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本ページの最終更新日:2012年5月24日
1.大型トラック(GVW12トン越え)の排出ガス規制と燃費規制について
環境白書によれば、近年、自動車排出ガス規制が強化されてきた結果、大気中のNOxや浮遊粒子状物質は、
緩やかな減少傾向を示している。しかし、都市の大気環境は未だ十分に改善されいるとはいえないのが現状であ る。そのため、現在、ディーゼル自動車から排出されるNOxおよびパティキュレート(PM)は、都市の大気環境を悪 化させている最大の原因とい云われている。そのため、ディーゼルトラック・バスは、現在の日本経済および市民生 活の基盤を支えているにもかかわらず、世間からは厳しい目で見られている。そのような状況から、従来から引き 続いて排出ガス規制の強化が行われており、大型トラック・バス(GVW12トン越え)に対し、最近では平成17年 (2005年)の新長期排出ガス規制に続いて平成21年(2009年)にポスト新長期排出ガス規制が実施された。そして、 今後も更なるNOx規制の強化が予定されているのである。また、近年の地球温暖化防止の面から要望されている CO2削減に対応するため、GVW3.5トン以上のトラックにおける2015年度(平成27年度)重量車燃費基準が設定 されている。これによって、大型トラック・バス(GVW12トン越え)においても燃費規制が実施されているが、最近で はこれも陳腐化した感があるため、近い将来に政府(国土交通省)は2015年度(平成27年度)重量車燃費基準を強 化した新たな基準を設定すべきではないだろうか。
2.早急な解決が必要な大型トラック(GVW12トン越え)の技術的な課題
現在のポスト新長期排出ガス規制(2009年規制)に適合している大型トラック(GVW12トン越え)においては、以下
に示したような課題を抱えている。これについて、トラックメーカが課題解決の研究開発に懸命に努力されて、多くの トラックユーザも課題解決の早期実現を望んでいるものと思われる。
○ 高負荷時を含めた全てのエンジン運転領域での大量EGRの実現して大幅なNOx削減を図り、尿素SCR
のNOx削減負担を軽減して尿素水消費量を削減させること。
○ ディーゼルエンジンの永遠の課題である更なる燃費改善を図っていくこと。
○ DPF強制再生の回数を削減して、強制再生による燃料の浪費を出来るだけ抑制すること。
○ 排気ガス温度が低温となる走行時において、尿素SCRシステムのNOx低減機能を向上させること。
現在のところ、GVW12トン越えの大型ディーゼルトラック・バスにおけるポスト新長期規制適合には、各トラックメ
ーカは揃って新長期排出ガス規制で実用化されたNOx削減の尿素SCR触媒とパティキュレート削減のDPF装置を 組合せた技術を用いているようである。そのため、現在、市場で数多く走行している新長期排出ガス規制(平成17年 [=2005年]規制)適合の大型ディーゼルトラック・バスや、市販中のポスト新長期規制に(平成21年[=2009年]規制) 適合の大型ディーゼルトラック・バスのほとんどの車両には、DPF装置が装着されているのである。このDPF装置に ついては、各社の新長期排出ガス規制(2005年)対応技術に詳述したように、ポスト噴射またはHC排気管噴射によ る頻繁なDPF再生によって燃費を悪化させる欠陥を抱えているのである。その中でもポスト噴射によるDPF装置を 再生する装置では、軽油によってエンジンオイルを希釈させる問題が生じているのである。これらの現行のポスト噴 射再生式やHC排気管噴射再生式のDPF装置の問題点については、気筒休止でDPFの自己再生を促進する新技 術のページに詳述したのでご覧いただきたい。また、尿素SCR触媒では排気ガス温度が低いエンジンの低負荷で はNOxが十分に削減できない欠点があり、今後の更なるNOx規制の強化への適合に際しては早急に改善すべき 技術的な課題と考えられる。
ところで、GVW20〜25トンの大型トラックが必要十分な走行性能を維持するためには、13リットル級の標準エン
ジンを搭載する必要がある。そのため、日野自動車は、このクラスの大型トラックには13リットル級のの標準エンジ ン搭載しているのである。ところが、ポスト新長期排出ガス規制(2009年規制)に適合した日野自動車の13リット ル級の標準エンジンを搭載した7段マニュアルトランミッションのGVW25トンクラスの大型トラックの一部車種では、 2015年度(平成27年度)重量車燃費基準に未達成と云う悲惨な状況に陥っているようだ。また、三菱ふそうにおい ても、13リットル級の標準エンジンを搭載した7段マニュアルトランスミッションのGVW20〜25トンの大型ダンプで は、2015年度(平成27年度)重量車燃費基準に未達成の状態である。 したがって、日野自動車、三菱ふそうでは、 このような13リットル級の標準エンジンを搭載した7段マニュアルトランスミッションの大型トラックの全ての車種を 2015年度(平成27年度)重量車燃費基準に適合できるようにするために、ディーゼルエンジンの燃費削減の技術を 開発することが喫緊の課題と見られる。
