【ポーズの選択】 製作当初、実は造型へのモチベーションがあがらなかった。 単にカッシングを作るというコンセプトだったためにいまいちベクトルが定まらなかったのと、前出で発売されていたジェントル・ジャイアント・ブランドの「モフ・ターキン」のバストアップモデルのアプローチが実に見事で、「これがあるならカッシングを作る必要が無い」と思っていたからだ。とりあえず顔だけ作っていたが、全くエンジンがかからなかったので、形になったものは惨憺たるものだった。 実をいうと、このターキンのバストアップに対抗しうるポーズというのは作る前から頭にはあった。それが今回の「シャレコウベほお擦りポーズ」なのだ。がこれは一旦封印してみた。理由は簡単明瞭、面倒くさかったのである。 このシャレコウベを持つポーズは、「重厚なメイクをせず素顔に近い状態のカッシングが何の役をやっているのか?」・・・というより、「このおじさんは誰なのか?」ということを説明無しで解からせる唯一のポーズであるが、いかんせん・・・難易度が高い。顔が似ればそれでいい、という問題でもない。 結果的にモチベーションを上げるために封印を解かねばならなかった。また、このポーズでなければ作る意味もあるまい。 胸から上を作って「ああ、よく出来ましたね」では済まないのである。それなら作らない方がましだ。 出来た今だから言ってしまうと、「頓挫する」可能性が非常に高かったのである。 ただ頭の中の完成体のビジョンだけはしっかりしていた。完成した要因は何か?といえば間違いなく「ビジョンがあったこと」だろう。
【完成して】 なぜか今回は最後の最後まで強がっていた。制作上の問題は山積みだった。私自身は基本的に意思は弱い人間なのだが、変なところが頑固だったりする。今回は「頑固」がいい方に 向いた。 目の前に立ちはだかった壁を「乗り越える」ではなくて「ぶち壊して」完成にこぎつけた印象が強い。 繊細さも必要だったが、かなりの力技も要した。問題点が頭がでかいとか、骸骨がでかいとか体が小さいとか、そんなのばっかり。その都度、整合性が合うまで格闘した。 「アフリカの祈祷師が雨乞いの踊りをすると必ず雨が降ります。さて何故でしょう?」 「雨が降るまで踊るから」 の世界だ。 このでかさの計算がいまだに出来ないのがなさけない。これができればもっと早く終わるのに。 相変わらず細かなエピソードがあるのだが、それをいちいち書いていては限が無いので書かない。ただ、やはり作るのは大変で一筋縄ではいかない。血反吐を吐く思いで作っていたのだが、一応製作最中は平常心を保ってみた。 このページを作ってる今、ようやくこいつに飽きてきたので、テンションも丁度良かったのだと思う。
【造型後記】 ドラキュラ像を作ってからほぼ一年を経て、フランケンシュタイン男爵像を完成させることが出来たのは、私としても実に感慨深い。 ハマープロの2大巨頭を作り、それを手元に置くというのは長年の夢でもあったし。 さてさて、とにもかくにも完成した。 最後に、監修及び資料提供に尽力を注いでくれたCount Japaculaさんと、私の根城である「魔人館」の方々の後押しに感謝。 【作品データ】 「フランケンシュタイン男爵 バストアップモデル」 全高:18センチ(ノンスケール) 完成日:2006年4月3日 造型:怪獣男爵KAZ 監修&資料提供:Count Japacula 協力:魔人館