マニピュレーション(軟部組織柔軟法)とは

スポーツマッサージ

 

冬の寒い朝、目覚めて思わず、冷たい手をさすったり、又、筋肉疲労などで、手足が痛んだりすると、思わずその部へ手が行き、なでたり、こすったりします。

このような行為は、古今東西を問わず、人間が自然に行う行為であり、一番自然で安全な手技であると考えます。

それを科学的に理論づけをし、どのようなときに、どのような手技が効果敵であるか、経験的に生み出し、体系化したのが現在行われています、色々なマッサージ法だと考えます。

                                                                                                            

日常生活を営むためには、大、小の精神的ストレスが多く、特にスポーツ選手は、競技中はもちろん、中間日であってもつねに心身共にストレスが多い。

一流と言われるスポーツマンになるためには、心身共に調和のとれた人間でなければならない。

心身のストレスから起こる疲労、肩こり、腰痛、精神的不安などをマッサージにより取り除くことが特に重要で必要な事なのです。

又、選手同志、お互いの肌を通しての心の触れ合いにより、良いチームワーク作りにも効果が期待出来るものです。

 

マッサージ、指圧、他の手技にしても、それぞれ基本的に異なるものではなく、いずれも人の手で直接相手の人の肌に触れ、「なでたり」「もんだり」「叩いたり」「引っ張ったり」「関節を動かしたり」するいわゆる(徒手刺激療法)なのです。

マッサージmassageと言う言葉はフランス語であり、その元は、アラビア語の「圧」おすギリシャ語の「こねる」ヘブライ語の「さする」と言う意味から起こったと言われるように、この三っの方法は洋の東西を問わず語源は同じであり本質的にはなんら異なるものではない。

 

要するに皮膚の上から「なで、さする」事によって皮膚や筋肉の血行、またリンパ液の流れを促進し、新陳代謝をさかんにして皮膚や筋肉の栄養を高めます。

特に筋肉などを揉む事により、その収縮力を高め、より速い、より強い運動が出来るための素地を作り、皮膚刺激により反射効果により内臓諸器官の機能を整えます。

 

又、筋疲労の回復促進に及ぼす効果については、多くの研究者達によって報告されています。

 

現在、競技領域のみならず、「フイットネス」の分野でもスポーツ・マッサージが重要されていますが、これは、マッサージが持つ疲労回復の効果が、広く社会に認められていることを示唆していると言えましょう。

 

 
心身両面のストレスからくる不調、

あるいは変調をマッサージ等を行う

ことにより調整でき、スポーツ障害

などによる色々な病気の予防や健康

保持、さらに増進に大きく貢献させ

るものです。

 

まず、軟部組織にリズミカルな叩

打刺激、触圧刺激あるいは伸張刺激を適度の強さで加えると、皮膚の感覚受容器、筋、腱の固有受容器、深部組織及び内臓の感覚受容器が賦活(フカツ・機能を活発にすること。あるいは、活力を与えること。)される。

この機序を介して、筋肉の緊張と血流量が増えることで競技に向けた準備体勢が出来、関節の可動性を増大させてパフォーマンスの向上に役立ちます。

もちろん、特定の手技や力の調整により、筋緊張を緩めることも可能です。

 

一方、マッサージを行うと末梢血管が拡張し、血液循環量が増加し、その機序が、アセチルコリン・ヒスタミン及びヒスタミン様物質の血中濃度増加により起こることも明らかにされています。

言うまでもなく、競技者にとって、血液とリンパの循環を改善・促進することは、栄養素の供給と老廃物の除去という機序を介して、

疲労の回復のみならず、障害の予防や改善を図る上できわめて重要なことです。

 
例えば、血流が増加すれば、浮腫の改善のみならず皮膚温が上昇し、皮下組織や筋肉・腱の柔軟性を高め、組織癒着を改善する方向にも効果を発揮する事でしょう。

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 


スポーツの為の手技療法

手技の主目的は、スポーツ障害の予防と競技の記録向上を目的としますが、急性筋疲労の回復やスポーツ障害の施療も大切な目的とします。

又、一般の医療マッサージの手技と基本的に変わる所は有りませんが、クリームやジェルなどの使用は注意が必要となる。

リンパマッサージには皮膚のすべりを良くするために、皮膚に良いジェルを必要としますが、深部組織に行う「フリクション」などでは滑性により組織を十分にとらえることが出来なく効果的ではない。