また、原油の生産が頭打ちとなる石油ピークの時代を迎えたと見られることから、今後の世界の総石油生産量は
減少傾向にあると考えられる。現時点で100%の燃料を石油に依存している大型トラックにおいては、今後の石油 資源不足による軽油需給の逼迫や価格高騰に備えた脱石油への施策が早急に求められているところである
○ 今後の石油資源の枯渇による軽油不足に備え、トラック貨物輸送分野におけるエネルギー危機管理とし
ての脱石油の輸送体制を実現すること。
現在の大型トラックが100%の燃料を石油に依存していることのエネルギー危機管理上の問題を解決する手段と
して、多くの学者や専門家と関連企業は、将来の大型トラックの燃料には天然ガス由来のDMEとGTLが最適であ ると主張し、これを導入するための技術開発を盛んに行っているところである。しかし、「閑居人」は「大型トラック の燃料にDMEまたはGTLを用いる」ことは、「エネルギー資源の浪費」、「燃料原価の高騰」および「CO2 の削減不能」の問題を引き起こすことはほぼ間違いないと考えている。全ての分野で省資源やCO2削減が最 優先される今日では、DMEやGTLは、大型トラックの燃料としては致命的な欠陥を抱えていると考えて良いだろう。 したがって、天然ガスから合成のDMEとGTLは、トラック用燃料に不適であり、大型トラックの燃料にDMEやGTLを 用いることは絶対に避けるべきと考えている。そして、一部の学者・専門家が盛んに推奨している大型トラックの燃 料にDMEやGTLを用いることは愚の骨頂と思えて仕方がない。「閑居人」は「将来の大型トラックにDMEやGTLを 燃料に使用する」エネルギー資源の浪費と信じているが、これと真逆の意見である大型トラックにDMEやGTLの導 入を推進されている学者・専門家の理論・根拠を、是非ともお教えいただきたいと願っている。
現在、DMEに関係する人達は、「DMEはディーゼルエンジンの高効率性を持つ燃料であり、将来の有望な燃料」と
の宣伝活動を盛んに行なっているようだ。例えば、軽油よりもエネルギー効率が30%も劣るDMEを推奨する機械 学会の疑問のページに詳述しているように、日本機械学会誌2010年5月号(Vol.113、N0.1098)に掲載された「DMEト ラックの最新開発状況」の論文において、DMEと軽油との異種の燃料の優劣の議論に必須のWell-to-Wheelのライ フサイクルアセスメント(LCA)による評価を全く行わず、「DMEが将来の有望な燃料」と学術的な根拠を示さずに飛 躍した結論を主張してDMEの宣伝を行っているのである。この日本機械学会誌に掲載されたDMEトラックの論文 は、誇大宣伝を通り越し、虚偽宣伝に近いように思えるのだ。
ところで、ハイブリッド乗用車の10モード燃費値は、通常のガソリン乗用車よりも2倍程度の燃費向上が得られて
いる。そのため、ハイブリッド乗用車はユーザの人気が高く、爆発的に普及しているようであ。しかし、トラックメーカ が市販している小型ハイブリッドトラック(積載量2トンクラス)の重量車モード燃費値は、通常の小型ディーゼルトラ ックよりも最大で10%程度の燃費向上に過ぎないようだ。詳細は、小型ハイブリッド トラックはハイブリッド乗用車 のような燃費改善が困難のページをご覧いただきたい。このように、現在の小型ハイブリッドトラックは、高い車両 価格に見合った燃費削減が得られていないようだ。したがって、現在の燃費性能が大幅に向上されない限り、小型 ハイブリッドトラックが広く普及することはないものと予想される。
3.将来の燃費性能と環境性能に優れた大型トラックを実現するための有効な技術
「閑居人」は、これまで数十年間、トラックメーカーでディーゼル排出ガス対策に関係した業務に携わってきた。職
を退いてから長い月日が経過しているが、不思議なことに未だに大型ディーゼルトラック・バスの排出ガス低減技術 への興味が薄れることはない。これは他に熱中できる趣味を持っていないためではないかと思っている。暇な生活 の徒然に、今後の排出ガス規制強化に役立ちそうな新たな技術を考案し、ポスト新長期排出ガス規制適合の「アイ デア」にまとめた。その主な技術は、ディーゼルエンジンのメリットを大きく損なうことなく排出ガスの低減が可能と考 えられる気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)、後処理制御システム(特許公開2005-69238)、パルスEGRシ ステム(特許公開2005-54778)の3件の出願特許である。
前述のように、日野自動車や三菱ふそうは、ポスト新長期排出ガス規制(2009年規制)に適合した13リットルの標
