Collins 51J-4

R-388(51J-3)に天下の宝刀であるメカニカル・フィルタを組み込んだのがここで紹介する51J-4です.本機の性能的特徴はメカニカル・フィルタの「切れ」に尽きますが,引き替えに従来からの素直な受信音が犠牲になってしまいました.6KHzのポジションで聴くAMの受信音を例えると「スピーカに厚手の毛布を掛けた」ような感じです.いずれにせよ当時メカニカル・フィルタの「切れ」を目の当たりにした人々の驚きは想像に難くありません.

メカニカル・フィルタと増幅器が乗ったユニットが追加された他はR-388と変わりありません.メカフィル・ユニットは先頭の中間周波数増幅段とIFTを取り除いた位置に挿入されています.メカニカル・フィルタによる減衰を補う増幅段が追加されたため,中間周波数増幅は全部で4段になります.

技術の粋を集めたメカニカル・フィルタが装備されているにも拘わらず,当初からあった「シングルポールのクリスタル・フィルタ回路(事実上はノッチ・フィルタ)」もそのまま残っており,なんとも中途半端な感は否めません.ただし当時ハリクラフターズやハマーランドなどと繰り広げられていた性能向上戦争を考えれば,51J-3(R-388)は新しい技術を可能な限り早く製品化するためには格好のプラットフォームだったのでしょう.

メカニカル・フィルタには初期の製品である「Bシリーズ」が使われており,任意の帯域のものにワンタッチで交換できる構造です.工場出荷時には1/3/6KHzが実装されていますが,周波数が500KHzであるため選択肢は多くありません.選択度の切り替えはBFO発振周波数を可変するためのシャフトを二重化し,外側のチューブ状のシャフトにレバーを取り付けることで行います.

パーツ番号 **** タイプ番号  **** 帯域(KHz)
526-9007-000 F500B-08 0.36
526-9008-000 F500B-31 2.80
526-9009-000 F500B-60 5.50
526-9030-000 F500B-14 1.20

背面の様子はR-388/51J-3と大差ありません.ただし初期の製品では「Field Modification」の範疇だった「AGC端子」と「DIODE LOAD端子」が標準になりました.

軍用としてR-388A/URRがあり,51J-4と同じノーメンクレーチャの左側の「TYPE」の位置に「R-388A/URR」,右側の「SERIAL」の位置には「A1, A2, A3・・・」のように番号の頭に「A」を付けて刻印されています.