| 登山計画 | 《日程》 ○昨年の奥駈完走に続き、今年は、小辺路と伊勢本街道が当初の目的だった。昨年末からの諸事情により年初から全く山歩きができなかったうえに、練習不足もあったが、少し落ち着きを取り戻したこともあり、家族にまたも無理を言って、2泊3日の山歩きの旅として、小辺路に挑戦することになった。1日目;伯母子峠避難小屋泊、2日目;十津川温泉ビバーク(河原)とし、1日目は8時間、2日目は12時間30分、3日目は5時間45分という予想を立てた。通常は3泊4日だが、3連休のため1日短縮した案とした。 《山の装備》 山の装備は、前回奥駈時と同様。体重計で測定したところ、16kg。水3.5Lを入れると、総重量は20kg弱となった。前回よりも少し重くなっている。まだまだ軽量化が課題として残った。 《ネット山行き、ガイドマップ》 十津川村ホームページの「熊野参詣道登山マップ」を参照した。これだけで十分。 《天気予報》 土曜日も日曜日も午後から雨の確率が高くなっている。山間部ではそれ以上に降りやすいだろう。そのわりには1日目が避難小屋泊だったこともあり少し楽観視してしまった。山では常に最悪の状況に合わせた想定が必要なのに・・・ いつものように日照時間は、国立天文台の暦計算室のサイトで調べた。5時11分〜18時39分。午後6時を活動のリミットとした。 《足腰の強化、気力の充実》 昼休みに職場の階段を5往復を3回だけ。家でのステッパーとスクワットは今回は実行せず、明らかに練習不足。計画の目処が立ったのが直前だったので気力の盛り上がりに欠けた。淡々としたものだった。 しかし、冷静に考えると、時々思い出してはガイドブックやネット山行きを見ていたので、イメージはかなりの熟度で出来上がっていたように思う。少し寝かせすぎかもしれない。 |
| 交通 | 4月28日:(近鉄)八木5:37〜高田で(JR)に乗り換え〜五條で和歌山線に乗り換え〜橋本で(南海)に乗り換え〜極楽橋で(ケーブル)に乗り換え〜(南海バス)奥の院行きに乗り千手院橋下車、午前8時39分バス停を出発 4月30日:(熊野交通バス)熊野本宮大社13:16〜新宮駅前14:23、特急オーシャンアロー号14:48〜天王寺18:31〜八木19:50 前回奥駈時に新宮経由は時間も金もかかることはわかっていたが、GW中の混雑予想もあり、また、前回真っ暗の中のバス旅で景色がゆっくり見れなかったこともあり、熊野川の流れを見ながら、新宮からは自由席にゆったりと乗って太平洋を眺めることにかなり気持ちが動いていたが、到着時刻によってはすぐに乗車できる方面のバスに乗ろうかなどと漠然と考えていた。結局、10分待って新宮行きのバスに乗車した。 |
| 小辺路踏破の記念ショット、今回は精神的には余裕あり! | 私の熊野のイメージはこの風景! 山に包まれた開放的な空間と、ゆったりとした流れ! |
| 新緑の匂い、新緑の輝き!生き生きと燃え立つ感じが素晴らしい! | 里の人たちの心遣い、丁度見ごろの日本石楠花!(果無集落上) |
| 今回一番のお気に入りの場所、苔むした上西家跡(写真では実感が沸かないのが残念)!大台ケ原(西大台)のよう! | 今回一番おいしかった伯母子峠より50m下った水場!何よりも冷たい! 汲みに行く途中で熊と鹿を1頭づつ発見! |