準エンジン搭載の7段マニュアルトランスミッション装着のGVW25トンの大型トラック・トラクタの一部の車種が2015年 度(平成27年度)重量車燃費基準に不適合となっているようである。大型トラックに11リットル級エンジンを採用して いるUDトラックスも同様である。そのため、日野自動車、三菱ふそうおよびUDトラックスは、大型トラックの全車種を 2015年度(平成27年度)重量車燃費基準に適合させる技術開発に必死に取り組んでいるものと考えられる。
一方、10 リットルのダウンサイジングエンジンを採用しているために走行性の劣る大型トラック大型トラックを販売
しているいすゞ自動車では、日野や三菱と同様の走行性能の優れた13 リットル級の標準サイズのエンジンを搭載し た大型トラックを商品化してほしいとの販売部門からの要望が強いものと予想される。したがって、日野自動車、UD トラックス、三菱ふそうおよびいすゞ自動車の全てのトラックメーカは、13 リットル級の標準サイズのエンジンを搭載 した大型トラックでの2015 年度(平成27年度)重量車燃費基準に適合させるための燃費改善の新たな技術を必要 としていることは明らかである。この13 リットル級の標準サイズのエンジンを搭載した大型トラックを2015 年度(平 成27年度)重量車燃費基準に容易に適合させることができる技術が、筆者提案の2ターボ過給機方式の気筒休止 エンジン(特許公開2005-54771)である。
仮に、日野自動車は、この気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を大型トラックに採用した場合には、
大型トラックが5〜10 %程度の燃費を改善できるため、13リットルの標準エンジン搭載の7段マニュアルトラン ミッションを装着した大型トラック・トラクタの重量車モード燃費を2015年度(平成27年度)重量車燃費基準に 容易に適合させることができると考えられる。三菱ふそうとUDトラックスの場合も同様である。これについては、気 筒休止エンジンによる大型トラックの低燃費化に詳述しているのでご覧いただきたい。
前述の通り、日野自動車、三菱ふそうおよびUDトラックスは、ポスト新長期排出ガス規制(2009年規制)に適合の
大型トラック用ディーゼルエンジンの重量車モード燃費値を数パーセント程度の削減ができないため2015年度(平 成27年度)重量車燃費基準が未達成の課題を抱えている。一方、いすゞ自動車は、日野自動車、三菱ふそうの2社 よりも小排気量のエンジンを大型トラックに採用し、エンジンダウンサイジングによって燃費削減を図って大型トラッ クの大部分を2015年度(平成27年度)重量車燃費基準に適合させているが、この場合には大型トラックの走行性能 に若干の犠牲が強いられている車種もあるようだ。したがって、いすゞ自動車においても、大型トラック用ディーゼル エンジンにおける燃費削減の必要性は、他のトラックメーカと変わらないものと考えられる。したがって全てのトラッ クメーカにおいて、大型トラックの気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の技術を採用すれば、燃費向上の課 題は、容易に解決できるのである。なお、気筒休止エンジン(特許公開2005−54771)が大幅に「燃費改善」と 「NOx削減」の両方を実現できる優れた特性がある。その理由については、気筒休止は、燃費削減と尿素SCRの NOx削減率の向上に有効だ!のページを御覧いただきたい。
また、PM削減のために装着されているDPF装置では、ポスト噴射またはHC排気管噴射による頻繁なDPF再生
によって燃費を悪化させる欠陥を抱えている。これらポスト噴射またはHC排気管噴射を用いること無くDPFの 再生を可能にする技術が後処理制御システム(特許公開2005-69238)である。この特許技術は、燃費を浪費させ ることなくDPFの再生を可能にするため、現状の走行燃費を大きく削減することが可能となるのである。これについ ては、燃費悪化のポスト噴射を止め、気筒休止でDPFを再生する新技術に詳述しているので、御覧いただきたい。
そして、今後、大型トラックの脱石油とCO2削減を同時に実現するためには如何なる施策が実施されるべき
かと問われれば、「閑居人」は、天然ガスと軽油を併用する「DDF大型トラック」を開発し、広く普及させること」 と自信を持って答えたい。我が国では余り知られていないが、世の中にはディーゼルに比べ15%のCO2削減が可 能なDDFエンジンと云うエンジン技術が既に存在し、このDDFエンジンを搭載したDDF運転とディーゼル運転の選択 が可能なDDF大型トラック は天然ガスの補給ができない地域では軽油のみで運行させて貨物輸送を行うことがで きることは既に知られている。そして、2011年8月からスウェーデンのボルボ・トラックスは、このDDFエンジンを搭載 した大型DDFトラック・トラクタの市販を開始したとのことである。仮に、このDDF運転とディーゼル運転の選択が可 能なデュアル運転モードの機能を備えたDDF大型トラックを日本全国に普及させることにより、気候変動枠組条約 に基づいた京都議定書のCO2削減に関する大型トラック分野での目標を容易に達成することが可能あり、脱石油 による石油エネルギーに対する危機管理が充実でき、また燃料には安価な天然ガスが併用できると云う、大型トラ ック。トラクタの分野における画期的な進歩と改善をもたらすことは間違いないと考えている。
