。陰陽交感は陰陽二気の升降運動中の進行であり、天地陰陽二気の 交感相合により、互いに行き交い彷徨い、万物を産生し、並びにそれらの変化発展を推動する。陰陽交感は宇宙万物の発生・発展・変化の 根源である。
  ㈡陰陽対立制約。陰陽対立は陰陽が代表する二つの事物・現象または一つの事物内部の二方面の相反する属性である。陰陽両方面の 相互対立の主要表現は相互制約と相互斗争である。相互制約とは事物発展に従うべき規律を持たせる;相互斗争とは事物の変化発展を 促進する事である。陰陽対立制約の結果、事物を動態平衡状態に留める。例えば一年四季温熱涼寒の気候変化は、夏は陽熱が盛んで、 しかし夏至以降は陰気が次第に増え、炎熱の陽を制約する;冬は陰寒が盛んで、冬至以降は陽気が次第に回復し、寒涼の陰を制約する。 春夏は、陽気が盛んで寒涼の気を抑制するので温熱とし、秋冬は、陰気が盛んで温熱の気を抑制するので寒涼とする。
  ㈢陰陽互根互用。陰陽互根とは、一切の事物と現象中の相互対立する陰陽双方が持つ相互依存・互いを根本とする関係を指す。陰陽の 何れか一方は別の一方を離れて単独存在出来ない、何れの一方も対方の存在が自己存在の前提条件とする。陰陽互用とは、相互依存で陰陽 双方が相互依存の基礎の上に更に存在する相互滋生・相互助長・相互促進の関係を指す。例えば人体の生理功能は属陽、物質は属陰、 物質は功能の基礎であり、功能は物質の運動表現である。臓腑の功能活動が旺盛ならば、各物質の化生を不断に促進出来、栄養物質が 充足していれば、臓腑の功能活動の旺盛を保証出来る。物質と功能間に陰陽協調平衡・互根互用が有りさえすれば、人体の正常な生理活動 を保証出来る。故に《素門・陰陽応象大論》曰く:“陰在内、陽之守也;陽在外、陰之使也”である。
  ㈣陰陽消長平衡。消とは減少・消減;長とは増長・盛大である。陰陽消長とはある事物中に含む陰陽の量と陰陽間の比例が永久不変で はなく、不断に消長変化する事を指す。其の消長形式には大まかに四種類:此長彼消、即ち“陽長陰消”または“陰長陽消”である。 この種の消長は比較的強い陰陽対立制約が造成する。此消彼長、即ち“陽消陰長”または“陰消陽長”である。この種の消長は陰陽対立 制約の不及が造成する。此長彼亦長、即ち“陰長陽長”または“陽長陰長”である。これは陰陽互根互用の平衡結果である。此消彼亦消、 即ち“陰消陽消”または“陽消陰消”である。
  ㈤陰陽相互転化。ある事物全体の属性が一定の条件下で相反する方向に向かう転化を指し、属陽事物は属陰に転化、属陰事物は属陽に 転化出来る。陰陽相互転化は必ず一定の条件を備え、この条件は事物が極限段階に発展、所謂“物極必反、重陰必陽、熱甚則寒”、この中 の極・重・甚は事物発展の極限で、陰陽が相反する方向へ向かう転化を促進する条件である。

3)陰陽学説を用いて人体の病理変化を概括する総則は何か?

