もともとはアーリア人がインドに持ち込んできた神様。
金髪に金の肌で天空を駆ける戦争の神様というか、軍神で、悪魔たちをバッタバッタと倒しまくる頼もしいお方。しかし、バラモン教が土着の要素を取り入れてヒンドゥー教へと発展していくうちに、この神様は段々シヴァの役割に取って代わられていきます。
インドラは、大地の女神プリヴィティーと、天空の神ディアウスの間に生まれます。
しかし、インドラのパワーはすさまじく、彼が生まれたことで世界の秩序が変わってしまうことを察知した母親は、彼を恐れて捨ててしまいます。子育て放棄です。
そして父親も、そんな彼に見向きもしない。
インドラは、厳しい放浪生活を経て軍神になるべく力をつけていくのです。
ちょうどそのころ、世界では、蛇(ナーガ)一族であるヴリトラが、雨や川の水をすべてせき止めて、人間たちを干ばつで苦しめていました。人々は神々に、ヴリトラを退治してくれるように願いをかけていたのですが、それを聞いたインドラが、自分が退治しようと名乗りをあげました。
彼は、ソーマ酒をがぶ飲みし、技巧神トヴァシュトリがつくった必殺の武器「ヴァジュラ」でヴリトラに挑みます。そして、長い戦いの末、ヴリトラは倒され、人々は恵みの雨を感謝し、インドラを英雄神と讃えたのでした。
インドラはその後どんどん力を発揮し、天界の勢力図を書き換えていきます。そして、母親が恐れたように、父親であるディアウスを、彼から奪った武器「稲妻」で殺し、地位を不動のものとしてしまうのです。
英雄ではありますが悲しい結末ではあります。
ヴリトラは、雨を閉じこめる悪魔であり、その悪魔を雷で退治することで雨が降り、大地が潤う。これは毎年の乾期から雨期への移り変わりを神話化したものであるとの考え方があります。
もう一方で、ヴリトラは蛇(ナーガ)であり、水を司る土着の神。
その神を倒し地位を奪うことで、土着の人たちの信仰を広げようとした、とか
インドラはアーリア人の神なので、土着の人たちを戦いにより制圧していった姿がインドラとヴリトラの戦いである、とかいろいろ言われていますがどれも正解ぽいですね。
天馬に乗ってそらを駆ける軍神だったインドラですが、その後ヒンドゥー教では他の古代の神様たちのように位置づけがかわってきまして、次第にシヴァにとってかわられていきます。
シヴァの息子である「スカンダ」は、インドラから軍神の座を譲り受けることになっていますがそれもこのあたりの関係でしょうね。
現在では、インドラは「東方の守護神」として位置づけられています。
彼は、アマーラヴァティーという神々の都市に住んでいます。
この都市は、神々か、人間なら聖者か、英雄として死んだ者以外は入ることができない場所で、戦って死んだ勇敢な戦士は、死後、魂をアプサラスがこの場所に運んでくれるという言い伝えがあります。
そうそう。ヒンドゥー教では、彼は馬ではなく白い象にのるんです。
この象は、「乳海攪拌」時に生まれてきた象の王アイラーヴァタという有名な象さんです。
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