4.現在の大型トラック用ディーゼルエンジンにおける重要な課題とその解決策(まとめ)
これまでの説明を解り易くするため、現在の大型トラック用ディーゼルエンジンが抱えている重要な課題を整理し、
それぞれの課題の解決に有効な筆者提案の3件の特許技術[(気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)、後処理 制御システム(特許公開2005-69238)、直噴式DDFエンジン(特許公開2008-51121)]を分類し、各特許技術によっ てそれぞれの課題が解決できる技術的な作用・効果を説明したページを以下の表1にまとめた。(下線部分をクリッ クにより、そのページを表示)
現在の大型トラック用ディーゼルエンジンにおいて、早急に解決を図るべき重要な課題は、表1に示したような「燃
費改善」、「CO2削減」、「低負荷時における尿素SCR触媒の高温化によるNOxの削減」、「ポスト噴射また はHC排気管噴射が不要なDPF装置の自己再生の促進」および「脱石油」であると考えられる。そして、筆者が 提案している3件の特許技術を実用化することにより、表1に示した大型トラック用ディーゼルエンジンの重要課題 の全てを容易に解決することが可能になるのだ。
一方、最近の自動車技術会や日本機械学会の講演会や論文集等においては、表1に示した大型トラック用ディー
ゼルエンジンの課題解決を目的とした多数の論文が発表されているが、これらの論文には大型トラック用ディーゼ ルエンジンの表1の重要課題を十分に改善できる技術が残念なことに殆んど記載されていないようである。また、自 動車技術会の「2010年人とくるまのテクノロジー展」(2010年5月19〜21)で世界的な研究機関であるAVL(オースト リア)のヘルムート・リスト会長が講演し、ディーゼルエンジンの燃費向上には、「コンピュータ設計技術をうまく使う」 との説明を追加して「フリクションロス(摩擦損失)の低減」と「シリンダー内の燃焼改善」のエンジン工学の教科書に 記載されている二つの技術項目によって25%の効率向上が可能と発表しているが、具体的な技術内容は何も示し ていないようだ。これは、世界的な研究機関のAVLが具体的な技術内容を何も示さずに、ディーゼルエンジンの効 率向上の単なる希望を述べているに過ぎないのだ。AVLは全く寂しい内容の講演を行ったものだ。
また、AVLは、具体的なディーゼルの効率向上の方法として「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーターを付
けることで、6 - 7%ほど効率を上乗せできる」と発表しているが、これはディーゼルエンジンの排気ガスの熱エネル ギーをランキンサイクル、排気ガスタービンまたはスターリングエンジン等で動力に変換し、この動力で発電機を駆 動して電気エネルギーを回収する装置を付加したものと考えられる。この「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバ ーター」は、火力発電所や大型船舶ではディーゼルエンジンが定格出力で運転されるために常に高温の排気ガス を排出するために高い効率で稼働できるため、既に火力発電所や大型船舶において広く普及している装置である。 しかし、大型ディーゼルトラックは常にエンジン出力が変動する上に部分負荷の運転で低い排気ガス温度となること が多いため、大型トラックに「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーター」を搭載した場合には効率が著しく劣 ってしまうことになる。そのため、大型トラックにこのコンバーターを搭載しても十分な燃費の向上は難しい。したがっ て、AVLがこのコンバーターの搭載によって大型トラック用ディーゼルエンジンの効率を6 - 7%ほど改善できるとの 講演での発表は、大きな誤りではないだろうか。因みに、排気ガスの排気熱を排気ガスタービンで動力として取り出 すターボコンパウンドは、ターボコンパウンドがディーゼル燃費を大幅に改善できるとの主張は、誤りだ!に詳述している ように、気筒内の最高圧力を高めることなくエンジンの高出力化が可能な技術であり、燃費向上の機能が少なく、 重量車モード燃費を1%未満しか改善できないような燃費改善に不適な技術である。
