フトアゴヒゲトカゲ

1.飼育用具

2.餌について

3.飼育の概要

4.繁殖させよう

 

1.飼育用具
ゲージ
我が家では植物用のガラス温室を使用していますが、基本的にはスペースさえあれば何でもOK。しかし、逃げられないよう、蓋のしっかり出来る容器がよいでしょう。水槽なら最終的には90×45×45cm以上の水槽が必要と思われますが、アクリル製なら軽いし、管理もラク。蓋さえ出来れば衣装ケースでも飼育は可能。(その場合蓋の部分は網にして通気性を高めましょう。)幼体であれば立体的な行動を取らないのでフラットタイプのプラケース(主にカメ用として市販されている背の低いケース。)がお勧めです。また、お金に余裕があれば爬虫類専用のゲージというのもあります。たいていは横側から手が入れられるようになっていて、頭上から手に取ったときのストレスがなくなるので、トカゲもおちつきます。木材やアクリルなどで自作するのもたのしいですよ♪
爬虫類用ライト
フトアゴに限らず爬虫類の多くは太陽光線は必須。紫外線によりカルシウムからビタミンB2を生成するためには無くてはなりません。屋外で飼育されてる方なら特に問題ないのですが、たいていは室内飼育でしょう。そこで、紫外線を人工的に照射する必要性が出てきます。蛍光灯タイプと電球タイプがあり、蛍光灯タイプは熱帯魚用のものを本体に使うのが一般的です。しかし、玉自体は普通のライトである場合が多いので、爬虫類用のものに換えてやります。蛍光灯タイプのメリットは広範囲に照射できるため小さなケースなら並列して使うことが出来ますが、紫外線照射量は他のものにやや劣るため出来るだけ低い位置に設置しなければなりません。そのためにもフラットタイプのケースは便利なのです。(高さ30cmくらいの位置で照射できるため。)電球タイプは使ったことがないので詳しくは判りませんが、紫外線をとくに要求するカメ飼育にさかんに用いられているようなので、使い勝手はよいようです。ものによってはUVを照射しなかったり、少なかったりするものもあるようなので、ショップの店員さんに相談してきめましょう。

 

バスキングライト
このランプはゲージの一点を暖めるのに使用するランプで、フトアゴに限らず、多くの昼行性爬虫類の飼育に必要となります。フトアゴもほかの爬虫類の例にもれず、変温動物です。外気や日光によって自分の体温を上昇させなければ行動することができません。とくに食べたものを消化するのにも温度は重要で、未消化のまま吐き出してしまうこともあります。バスキングライトで一箇所だけ高温の場所を作ることで、好きなときに自分の体温を上げられるようになります。また、照射する地点(バスキングスポット)には熱を腹部にも行き渡らせるために平らな石などを置くとよいでしょう。注意点としては使用中はものすごい高熱を発するため、絶対に素手では触らないことと、可燃物にふれるような場所では使用しないこと。あと、フトアゴが触って火傷しないよう、彼らの手(?)の届かないところで使用しましょう。
床材
いろいろな種類があり、迷う方も多いのが床材。自分もいろいろ使ってみましたが、どれも一長一短がありました。例としてはこんなものがあります。

新聞紙・・・フンの始末も容易で一番入手が容易なのがこの新聞紙です。しかし、餌の昆虫が下のほうに逃げたり、つるつるとスベって移動しづらい、見た目がかっこ悪いなどのデメリットがあります。

ピートモス、ココチップ・・・ニオイの吸着効果があり、湿度を一定に保つなどの意味では結構オススメです。しかし、床材としては値段が高めで、細かい粉が水槽につき、見栄えが悪くなる事も・・・。

アスペンチップ・・・ハムスターなどの小動物を飼育されている方にはおなじみの、広葉樹の木の削りかすです。水を含むとぐちゃぐちゃになってしまいますが、やさしい手触りでフトアゴの床材としては優秀なほうかも。また、針葉樹のチップのパインチップというものもありますが、ヤニによる悪影響が心配なので、あまりオススメできません。

ケイコブリター・・・ケイコブリターとは商品名のため実際の名前は不明です。トウモロコシが原料の、軽い砂のような床材です。本来はハムスターや兎につかわれるようです。筆者も実際つかっていますが、フンの吸着力にも優れ、サンドベージュの色彩もフトアゴを引き立たせます。また、粒も比較的細かく、フルイによって簡単に掃除できます。欠点としては水がかかるとほぼ確実にカビが発生することくらいですが、餌から水分を取るだけで十分な成体の飼育にはうってつけでしょう。