| 1日目:高野山〜伯母子峠避難小屋 GW前半の3連休を利用。天気は少し下り坂予想。橋本駅で大きなザックを担いだ初老のおじさんがいた。ケーブルまで一緒だったが、その後一度も出会っていない。結果的に全区間踏破は私だけだったのか?大股までは、高野龍神スカイラインの舗装路と、整備された未舗装の林道が大半を占める。杉などの植林の中、山歩きを楽しむ風情はない。平辻を過ぎ、大股に向けて下りに差しかかると、ようやく山道となる。 大股からは2度目。単調なジグザグ道を登り切ると、まだ新緑を身に纏っていない広葉樹の明るい森になる。護摩壇山や伯母子岳登山口の分岐まで来ると、避難小屋はもうすぐ。予定よりも1時間近く早く着いた。翌日からの歩行に備え、筋肉をマッサージ、インドメタシン1%クリームを塗りこみ、テーピング(今後検討の余地あり)をした。明日からの2日間も同様なメンテの繰り返しをすることになった。結果的には、悪化するのを防いでくれた程度の効果だったと見ていいだろう。1時間30分過ぎた頃に、山頂から下山してきた男性が小屋に同宿となった。バスで護摩壇山まで来て、小屋で1泊し、翌日大股に下山するらしい。のどかな山行きでうらやましい。今日の泊まりはこの二人。小屋は2名で縦方向にゆったり寝れるが、横方向に詰め切れば10人は寝れるのではないか!早々に食事を済ませ、歩いて5分の水場に補給をしに行ったが、途中危険防止のため、笛を吹きながら歩いていると、斜面下50mくらいの所で1m以上の黒い丸々とした動物が急に走り出したではないか!すぐに熊だと悟る。さらに1分もしないうちに、斜面上に走り去る鹿を発見。夕方なので動物も活動しているのだろうか!初めての熊との遭遇はあっけないものだった。帰りにはやけに慎重になって笛を吹き続けながら帰った。片づけをして早々に就寝した。 《ハイライト》左足外筋部の痛み。結局、最終日まで痛みが残った。今回の山行きの最大の失敗。 《水補給等》ネットでは水場が少ないと聞いていたが、それは伯母子峠までで、それ以降はかなりの頻度で道沿いにある。最初の水場が伯母子峠から5分の場所にある。味も良くって冷たい。ちなみに、伯母子峠までに2ケ所の沢水が流れているが飲めるかどうかは不明。 《山小屋》十津川村が建てた避難小屋。前回登ったときにはトイレはなかったが、すぐ隣にきれいなバイオトイレが完成していた。南東の展望も良い。 05:37 八木駅発近鉄電車(定期区間を除き、電車1080円、ケーブル380円、バス280円) 08:39 千手院バス停着 11:30 東屋で昼休憩 12:52 大股着、登山届けを出す 13:10 雨がばらつく、20分程度で止む 15:23 避難小屋着 17:25 食事終了 17:50 水場着 18:30 就寝 |
| 2日目:伯母子峠〜十津川温泉 午前4時30分起床。携帯電話の目覚ましセットの音は聞こえなかったが、隣の人がちょうど良い具合にごそごそと朝食の用意を始めてくれたので、その音で目覚めた。うとうとしていたが、どうも4時頃には明るくなっていたように思う。昨日の残りご飯に、春雨スープをぶっかけて食べた。かなりお腹一杯になった。用も足し、筋肉のメンテもし、万全の体制で予定よりも20分遅れの午前5時50分に出発。昨日の熊騒動もあり、当然ながら笛を断続的に吹き続けて歩いた。左足痛は朝方は大人しくしていた。 三浦峠登山口には川沿いに村が開発した保養地がある。すぐ裏手に民家がなく、温泉が出れば、素晴らしい場所になり、飛ぶように売れると思うのだが、分譲されている様子は一切なかった。登りはすこぶる快適で、昨日よりも3度ほど気温が高いらしく、むしろ少し汗ばむくらいの陽気となり、天気予報に反して、絶好の行楽日和である。山道には随所に排水溝が掘ってあるが、どの場所もきれいに掃除された形跡がある。山頂付近になると箒と熊手を持った地元の夫婦が走り降りてきた。きっとこの方々が道普請してくれているのであろう。感謝!三十丁の水場で、名古屋から小辺路を歩きに来た3人連れのおばさんたちに追いつく。水場から峠までは近い。