このAVLが推奨する「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーター」は、大型ラックの走行で多用されるディー
ゼルディーゼルエンジンの部分負荷運転時には排気ガス温度が低く、排気ガスの熱を電気エネルギーに変える際 の効率が劣る欠点がある。この欠点(=欠陥)を改善するためには、ディーゼルエンジンの部分負荷運転時の排気 ガス温度を高温化する新たな技術を追加することが必要である。したがって、AVLの提案のように、「排気熱を電気 エネルギーに変えるコンバーター」を単に大型トラックに搭載しただけでは、大型トラックの十分な燃費向上は望め ないのである。仮にAVLが大型トラックの燃費向上のために「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーター」を大 型トラックに搭載することを提案したいのであれば、大型ラックの走行で多用されるディーゼルディーゼルエンジン の部分負荷運転時に排気ガス温度を高温化する技術を最初に提案すべきではないかと考えられる。ディーゼルエ ンジンの部分負荷運転時に排気ガス温度を高温化できる技術を何も提示しないで「排気熱を電気エネルギーに変 えるコンバーター」を大型トラックに搭載するとのAVLの講演での提案は、「閑居人」には愚の骨頂と思えるのだ。 AVLがこのような講演発表をしているところを見ると、ディーゼルエンジンの燃費向上についてはAVLも技術アイデ アが枯渇し、大きな壁に突き当たっているように考えられる。そして、そのようなAVLに多くのトラックメーカが大型ト ラック用ディーゼルエンジンの燃費向上のコンサルティングを飽きもせずに受けている現状を考えると、今後の大型 トラックには燃費向上に大きな期待ができないと考えるのが妥当ではないだろうか。
このAVL推奨の「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーター」が大型トラック用として実用に耐えうる高い効率
で稼働できるようにするためには、大型ラックの走行で多用されるディーゼルディーゼルエンジンの部分負荷運転 時での排気ガス温度の高温化を図ることが必要である。その方法として、このコンバータを採用する場合には、「閑 居人」提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術を用いるこが必須と考えている。逆な言い方を すれば、AVL推奨の排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーターのシステムに「閑居人」提案の気筒休止エンジ ン(特許公開2005-54771)の特許技術を用いない場合には、効率の向上が望めないのである。そのため、AVLが 提案する「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーター」のシステムでは、重量車モード燃費の向上が十分でな く、実用性に欠けた技術と考えられる。ディーゼルエンジンの熱効率の向上を図る技術として、AVLがこの「コンバー ターのシステムを提案したいのであれば、ディーゼルエンジンの部分負荷運転時の排気ガス温度を高温化する技 術である「閑居人」提案の気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)の特許技術の採用も同時に提案すべきであ る。
因みに、AVLは「排気熱を電気エネルギーに変えるコンバーター」ではディーゼルエンジンの排気ガスからエネル
ギーを回収して6 - 7%(重量車モード燃費?)の効率を上乗せするとの発表を行っているが、このAVL提案のコン バーターが稼働した際の効率は極めて低いと予想されるため、このコンバーターを大型トラックに搭載した場合に は、実際に大型トラックの重量車モード燃費で6 - 7%ほどの燃費を上乗せすることは極めて難しいものと考えられ る。これについては、AVLは無責任な効率向上の数値を発表をしているのではないかと感じている。
また、AVLがこの講演で提案しているもう一つの効率向上の技術がエンジンダウンサイジングである。このエンジ
ンダウンサイジングは、古くから良く知られた燃費向上の技術であり、大型ディーゼルトラックのメーカがこれまで競 って開発を実施してきた技術であるため、技術的には何の目新しさも無い燃費向上の手法である。
以上のように、世界的な研究機関であるAVLの2010年5月の講演の提案は、ディーゼルエンジンの効率向上につ