  総則には二つある。
  ㈠陰陽偏勝。“勝”または“盛”、邪気盛を指し、陰陽偏勝は陰邪または陽邪の偏盛を指し、机体の陰陽何れか一方が正常生理水準を 超える病理状態である。《素門・陰陽応象大論》曰く:“陰勝則陽病,陽勝則陰病、陽盛則熱,陰盛則寒”である。
  陽偏勝。陽邪致病を指し、机体の陽の絶対亢盛を引き起こし、実熱証を出現させる。例えば暑邪は、温邪が人体を侵犯し、邪並びに 陽が机体の陽気を亢盛し、臨床では高熱・汗出・面赤・煩躁・脉数等の実熱症状が見られる“陽勝則熱”である。陽邪亢盛、制陰過度、 机体の津液消耗、乾燥失潤が現れ、陰液上足を表現する。例えば外感温熱病後期に現れる口唇乾燥・舌紅少津・脉細数無力等である。
  陰偏勝。陰邪致病を指し、机体の陰の絶対亢盛を引き起こし、実寒証を出現させる。例えば悪寒戦慄・苔白・脉沈遅等の症状 “陰勝則寒”である。陰邪亢盛は必然的に机体の陽気を消耗し、よって陰偏勝の疾病は常々同時に寒肢冷・脘腹冷痛・泄瀉等の症を出現 する。
  ㈡陰陽偏衰。即ち陰虚或は陽虚で、机体の陰陽何れの一方が正常生理水準より低い病理状態に属す事を指す。《素問・調経論》曰く: “陽虚則外寒、陰虚則内熱”である。
  陰偏衰即ち陰虚は、陰液上足を指し、陰が陽を制約出来ず、陽が相対的に偏亢し、出現する虚熱証である。五心煩熱・潮熱盗汗・ 舌乾少津・脉細数等の症が見られれば、即ち“陰虚則内熱”である。
  陽偏衰即ち陽虚は、陽気上足を指し、陽が陰を制約出来ず、陰が相対的に偏勝し、出現する虚寒証である。面色蒼白・畏寒肢冷・ 神疲蜷臥(手足を屈し、体を丸めて臥す)・自汗・脉微等の症が見られれば、即ち“陽虚則外寒”である。
  陰陽両虚。机体の陰或は陽の何れか一方が虚搊し一定の程度に達した時、必然的にもう一方の上足を導き出し、陰陽両虚と 称される。陰陽両虚とはまた陰陽双方が低い水準で平衡状態を維持するのではなく、陰虚或は陽虚に偏った陰陽倶虚の病理状態である。

4)陰陽偏勝偏衰の疾病の各治療原則は?

  陰陽失調の基本的な治療原則は:有余は搊、不足は補、陽盛は瀉熱、陰盛は祛寒、陽虚は扶陽、陰虚は滋陰する 事で、陰陽の相対的平衡を恢復する事である。
  陰陽偏勝の治療原則。陰陽偏勝の証候は実に属す、故に治療総則は“損其有余(或は実者瀉之)”である。陽偏勝には実熱証が 出現、“熱者寒之”の治療方法を用いる。陰偏勝には実寒証が出現、“寒者熱之”の治療方法を用いる。
  陰陽偏衰の治療原則。陰陽偏衰の証候は虚に属す、故に治療総則は“補其不足(或は虚者補之)”である。陰偏衰には虚熱証が 出現、治療には抑陽を以って滋陰に当り、“壮水之主、以制陽光(滋陰して抑陽する)”の法を用いる。陽偏衰には虚寒証が出現、 治療には制陰を以って扶陽に当り、“益火之源、以消陰翳(扶陽して制陰する)”の法を用いる。

5)“陽勝則熱”と“陰虚則熱”・“陰勝則寒”と“陽虚則寒”を如何に鑑別するか?

  陽勝・陰虚は全て熱象が出現するが、前者は実熱、後者は虚熱であり、その病机は臨床表現と明らかに別物である。 陽勝は陽邪致病が引き起こす机体の陽気偏勝、陽の一方が正常生理水準より高く、正気は虚してなく・抗邪に有力で、故にその熱は実熱、 症は高熱・面赤・汗出・口渇・脉数実有力が見られる。陰虚は陰液不足、陰が陽を制約出来ず、陽が相対的に偏亢し、その病机の要点は 陽が水準より高いのではなく、陰が正常水準より低い事で、机体の正気不足、抗邪に無力、故にその熱は虚熱、症は五心煩熱・潮熱盗汗・ 舌紅少津・脉細数無力が見られる。
  陰勝・陽虚は全て寒象が出現するが、前者は実寒、後者は虚寒であり、その病机は臨床表現と一定の区分が有る。陰勝の多くは陰寒の 邪を感受し、机体の陰気偏勝を引き起こす、陰の一方が正常生理水準より高く、正気は虚してなく・抗邪に有力で、故にその寒は実寒、 症は悪寒戦慄・脉遅有力が見られる。陽虚は陽気不足、陽が陰を制約出来ず、陰が相対的に偏亢し、その病机の要点は陰が水準より 高いのではなく、陽が正常水準より低い事で、この為、正気不足、抗邪に無力、故にその寒は虚寒、症は畏寒肢冷・神疲蜷臥・脉微等が 見られる。

6)“陰中求陽”・“陽中求陰”を如何に理解するか?