峠でおばさんたちから聞いたところでは、高野山で1泊後、3泊4日の標準的な行程で歩く予定らしい。おばさんたちは昼食の準備に入ったが、私はそのまま続行。すぐのところにある水場で喉を潤し、痛み出した左足をかばいながら、びっこで下っていった。途中鹿1頭に出会う。とかげは至る所にいる。鳥の鳴き声も多く、うぐいすも鳴き慣れているためか、とっても美しい澄んだ鳴き声だった。心癒される。 昨日判明したことだが、今回はどうも歩き始めて6時間経つと荷物が肩に食い込み始め、7時間30分経つと左足が痛み始めるようである。今日もほぼその通り規則的に症状が現れてきた。この2日間の道は、参詣道と呼ぶにふさわしい。奥駈道のように頂上付近を通りアップダウンを繰り返すまさに修験道とは違い、山腹を沿うように巻いている道である。はっきりとした違いがある。下山途中にソロ男性とすれ違う。山道が終わり、舗装路歩きの起点となる西中バス停までで左足も肩もギブアップ状態。歩くスピードは情けないくらい遅い。ヨチヨチ歩きだ。 バス停に出てから、歩道のない国道を2時間歩き続けねばならない。ヒッチハイクはプライドが許さない。ただただ黙々と歩くだけ。途中、耐え切れず、川合神社の木陰で靴を脱ぎ去り、ゴロリと横になる。横を車が何台も通り過ぎていく。30歳ぐらいの若い夫婦が小辺路を走っている。(翌日も峠茶屋前で出会う。確実に小辺路を走りきるのだろう。)ここでふんどしを締めなおしてまた歩いた。水場もあったが疲労困憊、足はがたがた。昴の里付近で今日の寝床となるキャンプ跡地を探したが不明。時刻も6時近くなったので、つり橋を渡って、翌日の起点となる登山口下まで歩き続けた。その近くの河原でビバーク適地を探したがない。いっそのこと温泉に入って疲れを癒し、お腹も膨らせて、どこでもいいから寝ようと決断し、さらに30分歩いて温泉郷(蕨尾)まで行く。公衆浴場も食堂も9時まで営業しているらしい。ウロウロしていると、民家のおばあさんが話しかけてきた。「今日はどこから歩いてきた。」「伯母子峠から。」「どこに泊まるのか。」「河原。良い所はないか。」「知らない。」「食堂はどこか。何時まで営業しているか。」「9時まで。歩いて10分行った所。」・・・(足がこうも痛いと今から戻ってビバークするのは無理と判断)・・・「時間が遅いので泊まれる宿は知らないか。」「そこの松の家に聞いてあげようか。」「お願いします。値段と夕食を聞いてください。」・・・「キャンセルが出て、1名なら可。知り合いかと聞かれた。必ず行ってあげてな。」「わかりました。ありがとう。」親切で要領を得たおばあさんだった。 お陰で、夕食もお腹いっぱい食べ、ビールも大瓶1本飲み、露天風呂にも入った。風呂は温度が低すぎて寒かった。露天風呂から見る星空は群青色で、村の明かりに遮られ、1等星以外は見ることができなかった。朝早いので、朝食はおにぎりに変更し、昼食の弁当も頼んだ。風呂に行く途中、遅い到着の10人ほどの小辺路歩きの一行の話が聞こえた。筋肉マッサージをして、テレビも見て、午後10時前に就寝した。ストイック山歩きのはずだったが、寛いでしまった。不幸中の幸いとはこのこと。 《ハイライト》3日間の山場。距離も一番長い。西中バス停に下りてからの2時間にわたる舗装路歩きが最難関!できればパスしたいが、これを省くと、小辺路を完走したとはとても言えない。 《水補給等》三田谷集落など、どの村にも山水を引いた水道が道路際にある。水にどうしても困れば頼んでいれてもらえばよいと思うが、今回はそれも必要ないぐらい水には充実していた。三浦峠への登りの途中にも山客用に茶碗を置いた水場や三十丁の水と名づけられた水場もある。いずれもとうとうと流れている。