いては古典的な既知の技術に限られており、技術的な目新しさは見られず、大型トラックの燃費向上に早急に採用 できるような新しい技術を何一つ提案していないようだ。このことは、世界的な研究機関であるAVLでも、ディーゼル エンジンの燃費向上に有効な技術が提案できないことを示している証拠とも考えられる。このようなことから、世界 の大学・研究機関・トラックメーカ等の学者・専門家の人達でも、表1に示した大型トラック用ディーゼルエンジンに関 する重要課題の解決の方法は、未だに何も見出していないと言っても過言ではないように考えられる。それにもか かわらず、殆んどの学者・専門家は、筆者提案の3件の特許技術を完全に無視していることは、「閑居人」には理解 に苦しむところである。
したがって、最近の学者・専門家は、「技術の真理を追及して社会の発展に貢献する」と云う研究者・技術者として
の本来の使命・良心を完全に忘れてしまっているように思えるのだ。元エンジン技術屋の「閑居人」としては寂しい 限りだ。そして、彼らは新たな研究開発に取り組む熱意を喪失しているようであり、これまで実施してきた研究開発 を後生大事にダラダラと惰性で継続しているだけではないだろうか。このような姿勢で研究開発に取り組んでいて は、現在の大型トラック用ディーゼルエンジンの課題解決に何一つ貢献できないことは明らかであり、内容の乏しい 論文しか発表できていないことは、当然の成り行きと考えられる。
このように、現状の大学・研究機関・トラックメーカは、大型トラックについて燃費向上を含むディーゼルエンジンの
重要な課題解決に目立った貢献できる論文が発表できていないようだ。そのため、現状の大学・研究機関・トラック メーカにおける研究開発の現状レベルでは、近い将来に大型トラック用ディーゼルエンジンの重要な課題を全て解 決することが極めて困難なように思われる。そして、現在の状況では、トラックメーカは、仮に国土交通省が2015 年度重量車燃費基準から5%程度の強化を検討した場合、今のところ各トラックメーカにはその燃費基準に適合で きる能力がないためにトラックの生産ができなくなることから、国土交通省に2015年度重量車燃費基準の強化の 遅延を強く要望し続けざるを得ないと推測される。
また、現状では、政府は「ディーゼル重量車 NOx = 0.23 g/kWh のNOx規制強化」、「CO2削減」および「脱石油」
等の有効な政策を何も打ち出せない状態であり、今後もこの状況は、長く続くものと予想される。しかしながら、現 時点で仮に大学・研究機関・トラックメーカ等において筆者提案の3件の特許技術に勝る技術の開発に目処が立っ ているならば、この筆者の予測が完全に覆されることになる。そこで、誰方か「閑居人」の3件の特許技術に勝る技 術が大学・研究機関・トラックメーカ等において既に開発されていることを御存じの場合には、その技術についての 概要を是非とも「閑居人」にお教え頂きたいと願っている次第である。その技術が「閑居人」提案の3件の特許技術 を凌駕しているものであれば、このホームページを即刻に訂正したいと考えている。
何はともあれ、大学・研究機関・トラックメーカ等が筆者の提案している実用化の容易な「気筒休止エンジン(特許
公開2005-54771)、後処理制御システム(特許公開2005-69238)、直噴式DDFエンジン(特許公開2008-51121)」の 3件の特許技術の研究開発を早急に実施すれば、大型トラック用ディーゼルエンジンが抱えている多くの重要な課 題が早期に解決でき、大型トラックにおける改善が速やかに実現できるのである。「閑居人」が提案している3件の 特許技術によって実現が可能な大型トラックの性能向上の内容を以下の表2に示す。
筆者提案の3件の特許技術を実用化することによって、以上の表2に示したNOx削減を含む大型トラックの性能
向上の全てが見事に実現できるのである。しかし、現在は、筆者提案の3件の特許技術が何故か多くの大学・研究 機関・トラックメーカ等の学者・専門家には無視されているのだ。これにより、近い将来、NOx削減を含む大型トラッ クの大幅な性能向上が難しいことは確実と予想される。そのため、「ディーゼル重量車の NOx = 0.23 g/kWh (WHTC排出ガス試験法)の規制強化が遅延されていること」により、国民は大気環境改善の停滞を無条件に受け 入れることをを押し付けられてしまうのである。そして、トラックユーザにとっては「燃費の改善された大型トラックの 市販が遅れてしまうことや、ポスト噴射またはHC排気管噴射によるDPF装置の再生での燃料浪費が今後も継続さ れてしまうこと」によって経済的な不利益を被ってしまうのだ。
また、政府(国土交通省・環境省・経済産業省)は、相も変わらず、大型トラックのCO2削減や脱石油に関してバイ
オマス燃料のような実現の不可能な政策」を恥ずかしげもなく掲げ続けて行かざるを得ず、そして「中央環境審議会 の第八次答申に挑戦目標として明記されているディーゼル重量車 NOx = 0.23 g/kWhレベルまでのNOx規制強化 を遅延させ続け、また例えば2015年度重量車燃費基準から5%程度を強化のような、次期の更なる重量車燃費基 準の強化の予定を全く表明できない状況が続いて行くものと推測される。