熱帯魚用の砂・・・熱帯魚用に販売されている砂は誤飲したときにフンとして排泄できるパウダー状のもの以外は使用しないほうがよいでしょう。しかし、パウダー状のものは、熱帯魚用のネットの粗めのもので掃除が簡単にできます。美観も損ねることも無く使い勝手は上々です。また、最近では爬虫類専用の床材も販売されているので、利用してみるのもよいでしょう。

保温器具
 ケージ全体を暖めるのに重宝します。関東以南であれば、成体ならば無加温で冬眠してくれるため必要はないですが、(逆に繁殖させるなら冬眠させたほうがよい。)体力のない幼体は冬場の加温は必要です。ヒヨコ電球や、小動物用のセラミックヒーター、パネル状など、状況に応じて使いましょう。また、小動物用のものはサーモスタット(温度を一定に保つ器具)が内臓されていないものがおおいので、専用のものを購入しましょう。幼体は少し高めの25〜30度くらいで飼育するのが無難です。
メタルハライドランプ
 これは、必ず必要というものではありませんが、筆者が使用したところ、フトアゴの状態が目覚しく良くなったため、ぜひ使用していただきたいアイテムです。 メタルハライドランプ(以後メタハラ)は現時点では太陽光にもっとも近いランプでしょう。どこでも昼の日向を再現できます。UVの照射量も多く、耐用年数もメーカーにもよりますが、約2年前後(一日8時間照射した場合。)というかなりの超寿命です。こんないいことずくめのランプですがひとつ致命的な弱点が・・・。

 それはランプにしては恐ろしく高価なことです。大体本体で4〜8万円、替え球は8000円から1万円くらいが相場でしょうか。しかし最近では安定器付きで、専用のソケットのいらない商品も各社から出ていて、お求め易くなりました。(それでも2万円前後;) しかし、違いは歴然!!絶対に損は無いと思いますのでご参考までに・・。

 

 

2.餌について

フタホシコオロギ
 沖縄や台湾など南方の原産のコオロギです。体長は3〜4cmほどで、最近では爬虫類ショップだけでなく、アロワナの餌としても需要があるため、熱帯魚ショップでも見かけるようになりました。このコオロギの特徴は背中に2つの白い斑紋があることと、四季の無い環境に生息していたせいか、一年中繁殖できるというのも特徴でしょう。栄養のバランスもよく、昆虫食の爬虫類には欠かすことの出来ない餌となりました。爬虫類に与える場合、カルシウムなどのサプリメントをふりかけ、栄養を補って与えるようにしましょう。また、ストックする場合、餌となる野菜はなるべく市販のものは与えず、自分で栽培した野菜をあげるようにするとよいでしょう。(農薬の影響で全滅したことがあったため。無農薬野菜が入手できればいいですが、普通のものより高いのが普通。)後述のハウスクリケットと比較すると、鳴き声がうるさい、やや乾燥に弱い、寒さに弱い、共食いしやすいなどの欠点はあるものの、大きさも手頃で、動きも緩慢なため、生き餌としてはかなり使いやすいでしょう。
ハウスクリケット
 和名は“ヨーロッパイエコオロギ”。コオロギの仲間です。フタホシコオロギよりも後になって紹介されましたが、ストックのしやすさから最近ではこちらの需要が伸びてきています。大きさはやや小さめで2〜3cm程。ストック方法はフタホシコオロギとほぼ一緒ですが、こちらの方が水切れにやや強く、共食いも少なく、鳴き声もそれほど聞き苦しいほどではありません。 欠点としては、動きが素早過ぎるため、なかなか捕まえることができなかったり、足や頭が消化しずらいらしく、とくに足にはトゲがあるため、それを嫌がるトカゲもいるようです。また、餌としてボリュームに欠け、一日に何10匹もあたえなければなりません。しかし、最近は各サイズの販売をしているため、幼体には三令幼虫をあたえることもでき、飼育者にとってはありがたい餌ではあります。
野菜
 小松菜やチンゲンサイ、ニンジンなど、おなじみの野菜たちです。とくに20cm以上の成体には順主食として活躍します。八百屋さんで簡単に入手できますが、農薬の危険性もあるため、よく洗ってから使用します。また、小松菜などは育てやすいため、プランターなどで種から育ててみるのもひとつの方法です。専用培養土に堆肥をいれてやればけっこう成長も早く、手軽に無農薬野菜が作れます。虫も着きますが、それらも餌に使えるため便利です。また、モロヘイヤは栄養価が一番高くておすすめですが、夏場にしか出回らないこと、保存が利きにくい、種に毒があるなどのデメリットがありますが、これらのことを注意して使えばかなり役にたちます。こちらも夏場は苗が園芸店で売っているので、自分で育ててみるのもよいでしょう。                              もうひとつの利用法にコオロギなどの餌にもつかえます。市販の野菜は無農薬とうたっていないかぎりは与えない方が無難です。なぜなら浸透移行性(作物の体内に蓄積させて害虫をよせつけなくする作用)のある農薬が使われていた場合、洗っただけではなかなか落ちず、人体にはほぼ無害とはいえ、コオロギなどの体のちいさな生き物には効いてしまうからです。  餌として野菜を育てる場合はくれぐれも農薬は使わないように(笑)                               
ミルウォーム
 小鳥の餌として古くから有名な、チャイロゴミムシダマシの幼虫です。年間を通じ、生体を扱うショップなら大体は入手が可能。ストックはコオロギに比べるとかなりラクですが、栄養のバランスが悪く、(リンの割合が多すぎる。)単用すると必ず栄養障害が起こります。また消化もわるいので、餌切れのときの非常食くらいの感覚で使ったほうが無難です。また、ニンジンを食わせたりして栄養のバランスを餌によって整える方法もあります。(完璧とまではいかないですが・・・。)
ジャイアントミルウォーム
 比較的最近に登場した、ミルウォームのバケモノ(種類的には別の昆虫)。大きさも5cm以上と、大型爬虫類にも使用可能なボリュームが特徴です。ミルウォームに比べればいくらかは栄養面にすぐれていますが、消化に悪く、また、生命力がつよすぎ、腹の中で暴れることもあるので、使用は最小限にとどめた方が無難です。ミルウォームとおなじく、長期間のストックが可能です。
配合飼料
 最近ではフトアゴヒゲ専用に各メーカーが販売している商品も増えてきました。筆者も、成体にはこの配合飼料と野菜を半々にしてやっています。栄養のバランスもよく、カルシウムなどのサプリメントと併用してやれば、これだけでも飼育は可能です。また、何より餌代がだいぶ浮くのでオススメです!!たまに食べない個体もいますが、根気よく慣れさせましょう。
冷凍餌(マウスなど)
 最近はヘビを中心に冷凍餌も需要が増えているようです。冷凍マウスも良い餌でサイズも豊富です。しかし、フトアゴには少々栄養価が強すぎる感があり、与えすぎると肥満の原因になってしまうかもしれません。筆者は産卵後の衰弱したメスにのみ与えていますが、与えていると大型の個体になるという話もありますので、ご参考までに・・・。
サプリメント
 餌ではありませんが、これらの栄養補助剤は爬虫類飼育の必需品。とくにカルシウムと、ビタミンは餌だけでは十分には取れません。なかでもカルシウムは必須で、紫外線によってビタミンB3を生成するのにも利用されます。とりあえずビタミン類は野菜などから摂取させ、これらを餌に混入しカルシウムを強化しましょう。ビタミンB3が不足すると、クル病という骨が変形する病気になってしまいます。一回かかると回復の見込みはほとんど無く、仮に治っても、後遺症がのこってしまいます。

