| 夢の周囲の一群 --間奏ふうに-- (部分)
激突
芝生の上で二匹の蛙が 相撲でもするように
白い太鼓腹と白い太鼓腹を 激突させる。
わたしは真横の望遠鏡で 勝敗を眺めている。
わたしにふりむく蛙ども。 一つの顔になっている。
風変りな植木屋
鉢巻のかれは百日紅(さるすべり)を 家の中に運ん
できた。
廊下の暗い一隅に 三角形の穴を開け
土の匂いを漂わせながら その木を植えた。 これが本を食べる わたしの三角戸棚の謂(いわれ)
である。
ある実在の斜塔
いつごろから この巨大な灰色の 六角の塔は
やや傾いて ペニスなどを想像させているのか? 古びてざらざらの 塔の磚(れんが)の 強力な接着
剤は
糯米 粘土 豚の血 鉄屑で 合成されている。
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