ところで、日本の社会では、退職して何れの企業・団体に属さなくなった日から、その人はポンコツの元技術屋と
見なされる傾向が根強いようだ。そのようなポンコツの元技術屋の筆者が提案する3件の特許技術は、ディーゼル エンジン関係の学者・専門家が技術の内容を詳細に検討すること無く、「幼稚な技術」と見なされてしまっているもの と推測される。しかしながら、ポンコツの元技術屋の筆者は、このようなことが大型トラックにおける日本のNOx削減 を含む性能向上が大幅に遅れるのではないかと勝手に思っている。
さて、最近の大型トラックの寿命は、途中でオーバーホールを行う必要はあるが、走行距離で150万km以上が
常識とされている。そのため、大型トラックのシステム・装置には常に高い耐久性と信頼性が求められている。した がって、大型トラックに新しいシステム・装置を採用する場合には、高耐久性と高信頼性を確保するため、長い期間 を費やしてシステムや部品の開発が行われている。このように、大型トラックに用いるシステム・装置の開発には長 い期間が必要なため、新たな技術を採用する場合には、そのシステム・装置の基本的なアイデア・概要がトラック業 界内では古くから話題になっていることが多い。
例えば、新長期規制(2005年規制)の大型トラックに新たに採用された「尿素SCR触媒装置」は、この技術がトラッ
ク業界で最初に話題となったのは1977年頃にボイラー用の装置として実用化された時であった。各トラックメーカ とも、それより少し後にこの技術の開発の検討を開始し、実際にこの技術を大型トラックに採用されたのは新長期 規制(2005年規制)である。同じく新長期規制(2005年規制)の大型トラックに新たに採用された「DPF装置」は、トラ ックメーカの元技術屋の筆者もこの装置の開発の初期に少し関係したが、その時期は1990年前後であったと記 憶している。したがって、「尿素SCR触媒装置」と「DPF装置」は、共に技術開発のために実に20年前後の歳月を費 やしているのである。
また、筆者が発明したディーゼルエンジンのプレストローク噴射ポンプ(商品名:TICS)は、最初のアイデアを特許
として出願して開発を開始してから10年程度を経過した後に、プレストローク噴射ポンプを採用した大型トラックが 市販できたのである。このようなことから、大型トラックに新たなシステム・装置を採用する場合には、大型トラックに 必要な高耐久性・高信頼性を確保したシステム・装置を完成させるために、通常、10年以上の十分な開発期間が 必要な場合が多いと考えられる。
このように、大型トラックのディーゼルエンジンに新たなシステム・装置を採用する場合には、通常10年程度の十
分な開発期間が必要となる場合が多い業界だ。そのようなトラック業界にもかかわらず、今のところ大学・研究機 関・トラックメーカでは、表1に示した大型トラックの「燃費改善」、「CO2削減」、「NOx削減」、「DPFの自己再 生の促進」、および「脱石油」の重要な課題について、何れの課題でも解決できる技術が何一つ開発できて いないようだ。このように、大学・研究機関・トラックメーカにおいて未だに大型トラックの重要課題を解決で きる技術が不明の現状では、「閑居人」提案の3件の特許技術を実用化しない場合には、いつまで経っても 表2に示した大型トラックの性能向上の全てが実現できない可能性がある。
何はともあれ、わが国の大学・研究機関・トラックメーカは、未だに表2に示した大型トラックの性能向上を可能に
する技術が何一つ開発できていないことは事実のようだ。そのような状況にもかかわらず、大学・研究機関・トラック メーカの学者・専門家は、「閑居人」提案の3件の特許技術を無視しているのである。これによって、実際に迷惑を 被ってしまうのは、「大気環境改善の停滞」に曝し続けられる一般市民であり、「燃費を大幅に改善した大型トラック の販売開始の遅れや、現行のDPF装置の自動再生・手動再生での燃料の垂れ流し」を強いられ続けるトラックユー ザであり、「表2に示したNOx規制強化、重量車燃費基準の強化、CO2削減、省エネ、脱石油」の政策が推進できな い政府(国土交通省・環境省・経済産業省)である。特に、政府(国土交通省・環境省・経済産業省)の担当官僚の 人達は、彼らの職務である「NOxとCO2の削減による大気環境の改善」、「省エネルギーの実現」、「脱石油の実現」 が全く不可能なため、崖っぷちの状況にあると考えられる。
その中でも、特に社会的ニーズの高い大型トラックの燃費向上とNOx削減が実現できる体制を早期に構築する最