 また、取りすぎても良くないので、3日に一回くらいの割合で丁度いいでしょう。

 

 

.飼育の概要

・フトアゴを我が家に迎える前に

 ショップでは生後1ヶ月くらいの幼体も多く見かけますが、はっきり言って飼い易いとは言えません。しかし、自分も最初の一匹はこのくらいから飼育をはじめたクチですが、非常に可愛い時期なので、チャレンジには値するでしょう。水管理、温度、餌などに注意すれば問題なく飼えると思いますが、自信の無い人は15cm以上のサイズからはじめてみましょう。まず、ショップなどで個体を選ぶポイントから・・・。こんな個体は選ばないようにしましょう。

1.元気がなく不活発、餌を食べずにじっとしており、目をつぶったままの個体。

2.肋骨が浮き出ているほど痩せていて尻尾の付け根の骨が浮き出ている。

3.目や体の一部に異常がある。

 これらの個体は未熟児だったり、病気や寄生虫に冒されている可能性が高く、飼育は非常に困難で、短命に終わる場合がほとんどでしょう。ショップの人によく聞くなどして、出来る限りよい子を購入しましょう。また、肌の色に関しては、幼い頃と大きくなったときの色は、だいぶ異なる場合がおおいです。しかし、模様に関してはほとんど変わらず、また、個体ごとに異なるためそこにこだわって選ぶのも楽しいと思います。とにかく、うまく飼育すれば、10年以上は生きる生き物なので、妥協せず、あせらずいろいろな個体を見たうえで決めてください。

 

・15cm未満の幼体の飼育法

 先にも書きましたがこの時期は体が弱く、フトアゴ飼育のなかでも一番難しい時期であるといえます。特に春先から6月までが一般的な孵化シーズンであり、このサイズの幼体が多く出回ります。先ほど書いた選び方を参考に購入しましょう。