  張景岳が《景岳全書・新方八陣・補略》で提出した陰陽偏衰治療の一つの原則で:“補陽するには、必ず陰中求陽 せねばならず、そうすれば陽は陰の助長を得、無限に生化出来;補陰するには、必ず陽中求陰せねばならず、そうすれば陰は陽の生化を得、 不竭の泉源となる”この句の意味は:よく補陽の法を運用する医者は、補陽葯の中に滋陰の品を佐葯とし;よく滋陰の法を運用する医者は、 滋陰葯の中に補陽の味を佐葯とする。陰陽は互根である、陰は陽の生化を得、陽は陰の助長を得、そうする事で陰陽は無限に生化出来る。 もっぱら滋陰或は補陽のみを行えば、陰陽の生化に影響があるばかりでなく、臨床実践の見地からも幾らかの弊害を帯びる。例えば、 補陽葯の多くは温燥で陰を奪する品だが、幾らかの滋陰葯を佐葯とする事で、傷陰の偏りが出現するのを防止出来;また滋陰葯の多くは 甘寒滋膩だが、幾らかの補陽葯を配入する事で、脾を妨げる弊害となる事を防ぐ事が出来る。

7)五行相生規律を根拠に確定する治則治法にはどの様なものが、またその各内容は何か?

  五行相生規律を根拠に確定する治則には:虚則補其母と実則瀉其子が有る。治法には:滋水涵木法・培土生金法・ 金水相生法・益火補土法が有る。虚則補其母とは、即ち一臓の虚証では、本臓を補すと同時にまたその母臓を補しても良い。例えば肺病で 補脾する等である。実則瀉其子とは、即ち一臓の実証では、本臓を瀉すと同時にまたその子臓を瀉しても良い。例えば肝実で瀉心する等で ある。滋水涵木法とは、即ち滋腎養肝法で、水不涵木証に適用する。培土生金法とは、即ち補脾益肺法で、肺虚証に適用する。金水相生法 とは、即ち肺腎の陰を滋補する治法で、肺腎陰虚証に適用する。益火補土法とは、即ち温腎健脾法で、腎脾陽虚証に適用する。

8)“気有余、則制己所勝而侮所不勝;其不及、則己所不勝侮而乗之、己所勝軽而侮之”を如何に理解するか?

  この段の経文が見られるのは《素問・五運行大論》である、五行の乗侮規律で臓腑の病理転変を説明し、文中の 制の意は乗で、侮は反克ではなく乗の修飾語で、意は欺侮・侮辱である。全文の大意は:一行の気の有余は、則自分が克制する一行に 対する過度の制約と、自分を克制する一行に対する反侮であり;一行の気の不及は、則自分を制約する行が虚に便乗して侵襲し、自分に 対する過分の克制と、自分が克制する一行の自分に対する容易な反侮である。金・木・土の三者の関係を例に取ると、木の気が過亢すると、 則乗土侮金が同時に発生し;木の気が不及すると、則金乗木・木侮土が同時に発生する。

9)五行相克規律を根拠に確定する治則治法にはどの様なものが有るか?

  五行相克規律を根拠に確定する治則には:抑強と扶弱が有る。治法には:抑木扶土法・培土制水法・佐金平木法・ 瀉南補北法が有る。抑強とは、即ち亢進を抑制する功能で;扶弱とは、衰退を扶助する功能である。例えば木乗土では、木は強者、土は 弱者で、治療は肝木を抑制、脾土を扶助するのが相応しい。抑木扶土法とは、即ち肝木を抑制、脾土を扶助する疏肝健脾法であり、肝旺 脾虚(或は胃虚)証に適用する。培土制水法は、即ち健脾利水法で、土虚水侮の水腫脹満証に適用する。佐金平木法は、即ち補肺瀉肝法で、 肝火犯肺証に適用する。瀉南補北法は、即ち瀉火補水法で、心腎不交証に適用する。


1.名詞解釈 2.虫食い問題 3.選択問題(一項目) 4.選択問題(多項目) 5.簡答問題 6.論述問題

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