善の方法は、できるだけ早期に排出ガス規制と燃費規制のオプションとして、表3に示したようなNOx削減と燃費向 上を規定した「低NOx・低燃費トラック・バスの基準(案)」を新たに設定することである。この「低NOx・低燃費自動車 の基準(案)」では、表3に示した通り、2005年の第八次答申にNOxの挑戦目標として示されていた 0.7 g/kWhの 1/ 3程度の 0.23 g/kWhのNOx 規制値と、2015年度重量車燃費基準から 5% 程度の燃費を向上した大型トラックの 「低NOx・低燃費トラック・バスの基準(案)」を設定することが適切ではないかと考えている。そして、大型トラックに 気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)を採用することにより、政府は大型トラックの新たな低燃費・低 排出ガス基準を早期に設定せよ!に詳述しているような「NOx=0.23 g/kWh & 2015年度重量車燃費基準 から 5% 程度の燃費を向上」を規定した低NOx・低燃費トラック・バスの基準が実際に施行された場合に は、この基準を達成した大型トラックをを容易に実用化し、市販できるのである。
そのため、政府(国土交通省・環境省・経済産業省)の担当官僚の人達は、トラックメーカに対し、「閑居人」が提
案する3件の特許技術の研究開発に早急に着手するように指導すべきと考えるが、如何なものであろうか。もっと 解り易く言えば、政府(国土交通省・環境省・経済産業省)がトラックメーカに対して「閑居人」提案の3件の特 許技術【気筒休止エンジン(特許公開2005-54771)、後処理制御システム(特許公開2005-69238)、直噴式 DDFエンジン(特許公開2008-51121)】の研究開発を速やかに開始するように指導しなければ、最悪の場合 には表2に示したNOx削減を含む大型トラックの性能向上が際限なく先送りされる可能性があることを喚起し ておきたい。
ところで、鳩山前首相は2009年9月22日に国連本部で開かれた国連気候変動首脳級会合で2020年までに
温室効果ガスを1990年比で25%削減する日本の中期目標を表明した。省エネの発達した日本ではCO2の25% 削減の実現が極めて困難であることは既に世界的に良く知られていることもあって、鳩山首相の非現実的なCO2 削減宣言に対し、国連ではほとんど注目されなかったようだ。常識的に考えれば鳩山前首相の露骨な売名行為・自 己宣伝であることが容易に判断できるため、各国のマスコミも揃って無視したのではないだろうか。結果から言え ば、CO2削減について世界各国が冷徹な判断の基に行動していることを理解できていない鳩山前首相は、CO2の 25%削減を表明することによって世界の称賛を得るものと勝手に思い込み、CO2排出に関して日本の社会全体に 重い足かせを嵌めてしまったのだ。このような的外れの鳩山前首相の行動は、国民にとっては迷惑な話である。
そうは云っても、既に日本は大幅なCO2削減を世界に向かって宣言したことから、大型トラックにおけるCO2削
減の必要性も現実味を帯びてきたのである。一方、経済産業省の2006年5月の「新・国家エネルギー戦略」では「ほ ぼ100%を石油系燃料に依存する運輸部門はエネルギー需給構造の中で最も脆弱性が高いために石油依存から の脱却を図るべき」とし,「今後、2030年までに、運輸部門の石油依存度を80%程度とすることを目指す」とす政策 を発表しているのだ。このように現在の政府は大型トラックにおいてはCO2削減と脱石油と云う立派な方針・目標を 堂々と掲げているのである。しかしながらこれら方針・目標を実現できそうな施策は何も発表されていないようであ る。これについては、「大型トラックの「CO2削減」と「脱石油」の技術は、未だに不明か?」、「日本の脱石油・低炭 素化に寄与しない研究に熱心な交通安全環境研究所」および「バイオマス由来のDMEによる自動車の低炭素・脱 石油は、不可能だ!」に詳述したように、「閑居人」は政府や関係省庁が大型トラックのCO2削減と脱石油の政策 を積極的に推進しているようにはとても考えられないのだ。
このような状況を見ていると、「閑居人」はポンコツ元技術屋としての血が沸々と湧いてくるのある。そこで、現在の
大型トラック用ディーゼルエンジンの多くの課題を解決するために、「閑居人」(筆者)は気筒休止エンジン(特許公 開2005-54771)、後処理制御システム(特許公開2005-69238)および直噴式DDFエンジン(特許公開2008-51121) の3件の特許を考案し、提案しているのである。世の中で「挑戦課題」と叫ばれている大型トラックのディーゼルエン ジンの「燃費改善」、「CO2削減」、「低負荷時における触媒(排出ガス後処理装置)の高温化によるNOx削減とDPF の自己再生促進」、「ポスト噴射またはHC排気管噴射が不要なDPF装置の再生」、および「脱石油」の課題が、「閑 居人」提案の3件の特許技術によって解決できると考えるのは、「閑居人」の単なる独り善がりであろうか。
最後に、このホームページの全てのページで誤りや疑問と考えられる記載内容にお気付きの場合には、躊躇無く
ご指摘をいただければ幸いです。また、どのようなことでも構いませんので、反論を含めて率直な御意見・御感想を お送り願えればと思っております。 |