 飼育容器もこの時期なら昆虫飼育用のプラケースでもとりあえずOK。しかしよく走り回るので、全長の3倍くらいの横幅はキープしてあげましょう。筆者の家では、フラットケースを用意し、生まれたての幼体はそこに入れています。床材は熱帯魚用のパウダーサンド。熱帯魚用の少し目の粗いネットがあれば、フンや食べ残しの餌だけを取り除くことが可能なので、重宝しています。それに誤食しても、この程度ならフンとして排泄できます。

 餌は小型の昆虫です。この時期は個体差はあるものの、動く昆虫にしか関心を示さない個体がほとんどです。(まれに最初から人工飼料に餌付いてしまう個体もいます。こういった個体には人工飼料と、サプリメントのみでも飼育は一応可能。)一般的なのはコオロギでしょう。時期に関係なくいろいろなサイズが入手できるので大変便利です。また、冬場に良く見られるカマキリの卵を持ってきて、孵化した幼虫をあげるというのもひとつの手です。冷蔵庫に入れておくことで孵化時期も調節できます。餌のやり方は昆虫をビニール袋にいれ、サプリメント剤をいれてよく振ります。粉まみれになった昆虫をそのままやります。そうすることにより、餌と一緒に栄養剤も摂取できるというわけです。屋外で採取した昆虫もバリエーションも豊富でよい餌ですが、農薬の問題があるため、この時期の使用は極力控えましょう。また、蜂などの刺す昆虫が混じっていると、刺された子は拒食してしまうこともあります。やはり市販のコオロギが一番安全です。近くにコオロギを扱うショップが無い場合、通販でも購入できます。とにかくできるだけたくさん食べさせて早めにおおきくさせてやりましょう。15cmを過ぎれば飼育はだいぶラクになりますよ。

 温度についてですが、この時期の個体は25〜30度は欲しいところです。気温の上がる6月までは保温は必要。パネルヒーターやヒヨコ電球などであたためてやりましょう。最近はフィルムタイプの赤外線ヒーターなどのいいものもありますので、利用してみましょう。サーモスタットで25〜28℃くらいいに自動的に調節でき、熱くなりすぎることもありません。夏場は逆に高くなりすぎるので出来る限り風通しのよい場所におきましょう。

 日当たりは良い方がいいです。しかしカラスや犬、ネコなど外敵となる動物がいない環境ならば、たまに外に出して日光浴させてやりましょう。また、日陰になる部分を用意してあげれば体温の上がりすぎた個体はそこに隠れて休みます。あと、以外にすばやいので脱走にはくれぐれもご注意を。日当たりの良い場所が無いという人は爬虫類用のランプで紫外線を供給し、バスキングライトで熱を与えてやることで、外に出す必要はなくなります。

 

・15cmから20cmの若い固体の飼育法

 これくらいの大きさになれば餌も2日に一回くらいでもよくなり、フンをしたら与える、くらいの感じでよいでしょう。餌も昆虫以外のものを食べる個体がふえてくるので、この段階で人工飼料の味をおぼえさせるのもひとつの方法です。とにかく野菜、昆虫、人工飼料と、いろいろな餌をバリエーションよくあたえてください。この頃になれば体も強くなり、冬場でも関東以南なら冬場でも無加温でも飼育は可能。 この頃からたまにスキンシップをとると、飼い主の顔をおぼえるようになり、手から上手に餌を食べるようになります。賛否両論あるようですが、管理面から見ても、スキンシップは重要だと思います。体の異常(病気や寄生虫など)の早期発見にもつながります。容器は体長にあわせて用意します。60cmくらいの標準水槽が理想ですが、衣装ケースでもOKです。

 

・20cm以上の大人の個体の飼育法

 この頃になると、繁殖のとき意外はほとんど手間は掛らなくなります。動きも緩慢になり、扱いも容易になります。水もほとんどやっていません。餌も動物質中心から、植物質中心に換えてやります。普段の餌は人工飼料を水でふやかし、サプリメントを適量ふりかけ、きざんだ野菜(小松菜やチンゲンサイ、モロヘイヤなど)を混ぜ込んだものを3日に一回あたえています。それでもコオロギなど動く餌には敏感ですがやりすぎると一度に50匹は平らげてしまい、餌代がかかりすぎてしまいます。うちではまとめ買いしたコオロギのなかで、オスのみをやるようにしています。オスは鳴き声がうるさいし、共食いしやすいので、早めに処理したいという理由もあるからです。このときばかりは驚くほどの瞬発力でコオロギを追い掛け回しています。加温も、バスキングライトさえあればとくに必要なく、冬場はそのまま冬眠してしまいます。当然冬眠中は餌を全くとらないためその前は餌をたくさんやりましょう。冬眠は繁殖のために必要な要素で、気温の変化が繁殖行動を誘発しているようです。

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