ウルトラセブン・レプリカヘッド(WAVE製)

今回の依頼者はお友達の田中くん。いつも芝居にマメに来てくれる貴重なお客様。
その田中君が遊びに来た。ウルトラセブンの頭を持って。

このキットは去ること1980年後半に発売された名品。透明ソフビ製で着ぐるみの原寸サイズ。確か定価19,800円だったっけか?今では店頭ではお目にかかれないレア物。それをネットオークションで落札したそうな。

で、田中君はこれを作ってほしいと、僕のところに相談に来たわけで
。しかしまあ、そのブツの大きいこと大きいこと。こりゃそうそう作れる者もいないだろうし、未塗装で置いておける代物じゃないし、なまじっかな塗装でも様にならん。つまり完成させない限り、ゴミってことか・・・。

僕もこのキットの存在は知っていたけど、目の当たりにするのは初めてでしかも自分で作ることは一生無いだろうと思っていたもんなー。でかいし。これだけ大きいとごまかしが効かない・・・。

よーし!がんばるかあ!

最初はバラバラに ポリスチレンでジョイントを スラッガーも改造
熱湯をぶっかけ、ドライヤーで熱を加えながらバラバラに。そこから段取りを組んで処理、塗装、組み立てをしていくわけだけど、やはり簡単にはいかない。

塗装は裏側に灯り漏れ防止のためにつや消しブラックを吹き、表はシルバーを拭く。ソフビ専用のイリサワVカラーを使用。これはサーフェーサー代わりにもなる優れもの。ただ、割高。
左)複製 右)複製の鏡面仕上げ 丁寧に色をつける はめる
目は元のキットが黄色変化しているため、発光には不向き。てことで、切り取ったキットの目を原型に複製を作る。
透明樹脂は初めていじる、最初から上手くいくとは思っていなかったが、これほど大変だとは。最初10分硬化のレジンキャストを使ってみたが、これが大失敗。発砲しまくって気泡の嵐。最後の一滴まで成功することは無かった。やはり真空脱法機がないとダメか・・・。そこで、24時間硬化のエポキシ樹脂に切り替える。時間はかかるもののこちらはいい調子。やっとこさっとこそれらしい複製品が出来て、これに磨きをかける。320番から始めて、2000番までペーパーがけ、その後で、液体コンパウンドで鏡面仕上げを施す。根気良くやれば、ピッカピカ!

こいつにマスキングなどを駆使して色をつけ、クリアーを全体に吹いて塗装を定着させ、フィニッシュ。この目だけは死んでも傷つけてはならん。

ちなみにこの目を作るだけで2週間かかってる。途中、作業の失敗でシリコン1k、キャスト1セットが無駄になった。
自業自得とはいえ、制作費の半分はこの目だ。
外面完成
おでこのビームランプは塩ビ版のヒートプレス。目が決まれば組み立てははやい。

ちなみにセブンは多少渋めに塗装。えもいわれぬ貫禄があるヒーローなので、おっさん臭くしたほうがいいな。下手に明るいと若くなってしまう。
電飾ギミックのプロテクター 組み合わせると、こうなる。 はめるとこうなる。 裏側

側が完成すると今度はいよいよ電飾ギミック。先に登場したポリスチレンボードをコンパスカッター等を用いて目の内側に貼る部品を作り、ホットボンドで内側に貼り付ける。これに電球をはめていくわけだ。

裏にはアルミホイルを貼ってある。 発光!かっちょえー!! 耳の中にスイッチ 首の後にアダプタージャック
セブンの目の光方は特殊。本物の映像や写真資料を良く見て光源を探る。光がどう拡散するかも計算に入れないとなかなか思うように光らない。電飾は電池だと不経済で大変だ。全部で2.5V電球を5個、合計12.5V必要。電池だと、9Vの四角電池と1.5V2本になる。
てことで電源はDCアダプター15V。
蓄光テープ 頭のスリットに貼る
全てが形になり、最後の仕上げとなったのが、蓄光テープを頭のスリットに貼る作業。何でこうするかというと、本物の着ぐるみが恐らくこうなっているようで。アップの写真資料などでも確認できます。通常は白とか金で塗るんですが、まあ、蓄光テープが手近にあったもので。そして。完成!
塗装前
塗装後
制作期間はざっと一ヶ月。当然別の仕事もやりながらだけど、わ・れ・な・が・ら・に・・・・まさか完成するとは思ってなかった。

まずは、作業を一任してくれた依頼者の田中君に感謝。さて、この後にちょっとだけ残りの作業をします。それは後日・・・。
(2004年11月26日)

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