「カラカサンー移住女性のためのエンパワメントセンター」

設立趣意書



 1980年代以降、出稼ぎや国際結婚のために国境をこえて日本に移住する女性たちは急増しています。

こうした移住女性の多くは日本社会の中で、移住者であること、女性であることによる二重の差別と偏見

を経験しています。また、人身売買や、家庭、職場における様々な形態の暴力による深刻な被害に苦しむ

女性たちも少なくありません。彼女たちに共通しているのは、こうした暴力や差別、偏見を受ける中で、内

なる尊厳と「ちから」を奪われた状態に置かれていることです。

 私たちは、これまで、様々な立場から移住女性の支援や自助組織の活動にかかわってきました。その

経験の中で、移住女性たちの置かれている状況の深刻さと支援の必要性とともに、移住女性のエンパワ

メントを促していく活動の必要性を痛感してきました。

 「カラカサン」とは、フィリピンのタガログ語で「ちから」という意味です。私たちは設立にあたり、「カラカサ

ンー移住女性のためのエンパワメントセンター」という名称に、女性たち、とりわけ移住女性たちが、相互

のかかわりあいの中で自らの尊厳とちからを回復すること(=エンパワメント)への願いをこめました。

 具体的な活動としては、移住女性のエンパワメントに向けた様々な角度からの試みを実施していきたい

と考えています。当面は、ドメスティックバイオレンスの被害女性を主な対象とした相談活動、また、暴力に

よる被害からの回復、経済的・社会的および精神的自立に向けた支援活動、暴力のない共生社会を目指

した教育・啓発活動などに重点をおく予定です。さらに、移住女性たちが集い、共に考える中で、自らの状

況を分析し、よりよい社会に向けての変革のプロセスをつくりだす主体となる参加型の調査活動も実施し

ていく予定です。

 「カラカサン」は、その趣旨に賛同するすべての人々に開かれた組織です。私たちは、国籍、文化、経験

や立場の違いを超えて、共に、移住女性のかかえる課題に対応していく中で、移住女性を含むすべての

人々の尊厳が守られ、平等に参加することのできる社会をめざし、相互にエンパワメントしあいながら、一

歩ずつその歩みをすすめていきたいと考えています。

                                                  2002年12月7日



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