峠を越えて10分ぐらいの場所にも沢水が流れる水場がある。西中バス停を過ぎてからも道路沿いに沢水施設が何箇所もある。 《民宿》民家のおばあさんに声かけられ、話の発展から、民宿も紹介していただいた。GWにも関わらずラッキーなことです。「民宿松の家」さん助かりました。07466-4-0111 04:30 起床 05:50 出発 08:30 三田谷橋着 09:00 三浦峠登山口、登山届けを出す 10:15 三十丁の水場 11:13 三浦峠着 13:50 矢倉観音堂 14:14 三浦峠登山口 14:43 同上 14:48 西中バス停 18:20 民宿松の家着(宿代7087円、ビール630円、弁当630円) 21:55 就寝 |
| 3日目:十津川温泉〜熊野本宮大社 左足痛は最悪の状態。荷物なしで単に歩くだけでも痛い。先行き不安がよぎる。午前4時20分起床し準備をして宿を出発。温泉郷はまだ眠っている。朝の空気は清清しい。昨日確認しておいたスタート地点に5時50分に到着。昨日と同じ時刻だ。 果無峠は、上り下りとも石畳の道。シダ類が地被し、常緑樹から木漏れ日も差す。勾配も緩急入り乱れ、適度に曲がりくねっている。天水田という展望場からこれから目指す果無峠が前方に広がるが距離感を感じ、山深さも持っている。山頂付近になると広葉樹の森に変わり、新緑が目にまぶしい。また、私のお気に入りの山が一つ増えたようだ。これまでの2日間の巻き道とは違い、れっきとした山道である。一つのピークハントの対象になりうる。展望もこれまでの中では最高。峠前には大峯を望み、峠後には熊野川や本宮町の集落を望める。高度はそれほどでもないので重奏たる山並みというわけではないが、眼下に見下ろす爽快感があった。下山中、走り降りるソロ男性に抜かれ、舗装路に出る間際で小走りに降りる男性二人組にも抜かれた。下山して出会う熊野川の雄大さにしばし見とれる。舗装路では、昨日仲良く走る夫婦にまたも抜かれ去られた。峠茶屋からは観光客も増え、軽装で歩くカップルや家族連れも多くなった。本宮大社では、GWのためか多くの人出であった。境内で記念撮影をお願いし、いつものように無事を再訪を祈ってお参りをした。着替えることもせず、あと10分で到着予定の熊野交通バスに乗車し、始発駅の新宮まで1時間の川下りを堪能した。始発なので安心。駅の売店で、ビールとめはり寿司を購入。時間待ちの間に、玉子うどんをかきこむ。列車は禁煙車。私が座ったのは、通常2座席1組の椅子がなぜか1座席のみで、窓際に荷物スペースのような空間が空いている変わっってはいるがとっても便利な席を確保した。車窓から太平洋を眺めながら、気兼ねなく、ゆっくりとした列車の旅を満喫した。めはり寿司がとってもおいしかった。思わず、パッケージの裏のレシピをメモした。 《ハイライト》変化に富んだ山歩き。3日間一番のお気に入り。 《水補給等》峠前30分のところになる観音堂には、トイレ、水場、小屋(締め切られている)。小屋が解放されれば絶好の宿泊場所。ここ1箇所だが十分。舗装路に降りれば、道の駅やAコープ、自販機などがあり便利すぎる。 《参考:めはり寿司》ご飯、高菜、米酢、きざみ紫蘇、胡麻、食塩、ポーション醤油など。 04:20 起床 05:50 昨日の分岐点 05:57 登山口着 08:30 果無峠 09:30 本宮町を望む、昼食 11:00 八木尾バス停 11:50 三軒茶屋跡 12:40 大社着 13:16 新宮行きバス(1880円) 14:23 新宮着 14:48 新宮発 新大阪行きオーシャンアロー号(6500円)(駅弁とビール1130円、玉子うどん280円) 18:31 天王寺着 21:50 八木着 |