 

手技を行う時機

(1)       

 
競技前

練習の場合も同様であるが、競技前の

手技は、ウォーミングアップの補助とし

ての意味があり、ウォーミングアップは

十分に行う必要があります、マッサージ

はあくまでも補助的な役割でしかないと

言う認識を欠いてはなりません。

ストレッチングやウォーミングアップを行う前、主にその競技に使う主動筋や主動関節を中心に20〜30分の時間をかけて行うのが一般的です。

 

手技は、軽擦法(なで、さする)、揉捏法(もむ)、震せん法(ふるわす)、などを中心に行い、余り叩いたり、強くもんだりしてはいけない。

また、中、長距離やマラソン選手のように、全身的な耐久力を必要とする場合は、腹部マッサージを行って消化器を始め、内臓諸器官の調子を整えておく必要もあります。

 

競技前の全身手技は、できるだけ避けたほうがよい、もし行うとしても、ごく短い時間に全身の軽擦法を行う程度にし、全身の血行をよくし、体を温め、精神的な不安から解放し、安定を図ることが大切である。

 

特に、捻挫・腰痛・肩の痛みなど障害がある場合は、障害部位を中心に、準備マッサージを施す必要があります。

野球の投手や体操競技の鉄棒などでは、肩を痛めている場合が多く、その部分が痛んだり、冷えて肩関節の周囲の筋がこわばっていたりするときは、競技前に数分間で要領よく、上腕から肩関節、肩甲部に軽いマッサージと運動法を行うとよい。

陸上競技の選手で肉離れの場合、まだ完全に良くなっていないようなときは、スタートやジャンプのときに、その部分が引きつるように激しく痛むことが多い。

こんなときは、ぜひ事前に障害部位を主とするマッサージを行うべきです。

それは直接その競技の成績にも影響するし、障害の再発や増悪を予防することにもなります。

又、急性期外傷に対処するときは、「安静」「冷却」「圧迫」「挙上」をまず施す。

 

 
 

 


(2) 競技中

競技中に行うことは、きわめて稀

ですが、競技中(サッカー・テニス・

剣道・長距離走・バレーボール・棒高跳び・

走り高跳び・走り幅跳び・など)に、こむらが

えり(下腿の腓腹筋けいれん)が起こった場合な

どは、足首を持ってけいれんを起している腓腹筋を伸ばしたり、腓腹部(ふくらはぎ)を手で強く握って圧迫したりして、けいれんを鎮めたり、和らげることが出来ます。

 

競技中の手技は、競技と競技の間の僅かな休憩時間や出番を待っている時に行われるもので、やり方は主にセルフマッサージである。

しかし休憩時間が5分あれば、相互マッサージを行うことは、お互いの気持ちをリラックスさせるのにも有効である。

 

方法は、その競技の最も大切な主動筋で、特に急性筋肉疲労が大きいところ、けいれんを起しそうなところ、あるいは捻挫などの障害があるときは、その障害部位を対象に短時間要領よく行います。

 

 

(3) 競技後

競技後、又は、練習後は、まずクーリングダウンを行った後、その競技にとくに使用して痛み、疲労が激しい筋や関節に対して、

入念に手技を行うことと、入浴を済ませた後、心身共にくつろいだときに全身の手技を行うと、気分的にも爽快となり、全身的な疲労も除かれ、睡眠も十分とれて、翌日に疲れを残すことなく、スポーツマンの健康管理に大きなプラスとなります。

 

もし競技中に障害を受けたら、とくにその障害部位に対しては、必要であれば包帯やテーピングなどで関節を固定したり、冷湿布をしたり、むくみや痛みに対するマッサージを十分行っておくことである。

 

 

(4)                       中間日

競技のシーズンオフに行われる手技で、その主な目的は競技中の心身の疲労を取り除き、障害部位の治療の目的で行われ、来るべき競技に備えて、コンデションを整え、体力の維持と健康管理に大切な役目を果たします。

練習不足、運動不足による全身の太り過ぎ、筋力(腹筋・背筋)の低下、関節の柔軟性を欠くことなどに注意が必要である。

 

手技は全身に行い、サウナ浴や一般の入浴と併せてのマッサージは効果的である。

マッサージ後、特にその人の専門競技に関する主動筋や腰部の運動法を併せて行うと良い。

(他動運動・徒手矯正・マニュピューレーション・色々な抵抗運動・徒手体操・)